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2005年03月09日

入院日記~人のやる気(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

入院中は、手術後の2~3日が過ぎると、
身体も回復に向かい気持ちが外に向いて行った。
すると、知らず知らずの内に周りのことを観察し始める。
特に「看護師さん」を見ていることは色々な意味で楽しかった。

「若くてかわいい方が多かった」と前に書いたが、
よく見るとそれほど若くない看護師さんもいたわけで、
私の目にはなぜかとても若々しく見えたのだ。
そういう方は大体がとてもやさしく、
はっきりとした言葉でゆっくりと話し、笑顔が素敵だった。
そんな看護師さんは、ベテランもしくはリーダー的な存在でもあり、
ものすごく「仕事に対するやる気」を感じた。

看護師さんの「やる気」とは、患者に寄り添うことを第1に考え、
その方のために何が出来るかを考えようとする「気」。
患者が何を言いたいのか、どうして欲しいのかを理解しようと努力する「気」。
そしてどちらかと言えばのんびりとしたソフトな対応で、
患者の言葉や様子に向き合おうとする「気」。
その気にその人の看護師としての「やる気」を感じる。

研修会において受講生と接する中で感じることは、
「人のやる気」とは、それぞれの人が、
どのような動機づけで仕事に臨んでいるかということが、
その根っこになるということだ。
葬儀という仕事をやらされている人と、
自分から進んでやろうとしている人。
それは研修会での様子を見ているだけでもすぐに分かる。
そしてその「やる気」は、
講師である私や他人が簡単に引っ張り出すことは難しく、
本人の中から本人の力によって自ずと出てくるものである。

病院の入口に、「○○病院理念」が掲げられていた。
「私達経営者は、働く病院スタッフのやる気を支えます」と書いてあった。
人のやる気というのは、会社や現場の環境、
そして周りのサポートにも大きく影響されるのだと思う。

人が様々な世界で頑張っていくためには、
周りに育ててもらうだけではなく、
自分から育とうという気持ちが必要であり、
又それを支える会社など全体の心の向きも大切なのだ。


〈井手の割り込み〉
仏教では「き」という音に、よく「樹」と言う字を当てます。
「やる気」は「やる樹」ということになるのでしょうか。
大地にしっかりと根を張って、揺るぐことのないように、
そして少しずつ成長していくように、という思いが込められるのでしょう。
しかし、その「樹」を育てる土壌や環境も重要なファクターなのです。
愛情の水や肥料も、そして時には吹き荒れる嵐も、
強く丈夫な「樹」を育てるためには必要なのでしよう。
そして何より、周りの環境に支えられながらも、
自ら大きく枝葉を拡げて成長する前向きな「気」を持つことが大切なのです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月09日 03:28

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