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2005年09月20日

葬祭セレモニー司会術【ベーシック講座】 (井手 一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

綜合ユニコムさん主催の葬祭司会術【ベーシック講座】が無事に終了しました。
この講座は年に4~5回のペースで8年以上続けていますので、
もう恒例になった感があります。
参加者は当初20名の予定が、当日キャンセルが1名で結局19名での開催。
(仕事柄当日キャンセルは致し方ありません)
葬儀社の社長・司会専門業者・ホール支配人・企画室長・実務担当者など
様々な立場の方が入り乱れての6時間講習でした。
実務の経験年数も0年から10数年までと本当に幅広い。
初歩の初歩から話を進めないと落ちこぼれてしまう人が続出してしまいます。
午前中の講義は特に注意しないと、流れに乗れない受講者が出ると危険です。
また全国各地から集まってもらっているので、
知らない者同士の緊張感を解すことも意識しないといけません。
(これが数回にわたるスクーリング形式だとどんなに楽なことか・・・)


さて葬儀司会の分野には女性の進出が顕著ですが、
それは講習参加者の男女比率にも明らかな現象となって現れています。
かつては、男性8割・女性2割ぐらいの比率から始まったように思いますが、
今では女性が7割・男性が3割と見事に逆転しています。
今回の19名の内訳も、女性14名・男性5名でした。
一般にソフト面を担う業務は女性向きと言われますが、
そんな大まかに括った言い回しではなく、ハッキリと断言できますね。
葬儀の司会は女性に適性があります。
朝は素人同然のレベルの女性受講者が、セミナーの後半には
これが同じ受講者かと思えるくらいに上達していることも珍しくありません。

80ページの本テキストにアナウンス文言などの添付資料2冊。
講義内容を少し欲張りすぎて疲れましたけど、充実していました。
最近は受講者のレベルが上がってきているので講義が進めやすいです。
(これもホール葬の影響でしょうね)
また事前アンケートに質問・疑問・問題意識などが個別に記されていますので
パーソナルな対応が可能になり、同時に講座内容の裾野が広がります。
いい意味での脱線も時には必要でしょう。

山形の一部の地域の風習で面白い話が聞けました。
以前から納棺にまつわる風習としては、
立ち会う人全員で豆腐を食べる・・・
この時醤油は使えません、豆腐が黒くなりますから、
それに戻り箸(もどりばし)と言って箸を2度使うことも出来ません、
必ず一人一度で豆腐を口に入れて次の人に回していくのです。
そしてピッタリと最後の人で食べ切ることが条件です。(残せないのです)
また餅をついたりする話も書きました・・・
軒下で餅つきをします、逆に言うと慶事では軒下で餅をついてはいけません。
一般に「軒下で餅をつくな」と言われるでしょ。
臼や杵が餅つきの象徴ですから、それを利用した風習も存在します。
臼に蓋をしたり、臼を逆さまに置いたり・・・。

そして山形の一部の地域でも、やはり餅を使っていました。
しかも相当にしょっぱく作られた塩餅です。(わざと塩気を多くするそうです)
葬儀の最中にお勤めしている導師が、参列者に後ろ向きで放るらしいのです。
(これ想像すると面白い)
受け取った人はそれを食べなければならないとか。
(拒否することは出来ないそうです・・・災難ですなあ)
それと葬列で使う死化花(四華)を手作りすることもあるそうで、
(死化花とは、釈迦入滅の際の故事に由来するもので、80歳でお亡くなりになら
れた時、沙羅双樹がその死を悼み、釈迦の周囲だけ白変したとされる)
その代用品として使われるのが大根を幾重にも薄く輪切りにしたものを用意し、
それを4本のヒイラギに刺して使うこともあるとか。

んー、真っ白い犬だ。(尾も白い・・・面白い)
生活の智恵でしょうか、工夫が感じられますね。
何せ山形は、【①】を[まるいち]とは読まずに[いちまる]という地域ですから、
探せば他にもぞろぞろと面白い話が聞けそうです。
残念ながら最近では[まるいち]と読む人が増えてきて山形らしくありません。
私としては、山形の人は絶対に[いちまる]と読んで欲しい。(ダメかなあ)

 

休憩時間には【FUNET】の体験コーナーが用意してありました。
何人かの方が体験されていましたけど、音声ライブラリから流れる様々な
「ナレーション」や「弔電」や「発声練習」を聞いて驚かれていました。
<これなら聞くだけで誰でも上手くなるのでは>
その通りです。
現時点でも収録されている【音声ライブラリ】を全て聞くのに
ナント1時間半も掛かります。(40作品ほど)
実際に【FUNET】会員の方からの声は、
<お陰様で司会が上手くなったと誉められました>
<大型葬儀の司会を担当するようになりました>
<司会に自信がつきました>
<参列者に結婚式の司会まで頼まれました、どうしよう!>
通信販売のキャッチみたいで笑えるのですが、
司会は最初に良いお手本を聞いてマスターするのが手っ取り早く
それでいて一番上達が早い !
繰り返し聞くだけで、あっという間に上手くなります。
そしてスタッフの一人が上手くなれば、いい意味での連鎖反応を起こして、
全スタッフの司会技術が格段にアップします。
FUNET会員の皆様、良性の強力な司会ウイルスを撒き散らしてください。

さて次回は、10月7日(金)・8日(土)と連続で、
【ベーシック講座】・【ナレーション講座】が開催されます。
そして10月25日には、加藤の【セレモニーアテンダント養成講座】も。
是非ご参加ください。

<井手の割り込み>
私の車の中には娘から横取りした
「川嶋あい」(I WiSH…現在はソロ活動)のテープがある。
初めて聴いた時(1年前)には彼女を十代とは知らず、
娘にその年齢を聞いて驚いた。
また楽曲も自分で作っているとのこと。
その時の私の感想が、
「この姉ちゃん、若いのに人生の闇を見てきてみたい」
と言ったのである。(娘激笑)
そこには何か感じるものがあり、確かに魅力的な楽曲の数々だったのだ。
(現在はシングル・・・ありがとう・・・をリリース)

そして先日、彼女の自伝告白本「最後の言葉」が出されてまたビックリ。
(20分で読破したけどね、現在娘が読書中)



3歳まで福岡の養護施設で育てられたらしい。
その後子供に恵まれなかった養父母のもとに引き取られて幸せに暮らしたが、
その父も10歳の時に死別。
育ての母の応援を受け中学卒業後上京。
堀越で学びながら音楽事務所に所属も一年でクビに。
失意のどん底からスタートしたのが全国での路上ライブ・・・とか。
やっとチャンスが訪れた頃に母が他界・・・16歳の夏のことだった。
そして・・・
渋谷ハチ公前での1.000回目の路上ライブ終了後、育った養護施設を訪ねた。
多くの人の愛情に触れた。
彼女はもうすぐ二十歳になるそうだ。
(出来ることなら弊社にも楽曲を提供してもらいたい)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年09月20日 22:52

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