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2004年11月21日

葬祭ホール竣工に携わる(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先日、震災間もない新潟に入った。
間もなく葬祭ホールがオープンするその場所で、多くの受講生と葬祭ホール接遇の基本に立った。

ここ数年、日本全国で葬祭ホールの新規オープンが目立つ。
今までその土地で葬祭業を営んできて、新たにその場所に葬祭ホールを立ち上げる場合もあるし、まるっきり初めての場所に、それも競合他社の激戦区に切り込む場合もある。
どちらにしても、この厳しい時代の中で失敗は許されない。
色々な意味で新ホールの竣工というものには、身も心もピリッと引き締まる思いがする。
椅子、備品、祭壇・・・すべてが新しいものの中で仕事をはじめる気持ち良さ。
人も物もすべてのエネルギーが、ここで葬儀が繰広げられるその日に向かって動いている。

スタッフには、葬儀について何も知らない素人さんもいる。
新しい葬祭ホールの形を作って行くときに、葬儀経験者よりも素人を雇う経営者が多い。
次世代に向けた葬祭ホールを目指して行くときに、新しい感覚や旧態依然としないやりかたが心底求められている。
そういう意味では、フレッシュな風を吹かせてくれる人材となるだろう。
当人たちは、右も左も分からない業界で、とにかく周りに着いて行くだけでも必死だろう。
上の人も育てようと努力をするだろうが、是非自分から育とうとする熱意も見せて欲しい。
葬儀の現場は先輩が手取り足取り教えてくれるほど暇では無い。
分からないことはすぐに聞く、メモをする、理解できなかったら又聞く、そしてやってみる。
時には失敗もする(これが大事だが、いつまでもは許されない)。
そして又やってみる・・・の連続だ。

そして次世代のリーダーとなって行くであろう中堅もいる。
新しいこの現場で、どれだけ心と身体を張ってやって行けるのか・・・。
自分には十分な経験や自信もあるだろうが、自分のことだけやればいいという状況では無い中で、期待と不安が混在するというのが本音ではないだろうか。
どこに向かって歩けばいいのか迷うことも多いだろう。
そんな時は、周りの人と共に精一杯進んで行くしかない。
そして最後には葬儀という仕事を信じ、それが出来ている自分を信じること!
それしかない。

そんな中で、オープンへの時間は刻々と過ぎて行く。
葬儀スタッフの最終目的は「悲しみのお客様を 葬儀を通して満足させる」こと。
オープンに向けてのゴタゴタは、そのお客様には一切関係のないことだ。
どうぞ、その最初の葬儀のご遺族が、しめやかに、落ち着いて、ゆっくりと悲しめる葬儀になるよう心を尽くして欲しい。
どんなに素晴らしい葬祭ホールでも、そこに建てただけでは生き残れない厳しい時代が来ている。
何よりも大事なのは、そのホールの中で、どんなスタッフが、お客様に対してナニをして、ナニを喋って、どれだけお客様を大切に出来るかということ。
大丈夫。新潟の皆さんならきっと出来るはず。遠い空の下から「エール」を送ります。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年11月21日 23:18

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