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2005年04月26日

桜が満開の中、長野県東御市でのご葬儀 (橘 貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

桜前線が北上し、
東京ではすっかり葉桜となったソメイヨシノが長野県の東部地域では満開。
しなの鉄道で、上田から小諸方面に10分ほど行った
田中という町を訪ねたのが4月18日のこと。
東京地方より2週間ばかり遅い花日和でした。



享年89歳の一本芯の通った生き方をした、
大正生まれの女性がこの桜を観ることなく帰って逝かれました。
葬儀の司会を勤めさせていただいたのですが、
私が地方の葬儀を担当する場合もっとも気をつけるのは習俗の違いです。
まずこの点を押さえ、そこに東京流の香辛料を適量ふりかけると、
その地方で行われている葬儀とまた少し違った風味を醸し出すことができます。

この地方では、会葬者を待たすということができるだけ無いよう
人が集まり次第始めるのが常だそうです。
したがって、遺族・親族は
開式45分くらい前から式場内に着席し会葬者を待ちます。
東京では、葬儀・告別式という流れが多いのですが、
ここでは告別式を行い、葬儀・初七日の回向となりました。
葬儀に対する考え方もいろいろです。
ある面会葬者にとってはありがたいとも言えましょう。



大正・昭和・平成と3時代を女性でありながらも、
主体性をもって生き抜いた人で、ナレーションも内容の濃いものになりました。
式衆の方がマイクが乗っている自分の前の机を倒すなど、
ハプニングはあったのですが、葬儀社の方の機転で事無きを得、
ようやく訪れた春、桜満開のなかの良いご葬儀でした。
この地方は、胡桃と巨峰の産地で、美味しい胡桃菓子をお土産に買って帰りました。

「司会をしていて常に感じること」
多くのご葬儀に言えることなのですが、
故人の経歴資料は同じ物を家族から戴くためなのでしょうが、
ナレーション・弔辞・遺族挨拶と似通った内容になってしまうのです。
弔辞の人数が多い場合など延々と続く場合もあります。
司会者は、最初にやる場合が多いのでいいのですが、後で話す人は・・・。
すでに書いてあって今更変えられないわけで、
順番が遅い人ほど心の中は穏やかではないのでは・・・といつも思っています。
経歴は変えられませんが、
他の人には知りえないことを幾つか教えて戴ければ有難いです。
これは手間のかかることです。
けれど、良い式にするためには必要なことで、
弔辞の方は仕方ないにしても、司会者は違ったお話ができれば変化がつくと感じます。
忙しいのは承知の上ですが、
担当者の皆様、他者にはない内容がいただければ幸いです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年04月26日 10:48

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