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2005年10月04日

愛媛県へ接遇研修会に行きました(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

今月は飛行機に4回も乗った。
普通のおばさんとしてはちょっと多いかなあ・・・。
それだけ危険と隣り合わせ。
できれば何処にでも土の上を歩くか、ママチャリで行きたい。
今、井手から「墜落遺体」という御巣鷹山の事故の本を借りて呼んでいる私は、
自然と飛行機内や乗務員の仕草が気になる。
飛行機に乗り込む前のパイロット諸氏には
「頼みます。どうか頑張って、飛びきってください」と心の中で手を合わす。
非常脱出時のインフォメーションも真面目に聞く。
「2つ以上の非常口をご確認ください」と言われて、
「ひとつ!ふたつ!よし!」と小さく指先点呼をする。
「乗務員はドアモードをアームドに設置してください」
という最終支持アナウンスも私の耳は逃さない。
この設置を忘れると非常時にドアが開かないらしい・・・。
(一度、この会社でミスがあったのを知っている!)
そして同時にこのアナウンスがされると、
もう誰も飛行機には乗ってこないということを知っている。
閉所恐怖症気味の私は、新幹線も飛行機も窓側には絶対座らない。
(二階建て新幹線の一階部分なんて息がつまって死にそうだ)
必ず座席は自由がきく「通路側」と指定する。
今回も通路側だったが、機内は空いていて窓側に誰も居なかったので、
このアナウンスが聞こえた時点で窓側の席にずれた。
久し振りに見た秋晴れの景色はとてもきれいだった。
東京はミニチェア模型のようにみるみる内に小さくなり
あっという間に飛行機は雲の上へ。

愛媛県のとある場所で研修会があった。
国道沿いのその場所は近年多くの葬祭ホールが立ちならんだ。
そして研修会会場は以前は結婚式場だったところ。
エントランスや式場周りなど、とても広く使いやすそうだ。
数年前までそこを喜びの新郎新婦が歩いたであろう場所に、
今は厳かな落ち着いた空気が流れている。
今回は県内から9名の受講生が集まっての、
本格的な接遇研修会、第1回目だった。

いつも全国に伺っての葬儀スタッフ向け接遇研修会の第1回目というのは、
スタッフの皆さんの日頃の行動や意識などがあまり分からないままの
手探り状態での発進が多い。
有る程度の事前調査は出来ても、実際に受講生にお会いしてみないことには、
そのスタッフのお客様に対する意識の深さや接遇の実力、
これから変わって行こうとする個々の熱意が
どの位あるのかないかを量ることは難しい。
受講生だって「どんな講師か・・・」と様子を見る。
それと同じくらいに私も全体の空気を読むことから始める。

 

研修会では接遇の形を身につけるのも大事だが、まず気持ちの部分から入って行く。
私の葬儀スタッフ向け接遇研修会「受講生の前提」は、
① 葬儀という仕事に肯定的で前向きな人であること
② 悲しみのお客様に対して誠意ある行動をとろうと努力する人であること
③ 葬儀という仕事が「死ぬほど好き」とまでは行かなくてもいい。その仕事をする
自分なりの誇りや自信を持ち、生き生きと仕事をする人であることである。

受講生には最初の研修会以前に、最低限その前提をクリアして欲しいといつも願う。
極端な言い方かも知れないが、接遇研修会において
「葬儀の仕事が嫌いな人」を好きにさせる余分な時間はない。
悲しみのお客様は「待ったなし」で私たちを必要としている。
そして1回や2回の研修会で、すべての人が接遇上手になるなんてことは、
当然だが無理なこと。
繰り返しの実践と研究がなされながらより良い接遇が身について行く。
長い目で見てそれをサポートすることも私の仕事だ。

 

愛媛の皆さんは、講義の時はややおとなしく弱冠の心配があったが、
いざホールの中で動き始めると生き生きとし始めた。
言葉も出てくる。
動きも丁寧でありやさしさがある。
新人受講生も「一生懸命さ」という大切な気持ちを持っていて将来が楽しみだ。
今回は基本の講義が多かったが、次回11月は、
葬祭ホールのロールプレイング中心の研修会だ。
是非多くの方々に参加していただき、
愛媛県のさらなるレベルアップを目指して欲しい。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年10月04日 18:59

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