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2005年11月22日

セレモニーアテンダント養成の追加講座がありました(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

10月25日の綜合ユニコムさん主催「セレモニーアテンダント養成講座」は
お陰様ですぐに満員になった為、11月11日に追加講座が行なわれた。
大変有難いことに追加講座も満員となり、多くの葬儀スタッフの皆さんが、
上野のマルキメモリアルさんの「葬送空間・スペースアデュー」に集まった。


 


30人近くの受講生の内訳は、
①トップ(経営陣)②ミドル(担当者・教育担当者)③ロアー(一般スタッフ)
④新人スタッフ⑤他業種 本当に様々な立場で葬儀に関わっている皆さんである。
中には新規参入を計画する企業の方もいた。
2回目ということもあり、私自身は前回の様子や反省を踏まえながら
気持ち的には余裕を持って臨むことができた。
しかしながらこれだけ様々な立場の皆さんに向けて、接遇の同じことをお伝えするときに、
それぞれが違う立場からの見方、聞き方をするということがいつも大変興味深い。


 


内容としては基本に沿ったものでお届けした。
アンケートには「初心者向けに感じられた」というご意見があったが、
まさに初心者向けの基本の講座であり、簡単に思えた方は
すでにその基本が出来ているということと理解して戴きたい。
葬儀の世界は非常に狭い。
いつもの同じメンバーで、いつもの同じホールで、同じことの繰り返しという
「閉塞感」を感じている方も多いようだ。
だからこそこのような機会に、全国からの葬儀スタッフと出会い、
話をし、聴いて、見て、学び、よりよく成長して行く必要があるのだ。
そして、葬儀スタッフとしての基本のことが出来ずして
よりよい成長は無いということもお伝えしたい。
何事にも「下積み」という経験が必要である。
葬儀の仕事も同じで、いきなりリーダーや担当者になることなど有り得ない話だ。
しかし人事の関係ということもあるだろう。
もしそうなったとしても最初は謙虚に、周りの方から学んで行く時間が絶対に必要である。
時々、何年も現場スタッフとして葬儀式場にいるのに、何ひとつ出来ない人がいる。
それは本人も悪いが、それを許している周りも悪い。
特に上司は「部下の力量を見極める目」が求められるのであって、
悲しいかなその上司自身が葬儀従事者として育っていない例もある。


 


この「セレモニーアテンダント養成講座」は、全員にすべての動きを振り分けている。
普段やっていないからとか、他業種だからということは一切容赦なく、
オブザーバーという立場の人は置かない。
同じレベルのことを同じようにしていただく。
だからこそ、トップ(経営陣)の方には、現場でお客様を相手に動くということがどれだけ
大変なことか、又お客様と対する場所がどれだけ大切な場所かを体感して戴けるようだ。

講座をさせて戴いた「2005年 フューネラルフェア」でもそうだったが、
この講座は、派遣スタッフの参加も多い。
今回も派遣会社を経営する方や、婚礼の仕事から移行しようと、
この数年頑張っている代表の方など、葬儀社社員ではないスタッフの参加があった。
立場がどうであろうと、「悲しみのご遺族やお客様を大切にしたい」という強い思いで、
研修に臨む方々を私は心から応援したいと思っている。
特に東京近郊は、多くの派遣スタッフが葬儀社を支えている現実がある。
セレモニーレディだけではなく、生花、料理、返礼品、宰領、司会者・・・
ありとあらゆる場面で活躍する。
中には大変優秀なスタッフも多く、ここだけの話だが・・・私の経験で
「お客様を大切にしようという心ない葬儀社社員が5人ただそこにいるよりも、
心と体を張ってお客様に尽くす派遣業者が3人いれば、その葬儀のお客様や担当者を
素晴らしくサポートできる」ということもある。
ただ悲しいかなその逆もある。
勝手なことばかり(お客様をお客様とも思わないやり方)をして、
それで「私は葬儀スタッフです」と言っているような派遣スタッフもいる。
「これでは派遣社員に会社がつぶされるのではないか・・・」
と心配するようなことも多く目にしてきた。


 


「何故このようなことが起きるのか」
それは、派遣社員の力を見抜けない葬儀社に問題がある。
お客様に対しての言葉づかいや態度など、
葬儀社社員が常識を知りきちんと対応していれば、
それ以下のことを見たときに注意をするはずだし、いつまでも出来なければ、
その会社には二度と頼まないのが普通だ。
多くの葬儀社が淘汰されて行く中で、派遣会社側も生き残りに必死だ。
ならば大切な葬儀を新人の練習台にするなどということは慎まなければいけない。
お金を戴いて現場に出すのなら、それに見合った教育をするべきだ。
お客様は、目の前のスタッフが葬儀社の社員なのか、
派遣のスタッフなのかなんて分からない。
そこにいる全ての人が、その葬儀社の関係者であると思っている。
これから私は、派遣社員の教育にも力を入れて行きたい。
派遣社員は葬儀社スタッフと一心同体、運命共同体、これは極論ではない。
一人の故人を見送る葬儀というセレモニーを心一つになって見送って欲しい。
それが私の強い願いである。

講座をさせて戴きながら、
葬儀スタッフ教育は、益々必要なことになって行くことを感じている。
そしてその範囲も広がって行くだろう。
「人が人を大切にする」という当たり前なことを、全ての葬祭関連業者が
当たり前に出来る時代になるまで、どれくらいの時間がかかるのだろうか・・・。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年11月22日 13:12

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