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2005年01月13日
長年持っていた持病が、いよいよ悲鳴をあげた。 お陰さまで去年は忙しく仕事をさせていただき、 病気は良性と言われていたこともあり、 治療を延ばし延ばしにしていた「つけ」が来た。 暮れからお正月にかけてゆっくりと時間が取れたお陰で、 身体の不調にも気付いたということだ。 月平均2~3回地方へ出張していると、 疲れをすっかり取ってから次の仕事へなどというのはとても難しい。 上手に心身の切り替えをして来たつもりだが、 頭だけで大丈夫と考えるのと違い身体は嘘をつかない。 忙しい時には病気も遠慮して症状を出さないらしい。 実に健気だ。
お正月開けに病院へ行き「これは手術ですねえ」とはっきり言われた。 数年間の経緯を経て、ある程度覚悟はしていたが一瞬背筋が寒かった。 急いで主人とMCプロの事務所に断りを入れて、1月の最後の週に手術が決った。術後1ヶ月は自宅療養とのことで、 仕事を代わってもらえる環境があるのは2月だけだった。 「どうせやるなら(手術する)早いとこやってしまおう」と決断も早かった。
病気の事は理解しているつもりだったが、いざとなると色々考えることも多い。 花粉症とアレルギー体質はあるものの、今までの入院は盲腸と2度の出産だけ。頭では「大丈夫」と思っている。 「病は受けて立つ」の心境だ。 「こうなったら{まな板の上の鯉}煮るなり焼くなりしてくれ!」 との感じでもある。 でも、「何かあったときにはどうしよう・・・」との思いもよぎる。 主治医の説明の前で私はいきなり「弱者側」となる。 自分が小さく感じる。 体の力が抜けて、頭もぼやけてくる。 何となく体の動きも鈍る。
すぐに手術に向けた様々な検査が待っていた。 初めての広い病院の中を 検査の順番に数字が入った地図を持たされて、 エレベーターを上がったり階段を下りたり・・・。 検査の一つ一つにその場所で説明を受ける。 分かりやすい説明もあれば、少し説明が足りないものもある。 「もう一度聞き返してもいいだろうか・・・」と思いながら 恐る恐る聞き返す・・・の繰り返し。
この病院は大きな教会もあるキリスト教理念に基づいた病院だ。 看護士さんたちはとても親切だが、検査技師になると少し違う。 私が検査をしている間声高に世間話をしている検査室もある。 私は聞きたくなくても耳に入ってくる。 いつの間にか「私は、病気をかかえている弱い立場の患者である」 という信念のかたまりになって行く。 普段はどうでもいいことが、このときとばかりはとても気になる。 相手の何気ない答え方ひとつにも微妙に反応する私がいる。
「悲嘆」という弱い立場を抱えたお客様と共に、 葬儀というセレモニーを進めて行く葬儀スタッフ。 傍ら病気を抱えた弱者である患者さんと共に 病気の完治に向けてお世話をする病院スタッフ。 「その接遇対応の何が違い、何が同じか・・・」。 レントゲンの台に身を委ねながら私は思う・・・。 (又、私の職業病が病巣以上にうずいている!!)
患者という弱い立場に置かされた私が、 どのような病院スタッフの対応の中で治療を進めていくのかを この数週間検証して行きたい。 私にとっては、二度と無い、非常に興味深い日々となるだろう。 うううう・・・。 すごく楽しみである!
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年01月13日 22:29
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