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2004年07月09日
大学を卒業しての新卒や中途採用などで葬祭業界に入ってくる若者もめずらしくは無くなった今、今年もあちらこちらでそんな皆さんとの出合いがあった。 机上の理屈や理論ではない、現場での経験が物を言うこの業界では、とにかく現場に飛び込ませて仕事を体験させ覚えて行かせることが一番の近道だ。しかし葬儀の現場に入れば少ない人数でのやりくりの中で、ゆっくりと教育している暇が無いことも事実だ。
ホール葬では女性スタッフが活躍する葬儀社も多いが、男性スタッフが司会や焼香案内などをソツなくこなす葬儀社もたくさんあって、悲しみのお客様に対してサポートをするときに、男女の差はほとんど無いと私は思っている。そして多くのスタッフの中で、ベテラン男性スタッフや出番の多い女性スタッフの間に埋もれている「人財」が、入社2~3年から5~6年程度の男性スタッフである場合が多い。もちろんその若手スタッフにも適所適材で活躍する場所があるわけで、何も葬儀で直接お客様にサポートすることだけが仕事の主役というのでは無いが「出来るのにやらない」「出来るのにやらせてもらえない」「出来なくてやらない」「やりたくない」という様々なパターンを抱えている。
研修会というのは普段できないことを体験する貴重な機会でもあると思う。だから私はあえて普段やっていない人にもお客様のご案内などを体験してもらう。年齢に関係なく、やったことがなくてもセンス(心)がある人には出来てしまうのが接遇のおもしろいところで、私のちょっとしたアドバイスやモチベーションの投げかけで、そんな若者たちも生き生きと接遇の世界へ入って行く。
やったことが無いことで恥をかく。失敗もする。注意もされる。でもそんなことをいちいち嫌がっていたらこの業界ではいつまでも何もできるようにはならない。「どんどん冷や汗をかいてください」「失敗にこそ成長がある」「あなた個人を攻撃しているのでは無い」「あなたを通してみんなが学ぶ」「どんどん間違ってください」「自分をさらけ出してください」「そこからすべてははじまる」「できるじゃない!」「格好いいわよ!」という私の言葉がけに、若手スタッフは勇気を振り絞り、大勢の前で接遇の訓練を繰り返す。 周りの上司や先輩たちはそっと見守り最後には拍手をする。
出来なかった事が、人前で出来るようになると、人は自信をつける。その体験が他のすべてのことに生きてくると私は信じている。そしてその若者たちに「5年後10年後の将来には、中堅となってこの葬儀社を引っ張っていて欲しい!」と祈らずにはいられない。 そんな「母」のような気持ちで研修会を後にする。
月日はあっという間に過ぎて行く。葬儀スタッフも、5年後、10年後、20年後の会社ビジョンを知り、自らも目標を掲げ、それに向かって全員が一丸となって進んで行くことが、強い葬儀社を作る一つの要因のような気がしている。
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年07月09日 01:20
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