私は音声表現者ですが、故人のナレーション原稿は
すべて私自身が考えます。
(もちろん多少のパクリはあります)
亡くなった方の人生をどこでキルか!
それによってナレーションはまったく違うものになります。
時系列にその人の人生を並べるのは一番下手なナレーション原稿です。
では、人の心を動かすナレーション作りはどのようにするのか。
ポイントその1は、この回のラストに・・・。
前置きはこのくらいにして、
私の「死」との出会いからお話しましょう。
最初の「死」との出会い。
それは、母の死でした。
私が12歳になったばかりの春のことでした。
4月22日 母42歳 没
「これまで自分の横で息をしていた人がいなくなる。
周りはなにも変わらないのにその人だけがいない。
それがどんなことだかあなたにわかる?」
これは、『冬のソナタ』でチェ・ジウ(ユジン役)が言う台詞の要約ですが、
「死」とはまさにそういうものなのです。
大切な人が、この世からいなくなる。
その時泣ける人は、まだ幸せです。
私は一滴の涙も流しませんでした。
何が起こったのか分からなかったといえばまさにそうなのですが、
私はその事実を認識する前に、心を閉ざしてしまったのです。
それから長い長い悲しみが始まりました。
人の最期の時を司(つかさ)どる仕事に携わるとき、
私の脳裏にはこの時のことが甦ります。
そして故人に心から手を合わせます。
ポイントその1・・・「死」とは何か。
自分なりの死生観を持つ。