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2004年12月15日

葬儀のBGM作り ! (関谷 京子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

数年に及ぶ、ある闘病生活から漸く抜け出した頃、
昔同じ穴のむじなで仕事を共にした友人である司会者の
石川元さんから、ある日メールが飛び込んできた。
・・・作曲をして欲しい、と。
それも聞けばお葬式のBGMというではないか。
(ちなみに私はかつて演奏家であった)
何?葬儀屋の仕事? その「葬儀屋の」という響きが、
失礼ながらも音楽屋である私の笑いの壺に、はまってしまったのだが、
よく考えてみれば一人の人間が泣いたり笑ったりしながら生ききった最後の花道である。
亡くなられた方をお見送りするお手伝いをさせて頂く有り難い仕事である。
そう思うと私は急に厳粛な気持ちになった。

さて、この話を受けたその日からがさあ大変!
そうとなると仏様には、三途の川をしっかりと渡り切って貰わねばならぬ。
私の作り出したメロディーのせいで、川の途中で路頭に迷われてはお互いに困るのだ。
良いお式となるよう私は“泣かせず、邪魔せず、温かく”の三箇条を掲げて、
日々作曲や音作りにまい進した。
そして数日前依頼の10曲が8割方出来たところで
音楽には縁もゆかりもない我が夫に聴いてみてもらった。
「どう?」すると夫はトロリンコとした表情で「いてまいそうやぁ」と言った。
“そうか、いてまいそうか”奇妙な表現だが、
それって気持ちよく昇天出来そうだという事ではないか?!
“やった。とりあえず最低限はクリア、いいぞ京子”
それにしても、これもきっと何か目には見えない運命の力に導かれての
出会いなのだろうと思う。

思い起こせば私は良寛禅師を愛してやまぬ人間。
数年前、良寛紀行と称してその足跡を辿るべく一人旅をした際、
彼の生まれ故郷に立つ銅像に、本気で抱きつき、
やっと会えたと泣いたこの私である。
そう思うと神仏に関わる仕事との出会いも、
これ偶然ではなく必然と思わずにはいられないこの頃である。
そんな訳で今日もシンセにかじりつき一日を終えた。
勿論、私は専業主婦であるからして、そこはビシッ!とこの後台所に立ち
セッセと夕飯の支度だ。
さあ、明日は最後の音作り、頑張るぞ!

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年12月15日 22:56

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