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2005年05月04日

高知での雑感(井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先月の下旬、神奈川での研修会を終えて翌日から高知県へ向かった。
高知空港が、高知竜馬空港と名称を変更してからは、初めての高知行きである。
朝9時過ぎの飛行機に羽田から搭乗しようとしたら、何やらアナウンスが・・・。
どうも高知空港上空の天候が荒れ気味で、
場合によっては、高知竜馬空港には着陸できないこともあるとか。
(ウソー、13時から研修会なのにどないしょ!)
その場合、高松空港または伊丹空港への着陸か、
あるいは羽田へとんぼ返りするという。
・・・以上のことを了承してくださいとアナウンスしているのだ。

了承できるわけないでしょ、だって行き先が違うじゃないのさ。
だから飛行機は怖いんだよね。
天候に大きく左右されるから、予定がまったく立たなくなる。
さてどうしたものか。
こんな所で煙草を吸ってる場合ではなさそうだ。
(実は喫煙ルームにいたからアナウンスがうまく聞き取れなかったのである)
これでは、乗ったはいいけど、着陸地があやふやである。
高松空港ならば、まだ四国ではある。(遅刻程度で済むかも)
伊丹空港は大阪じゃん!(お話にならない)
羽田にいたっては、振り出しに戻るということか。(次の便にまた乗れるけど)
双六のような飛行機だなあ、振り出しに戻るのもいい経験だ、面白いなあと、
取り敢えず困った振りをして、高知の事務局担当の方に連絡すると、
「予定通り搭乗してください」と。
(やっぱりね、他に打つ手ないもんね)

はい、想像通り揺れましたと言うか、想像以上でした。
縦揺れ、横揺れ、一瞬フワリと浮いたなと思った次の瞬間には・・・
予想に反してまたフワリ・・・で、油断していると何の前触れもなく
強烈なGを感じる上下運動、1時間20分のアミューズメントJALパーク。
スリル満点のとっても楽しいひと時でしたがな、まったく。
睡眠不足の私が、熟睡して行こうと予定していたのもパー。
まさしく手に汗握るフライトになってしまいました。
まあ、大雨の中、高知竜馬空港に降り立てただけでも感謝いたします。

さて、研修会は2日間みっちりとやりました。
今回の高知の受講生のレベルは高かった。
全員男性でしたが、それなりに実務をきちんとやられているようで、
いろいろなお話も出来ましたし、また伺うこともできました。
テーマが明確に絞られた研修会は内容も濃くなります。
その中から、面白い逸話を・・・。

県内のある地域では、葬列の際に、習俗的な魔除けの要素が強いのでしょうが、
柩を担ぐ男性の頭に卍マーク(まんじ)を描いた鉢巻をするそうです。
これは地域の方が自ら御用意されるらしいのですが、
ある時、その卍マークが逆さまに描かれている人がいて、
それじゃあナチスの鉤十字、すなわちハーケンクロイツじゃん、
(ここはホントは高知弁を想像してください)
と地域の人が爆笑していた・・・と言うのですが。
私はハタと困りました。
私の頭の中には、卍マークはハーケンクロイツと同じ形だったものですから、
帰社してからいろいろと調べたのです。

すると卍マークには(正式には漢字ですのでマークではありません)、
右卍(右旋回)と左卍(左旋回)があり、
左旋回の左卍はこれらしいのです。

   

(これが左卍だぞ!)

卍マークは地図上の寺院の記号であり、
そもそもの出典はインドのビシュヌ神にあるとかで、瑞兆の相。
瑞兆とは、よいこと、めでたいことのある前兆、吉兆です。
(あっ工場長、これは【ずいちょう】と読みます)
しかもこのマークは日本に限らず、世界的に分布しているようで、
紋章としてかなりポピュラーなようです。(日本の家紋にもあります)
今でこそナチスの影響で禁忌の模様のように思われますが、
元来は大変縁起の良いマークだったようです。
(面白いですなあ)

そこでお寺に行って調べてみると、
同じ境内に右卍・左卍が入り乱れておりました。
一説によれば、右卍は力や理性を表し、左卍は慈悲や愛を表すとか。
ならば、件の地域の方々が左卍に固執するのも頷けますね。
(因みに工場長、これは件【くだん】と読みます)
日本は元来、左卍だったという説もあるようですがよく判りません。

他には、祭壇には死化花(四華花・四化華などと書くが)を一対ではなく、
一基しか飾らない地域がたくさんありました。
(これは高知以外の他府県にも見られる傾向です)

また地域によっては、妊娠中の遺族は火葬場には行けない風習があり、
最近はそれでも付いて行きたいと望まれる方がいて、どうしたものか、
という雑談があったのですが、私が知る限り、
関東から北の方の一部の地域では帯に鏡をしのばせて、
(お腹の子を守るということなのでしょうか)
魔除け代わりに使っている場合もあると伝えましたら、
早速使ってみようかなと感想を述べられていました。

いろんな意味で、情報交換がありましたね。
生の現場の体験談はとても貴重です・・・とそんなことを感じながら、
充実した2日間の研修会だったように思います。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年05月04日 10:22

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