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2005年01月31日
今年は花粉の量が例年の数十倍?これはどのような数値なのか・・・。 去年よく研修会で伺った秋田には、 それは素晴らしい「秋田杉」が多く見られた。 全国に植樹されているこの杉に、数万という花が咲き、 それらの花から無数の花粉がふり落ちるのだ・・・。 想像しただけでくしゃみが出てくる。 「春先には、秋田へは行けないなあ・・・」等と考えながら、 今日は春先の予防のために耳鼻科へ行ってきた。
私は風邪を引くと、必ず「喉」がやられる。 研修会での喋り過ぎや、飲んで騒いで大好きなカラオケの 歌い過ぎという場合もあるが・・・。 喉の調子が少しやばい!と思った時には、絶対にうがいが利く。 ちなみに私がよく使う薬に 「黄連・解毒湯」(おおれん・げどくとう)という漢方薬がある。 市販もされているが、これはすごくよく利く。 本来は、飲むための薬であり、体の熱を下げる薬だそうだ。 それでうがいをするのだからちょっと贅沢ではあるが 派遣社員として現場に出ていた頃、真冬の葬儀は本当に辛かった。 少し喉の調子が悪いなあと思った時にこの漢方薬でうがいをすればすぐ治る。 私の大切な常備薬だ。
行きつけの耳鼻科の診察室で喉や鼻を診てもらい、 1ヶ月分の薬を処方してもらった。 するとそこに製薬業者が入ってきた。 医師との新年の挨拶と、どうやら自分も喉を診てもらっているらしい。 私は少し奥にある吸入の機械の前にいた。 するとその業者が医者に向かって小声で話し始めた。
製薬業者「先生、今年は花粉がすごいらしいですねえ」 製薬業者「先生も、それはお忙しいことと、うふ、思いますよお」 製薬業者「いやあ、ウヨウヨですねえ」 製薬業者「ウハウハですねえ」 製薬業者「むふふふ」
私は、耳を疑った。 「ウヨウヨ」とか「ウハウハ」とか、「むふふふ」とか、 話し言葉に随分と擬音を使う人だなあと思いながらも、 患者がいる診察室で話す話題だろうか・・・と。 「花粉が、数十倍飛びますよ!」という 花粉症の人の心配をあおるようなニュースは、もう去年から聞こえている。 そしてやはりここにも花粉症で苦しむ私たちを 横目に見ながら喜ぶ人たちがいるのだ。 しかし耳鼻科の診察室で、患者がいる前で話す内容では無い。 まったくデリカシーの無い人である。
耳鼻科も製薬業者も、そして葬儀社も、それはもちろん仕事であり、 誰でもが一途に一生懸命に努力を重ねて邁進していると信じたい。 仕事とはお金を得ることが第1の目的であり、 労働をお金に代えることは正しいことだ。 しかしそれがあまりにも露骨に表現されると、 聞いている方はとてもイヤなものだ。 そういうデリカシーの無い人は、ここに限ったことでは無く、 どこででも誰の前でもそのような表現をするのだろう。 聞いた人が何を感じるのかに、本人は気づいていないのかも知れない。 気の毒な人と同情すらしてしまう。
診察室でも葬儀式場でも現場という場所で、 私たちスタッフの話しを誰がどこで聞いているかは分からない。 「壁に耳あり、障子に目あり」余計なことは話さないというのが基本だ。 しかし、かかりつけの医者が製薬業者と一緒になって 「むふふふ」と言わなかったことだけが、私には救いだった。
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年01月31日 22:10
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