ＭＣプロデュース

未発表ではありますが、関谷京子さん作の新作葬送BGMを
ナレーションの時に流してもらいました。
１０年ほど前、東京のYホテルで私はブライダル司会、
関谷さんはシンセのプレーヤーとしてペアを組んでおりましたが、
心地よく宴をまとめてくれる彼女の演奏が大好きでした。
今回は、葬儀編。
しかも自作自演。
前向きなやさしい気持ちにさせてくれる傑作だと思います。
発売が楽しみですね。

そして、ナレーションはもちろん「FUNET」で・・・・。
その日の天候や気候により、
家を出る少し前にプロローグを差し替えたりしています。
（３分ほどで、完成しますからすごく楽・・・全天候型ですから）
「冬景色・冷気・凍りつくような北風」が今回のキーワード。
体感していることをプロローグとしてナレーションでご紹介すると、
参列者をつかみやすいと思います。

　

ナレーションを作るにあたって、
お客様の中には、取材を拒否する方、取材に応じるのは嫌ではないけれども、
上手く故人情報を伝えられない方、山ほどの題材を提供してくれる方ｅｔｃ
・・・と様々だと思います。
故人の事に触れてほしく無い葬儀だって実際有るわけで、
ナレーションなどは強制するものではない。
ただ「変に古典的に故人を紹介されるくらいなら、情報は出しません。」と言う、
ちょっと間違った認識を持っているご葬家も随分見てきた。
（どこかで、納得のいかないナレーションを聞き、
これならやらない方がまだまし・・・とでも思い込んでいるのでしょう。）
気持ちのない、イメージの伝わらないナレーションは、私も嫌です。
つまり、ご遺族様から故人の必要データだけを欲しがって、
何も感じないで、ただ単にナレーションを作成する。
あるいは、司会者が聞きたいことだけを聞いて、
自分ひとりの都合で癒しのないナレーションを作成する。
気持ちのない司会ほど嫌なものはありませんね。
（これホント、上手い下手じゃないんです）

今回も事前に葬儀社さんにお願いし、
ご遺族の方に取材シートを書いてもらうようお願いしていたが、
ほとんど白紙状態で転送されてきた。
こんな時は、お会いしてご葬家様の意向を聞き、
必要とあらばその場でナレーションを作るしかない。

通夜当日、早めに現場に入りお話を伺うと
『普通に進行してくれればいいです。』
という控えめなご葬家だった。
（普通とは、どんな式かな？と考えながら）
私たちの言うナレーションとは、どんなものかを説明すると、
それなら開式前にナレを入れて欲しいと言う。
取材に応じるのは嫌ではないけれども、
上手く故人情報を伝えられない方のようだ。
確かに無口な高齢の喪主様と息子さんで、取材には時間が掛かったが、
絞った質問をするとぽつぽつと答えが返ってくる。
取材シートに記入出来なかったのにも納得がいく。
故人がいろいろな面をお持ちで、
性格などを限定することが出来ず答えに躊躇しているのか？
エピソードがありすぎて答えられないのか？
はたまた、口下手で初対面の私に話しづらいのか？
私の質問の仕方がまずいのか？
残念ながら、感情を表に出さないご葬家様の真意を
この短時間に分かろうとするのは少し難しかった。
葬儀社さんも私と同じ結論に達し、
ナレーションは、当日の司会者に任せようと思ったのでしょう。
準備時間が極端に少ない・・・だから葬儀は難しい。
つくづく思いますね。

　

ただ『寒いから家に入りなさい。』とか『このストーブをどうぞ』とか
気を遣ってくださる親切なご葬家であることは間違いないし、
この雨や雪の中を６００人もの参列者が足を運んで下さった故人のお人柄は、
私が紹介するまでも無く皆さんが分かっていること。
ガタガタと震えながら見送った霊柩車でしたが、
お見送りの会葬者の多さに胸が熱くなる思いでした。

自宅葬は、日本の風情がありやっぱりいいものです。
・・・が想像以上の過酷な設営を目の当たりにして驚いたのも事実です。
スタッフの皆さん！風邪をひかないように気を付けてください。
そして、しもやけにも・・・。
私は、右足の中指が痒くって・・・そう！しもやけのようです。
（まだまだ修行が足らんようですな～ぁ。）