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2005年04月01日

葬儀接遇用語のレコーディング(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「この度は、ご愁傷様でございます」
「お疲れ様でございます」
「控え室へご案内いたします」
「わたくし、○○葬祭センターの○○と申します」

スタジオの録音ブースもミキサー室も、
一瞬にして空気は葬儀の現場に様変わりした。
言葉の録音は、私がもっとも苦手とするもののひとつ。
だって私、茨城県出身なんだもの・・・。
だから高校を卒業して日大に進学した時も、
サークルは普通のお芝居ではなくミュージカルを選んだ。
(音符があればナマラナイ・・・)
今まで録音の仕事は数多くしてきたが、
ほとんどがコマーシャルソングなどの歌の仕事。
大勢の前でもしゃべることは平気だが、
「しゃべる録音」は、ホントに苦手・・・。

思えばすでに東京で暮らし始めて26年が過ぎる。
東京に来た頃には、一生懸命に標準語をしゃべろうとしていた。
でも周りの人にはそれが滑稽に写っただろうと今では思える。
セリフをしゃべって「イントネーションが違う!」と鋭く指摘され、
落ち込んだ日々も今ではなつかしい。
様々な仕事を通して人生経験を重ねる内に
「イントネーションが少し位違ってもいいじゃなあい?」
と思えるようになった。
接遇研修会で日本全国に伺うと、
本当に様々な言葉、しゃべり方、表現の仕方に出会う。
私は「そのままでいいじゃない?」と思えるし、そう言ってあげられる。

接遇言葉は、言ってみれば葬儀スタッフの日常の言葉である。
地方それぞれの言葉があっていいし、
お客様だってその土地の言葉の方が安心する。
使う本人が構えていたり緊張していたら、しゃべりかけられるお客様だって、
くつろげないし本当の意味で気持ちも通じ合わない。
もちろん葬儀スタッフとして「葬儀接遇の基本用語」くらいは、
きちんとしゃべれるように練習はしたいが・・・。
(しゃべれなくて使えないのと、しゃべれても使わないのとは随分違うのだから・・・)

井手の細かい指示で、葬儀スタッフのために耳からの練習がし易いように、
目の前の遺族に語りかけるような「リアルな口調」で録音をした。
今まで私が葬儀の現場で直接お客様に関わりながら、
積み重ねてきたイメージを精一杯表現させてもらった。
しかし普通にしゃべれば気にならないことも
録音をして後から聞き返すと、色々なアラが見える。
「その音、半音高い」とか「語尾を下げて」「うんん・・・もう1回」等と
いつの間にか<ナレーション研修会>のような井手の厳しい言葉が飛び交う。
「ああ、ぐったりと疲れた・・・」。

司会やアナウンスの石川、ナレーションの橘、接遇の私、
総合プロデューサーの井手。
それぞれのプロフェッショナルが
それぞれのイイお味を存分に生かした楽しい時間だった。


〈井手の割り込み〉
MCライブラリの新コンテンツ「司会音声ライブラリ」がオープンした。
10人に試聴してもらったが、その誰もがクオリティの高さに驚かれている。
これは必見、いや必聴?ですぞ!
※是非、ヘッドホンまたはイヤホンでお試しください。
その迫力に驚愕されること間違いなし。
FUNET会員の皆様、すぐにご体感ください。
(これはエープリルフールではありませんよ)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年04月01日 17:56

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