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2005年09月26日

研修会報告 (井手 一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先週、愛知県下の二つの団体で葬儀司会研修会がありました。
一つはプロ司会者向けの特化した研修会。
もう一つは葬祭スタッフ向けの司会レベルアップ研修会。



葬祭ホールという空間を使うことが当然のようになりつつある中で、
葬儀業界全体の司会実務担当者のレベルアップが確実に進行している。
また10年前に比べて、所謂プロ司会者との技術差も縮まりつつあるようだ。

今回伺った愛知県 (それも名古屋市) は、互助会天国と揶揄されるほど
葬祭ホールの数が多く、(都道府県別の葬祭ホール数)
今年の4月には神奈川を抜いて全国2位になったと聞いた。
また噂によると、特に名古屋市では
一軒のお宅で複数の互助会に入会していることも珍しくないそうである。
(東京とはかなり様子が違うようだ・・・愛知の県民性か)
この地域では、互助会のライバルは互助会であるという。

さて、葬祭ホールが多いということは、
それだけプロ司会者の需要も高い地域である。(ほとんど女性司会)
しかしながら、需要に比例してプロ司会者の数も多いためか、
そのギャランティ(1稼動の単価)は、都市部の司会料金としては驚くほどに低い。
(具体的な金額を聞いたがここでは公表を控えたい)
仕事の専属的かつ安定供給(専属契約)の見返りが薄利多売に繋がり、
それに拍車をかけるように業者間の値引き合戦が行われているらしい。
(現在進行形の話です)
その昔、ブライダル業界でも同様のことがあった・・・のでは?。

お互いの首を絞めあってどうするのだろう。
目先のことしか考えられないのだろうか。
残念ながらプロ司会者としての意識欠如、自覚不足、
そして業界全体を俯瞰する視点にも欠けるようだ。
踏ん張りが利かない業者達は自らの価値を下げ、いずれ瓦解するだろう。
(喩えは悪いが、100円ショップや回転寿司をやるつもりなのだろうか)
司会の費用対効果や付加価値にもっと目を向けて欲しい。
その上での正当な価格設定が望ましい。
一概には言えないが、安いということは、質が下がるということだろう。

せめて東京はそうならないように、敷居が高いと言われようが、
ギャラが高いと言われようが、弊社はクオリティを保つつもりである。
そもそも私は、葬儀の司会に対して、
手間を惜しんで、数で勝負の発想が理解できないのだ。
ベルトコンベア式の葬儀司会に何の価値があるのだろう。

話は変わるが・・・
今回、葬祭スタッフ向けの司会研修の受講生で、抜群に上手い女性がいた。
(当然プロの司会者ではない)
失礼ながら年齢を申し上げると50歳を超えている方だ。
過去にブライダル等の司会経験は一切なく、全くの独学。
それでここまで上手い人は滅多にいない・・・と思っていた。

「かなり努力して勉強されたのですか?」
「いえ・・・それほどでも」
素質・センスのなせる業なのだろうか、それとも他に何か・・・
「プロに司会業務を外注して、そこから学んだのですか?」
それにしても耳がかなりいい方になるだろう。
しつこく質問する私に、彼女が恐る恐る口を開いた。
「・・・あの・・・実は」

聞いてビックリ!
弊社の司会CDを購入して、日々車の中で聞いて真似したらしい。
ついでに言うなら、一つだけ会社が購入し、あとは「違法コ○―」して、
司会担当者にこのCDを聞きまくって憶えろ、と上司から指令が出ていた。

言い出しにくかった理由も納得だが、(皆さんはちゃんと購入してね)
これほど効果があるのを目の当たりにした私が一番驚いた。
彼女が持っていた司会CDは最新版ではなかったので、
【FUNET】の原稿例や音声ライブラリの活用方法をご説明もうしあげたら
かなり興味を抱かれたようである。
(最新版司会CDは今年の春、総合ユニコムから出ています・・・これ宣伝)

司会はやはり、悪い癖が身に付く前に、聞いて憶えるのが一番 !
モチベーションの低いプロ司会者よりも歓迎である。

<井手の割り込み>
互助会といえば、東京の「くらしの友」が【団塊世代の葬儀観】を発表した。
団塊世代の男性が自分の葬儀観をどう思っているかについてのアンケート結果。
2007年に定年を迎えるこの世代については、社会的影響など
いろいろとクローズアップされているし、今後注目されるだろう。
それによると、自身の葬儀を考えている人は72パーセントで、
家族葬・身内葬を希望する方が多いらしい。
また残された妻へのメッセージは、
「奥様はご自由に!」「再婚してくれても構わない」が圧倒的だとか。
4人に3人は葬儀費用200万未満。
あの世にも「パソコン」「携帯」だって。

バブル後の一時期、ゴルフ好きの故人のために、木製ミニゴルフセットを
副葬品として入れることが流行したことがあったが、
(あの世ゴルフ会員権なるものも見たことがあるなあ)
近い将来、携帯やパソコン好きの故人のために、同じ現象が起こりそう。
もしかしたら、あの世へのメール発信なんてことも・・・。
あの世から、絵文字が帰ってきたら結構怖いね。

では、南無阿弥陀仏!(送信)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年09月26日 10:25

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