« この間の研修日記報告 (井手一男) | メイン | CDデビュー (工場長) »

2005年06月13日

フューネラルビジネス・フェア!(井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

記憶によると、1998年の11月からスタートしたのではないだろうか。
第1回目だけは、私は純粋に客として来場した記憶がある。
まだ葬儀司会の連載も書いておらず、何気なく覗きに来たのであった。
しかし、その規模の大きさには正直驚いた。
その時、この業界も変わるなあ、と思ったのだけは確かである。

初めてシンポジウムにも参加した。
葬儀司会の・・・講演タイトルは忘れたが・・・、
当時大変有名だった方のお話や司会実演を興味深く聴かせていただいた。

私の表現理論は、今も昔もその基本は変わらない。
まだ若かったからか、生意気なことを思った。

随分クセのある、表現の王道から外れた司会だなあ・・・と。
ただ、司会実務としての臨場感は充分あった。
が大音響を駆使するテクニックや、プロから見れば、あざとい演出への嫌悪感、
更には、恐らくコンプレッサーやリミッターを使って
声を調整していることを告知しなかったことに対する不誠実さ。
私も演じる側に居た人間なので、それなりの視点があったのだと思う。

その講演で・・・
10年後には葬祭ホールでの仕事は激減し、
ホテルでのお別れ会形式の葬送が主流になるだろうと、
言われたような記憶があるのだが・・・。
また、来春には大きな出版社が葬祭ビジネス関係に進出し、
ユニコムさんもうかうかしていられない・・・
というような事も言われた記憶がある。
本当かなあ、随分オーバーなことを言う人だなあ・・・と思ったので、
この事は、何故か妙に憶えているのだ。

いずれも、見事にハズレた。
いや、少しオーバーに言い過ぎただけなのかもしれないが・・・。
ホテルは確かに、法事を中心としてお別れ会や偲ぶ会にも進出している。
一方でブライダルが右肩下がりであることも拍車をかけているだろう。
しかし8年前、現在のこの程度のことは誰もが予想できる範囲だ。
(ホリエモン風に言うと、想定範囲内)
その後、私はこの感想を人に漏らしたことはない。

ところが、翌年から司会術と題した連載(ユニコム誌上)を3年と、
アナウンスセミナーと題した連載を1年と、
その他葬祭ディレクター試験対策や短期集中連載を続けながら、
司会セミナーが定期的に開催されだすと、どうやら私は敵視されたようだ。
結果として目立ってしまったのがいけなかったのだろうか。

ある時、突然抗議のファックスが、セミナーの事務局に届いた。
今でも原文を保存してある。
正直かなり頭にきたが、表現理論に関してはお話にならない。
意見は様々、それはそれでいいのだが・・・。
一番頭にきたのは、私の名前の[井手]が[井出]になっていたことだ。
礼節が何とかとしきりに言いながら、人の名前を間違えたらダメ。
それこそ失礼の極み。
葬儀の司会者なら、少なくとも氏名の重要性は認知しているべきだ。
男の焼き餅は始末に終えないね、ということで落ち着いた。

ただ私は呆れると共に、この抗議文には感謝している。
自分が成長する糧にしようと、改めて思わせてくれたからだ。
人間は天狗になってはいけない。
心の中はいつも謙虚でありたい。
彼はこの業界の大先輩だから、後に続く者としての
務め・役割について色々と考えさせられた。

私の講座は、私のキャラで明るく冗談が飛び交うが、
アナウンスの音の流れやクセ矯正や司会スタンスの取り方など、
こだわりと驚異的な粘りをみせることも多い。
楽しい講座だけど、その内容はかなり厳しく設定してあるつもりだ。

それから数年後、その方のご長男が私の司会研修会に参加された。
そして当然、テキスト資料を持ち帰られた。
礼節を重んじるはずの方からは・・・何の連絡もない。
あれだけの抗議文を出しときながら、セミナーに参加される意図とは。
事務局や弊社のスタッフは、ちょっとムッとしていたが、
私は敢えて何も言わなかった。
各々が勉強してくれるのは、悪いことではない。
いがみ合っても業界のためにならないし、ユニコムさん主催のスタンスは、
誰でもが参加できる開かれた講座でなければ意味がないのだ。

ユニコムさんの司会研修会には、いろんな団体の方がご参加くださっている。
もちろん私に猛烈な抗議をされた団体の方も、
もう半分以上の業者が何らかの形で受講済みである。
他団体主催や飛込みで入る研修会などの、これまでの全ての講座の受講生は、
2万人に手が届きそうだし、今後も増え続けていくだろう。

今までオミットしたのは、司会派遣会社の一社だけ。
これはもしかしたら私のミスだ。
弊社のナレーションをそのまま販売しているという噂があったのだ。
確かめる期日もないまま、最終判断を下してしまった。
人を選別したり裁いたりすることなど、出来るはずのない私が、
頭に来た感情のままでオミットしてしまったのだった。
今でも少しだけ悔やんでいる。
(人間が小さくてスミマセン)

話は変わるが、今月の末からは葬祭ディレクター受験対策講習会が花盛りだ。
この資格制度を、そのレベルを含めて批判される講師は意外と多い。
しかし10年以上前、業界の大先輩が省庁と折衝して手に入れた資格である。
大変なご苦労があったことは想像に難くない。
その方たちは、個人の利益のためにだけ奮闘したのではないのだ。
批判するなら、自らが資格を取ってから堂々とやればよい。
(私は批判も賛同もしますが、当然受験しています)
文句を言う奴に限って、受験もしないのだ。
それは卑怯というものですよ。
でなければ、もっといい資格制度を国に認めさせてから言って欲しい。

取りとめもない思い出を書いてしまったが、少しすーとした。

さて私の講座では、いつものことだが司会以外の話が多い。
これが人気の秘密らしい。(本当かな)
今回も時間が許す限りはお話をさせていただこう。

明後日からの【フューネラルビジネス・フェア】開催。
皆様のご来場をお待ちしています。
そして是非、【FUNET】の体験コーナーへお立ち寄りください。
宜しくお願いします。


<井出じゃない、井手の割り込み>
工場長の生活の場と化しているオフィスの私のデスクの背後には、
どこかの組のような額が飾ってあるのだ。
どや!



聖徳太子じゃないけれど、「和」の一文字。
「わ」とも読めるし「なごみ」とも読める。
スタッフの皆が私のセンスを疑っている。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年06月13日 15:14

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mcpbb.com/blog/mt-tb-funet.cgi/485

このリストは、次のエントリーを参照しています: フューネラルビジネス・フェア!(井手一男):

» サルバトーレフェラガモ from サルバトーレフェラガモ
MCプロデュース: フューネラルビジネス・フェア!(井手一男) [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年07月05日 02:24

(C)MCプロデュース 2004-2013 All Rights Reserved.