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2005年02月23日

メモリアルリポート(橘 貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

通夜の席での朗読「千の風になって」

故人は闘病中に、
「墨をすって筆を手にし、好きな言葉を書くと心が落ち着く」
ということで半紙にいろいろな言葉を綴っていました。
その中に「千の風になって」という歌のタイトルが書かれていたものがあり、
これを見て葬儀社の担当の方が気をきかし、
歌詞をパネルにして一緒にロビーのメモリアルコーナーに展示したのです。
なかなか洒落た演出と感心したのですが、通夜の始まる準備のときに、
司会の私にそれを式の中で何らかの形で使えないかと提案してきたのです。
無宗教式なので、故人の略歴ナレーションは
黙祷を捧げたあとに行う予定になっていました。
その中に組み込むのも唐突であり、また時間もなかったので、
開式のまえに朗読をすることにしました。
この詩は、病床での故人の心境とオーバーラップしたのではないか
というコメントを簡単に添えて読みました。
最初はざわざわしていた場内もいつしか静かになり、
全員がその朗読に聞き入っていました。
シンプルな歌詞なので、状況があえばナレーションの中に取り入れても、
朗読してもいいと思いここに記します。

* 朗読に自信の無い方へ・・この詞は棒読みでも十分通じます。
              イメージだけしっかり持ち、
              棒読みしてください。それでも自然に感情は
              はいりますから。変に抑揚をつけないほうが
              伝わります。(参考まで)


 「千の風になって」

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きさたっています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

あの大きな空を
吹きわたっています


《井手のオマケ》
朝日新聞の天声人語で紹介され反響をよんだ作者不明の英語詩。
女優マリリン・モンローの二十五回忌に朗読。
9.11アメリカ同時多発テロで父を亡くした11歳の少女が一周忌に朗読。
芥川賞作家・新井満が翻訳。
悲しみの中で読みつがれてきた一篇の詩である。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年02月23日 03:39

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