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2005年11月08日

無宗教葬の司会報告 (石川 元)・・・追加 (井手 一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

弊社の司会研修会を受講された事のある方は、
「きりきらず」と言えば、何の事か?分かると思いますが・・・。
<きりきらず>切れているようで、実は切れていない音の処理を施す事。
読点(、)は、きりきらずで処理すべし!
実は、私は<きりきらず>が苦手で、以前から井手社長に指摘されているが、
<きりきらず>の箇所の語尾が延びてしまうのです。
(ほんと、難しくて苦労しています)
井手社長視察のもと、無宗教葬の司会を担当させていただきました。
(私にとって現場が余りに遠かったので、送ってもらったのですが)

終わってから、社長より「きりきらずが出来ていない」
「もっと司会のクオリティーを上げないと・・」と厳しいお言葉。
かなり自信を喪失したが、確かにその通りだと思う。
葬儀のナレーションは、難しいですなぁ・・・。
【FUNET】を使ってのいいとこ取りの略歴ナレなので、
内容はいいと思うのですが、問題は「きりきらず」。
何とか、克服しなければなりません。
けど、また注意されるかと思うと余計に出来ないんだよね。(ブツブツ・・)
司会研修会受講生の皆さんの心情をお察ししますわ~。
(井手厳しすぎるぞ)

故人は、現役の小学校の校長先生。
祭壇は、花とメモリアルコーナーが合体したようなセンスある祭壇でした。
生徒会長からのお別れの言葉があり、お別れのシーンでは
子供たちが歌った校歌がBGMとして流された。
そして棺や祭壇前には、子供たちからの千羽鶴や絵・メッセージなどが
所狭しと飾られていました。
細かいところまで配慮された担当者のセンスの良さを感じます。
また故人は、とても熱心な先生であったことが伺えました。

実は、わが父も私立中学の化学の教員をしており、
クラス担任を持つ現役・52歳で亡くなりました。
自宅葬+テントで何とか賄いましたが、今考えれば、
我が家の敷地であの参列者数の自宅葬には無理があるでしょ・・・と思います。
しかし25年前は、横浜でもまだまだ自宅葬が主流。
もし現在、父が亡くなったとするならば、私は遺族として
今回のような葬儀を望んだ事でしょう。
故人を偲ぶことの出来るいい葬儀でしたよ。
時代の移り変わりを感じました。

それでは、明日は、お目付け役兼カメラマンのエッセイが出るようです。
では、また・・明日に続く・・・!!

<井手の割り込み>
今日出します。通夜だけでしたが見学をさせていただいて、
素敵だなと思ったいくつかの写真を展示しながらコメントしてみます。

 

洋花祭壇ですが、「灯り」と「色合い」と「ライン」がうまく調和しています。
そして祭壇脇がシンメトリーではないところに工夫も感じられますね。

 

特に向かって右側は、故人のメモリアルコーナーでしょう。
テーブルに椅子、その椅子には故人のジャケット。
そしてテーブルの上には、飲みかけのウイスキーと愛読書でしょうか。
右上の小さなオレンジのライトが効果的に演出していました。
メモリアルコーナーは、式場外演出の場合も多いのですが、
物理的な要素もあって式場内に組み込まれたのでしょう。
無宗教だからこそ実現しやすかったのかもしれません。

 

そして祭壇の左脇は、(故人の仕事場)校舎の柵をイメージさせます。
この柵は中央の花祭壇下部と柩を仕切る所にも使われています。

 

全体としては、右脇がプライベート、そして左脇が公人としての故人(校長)、
そんなイメージで、左脇は清廉な白が基調になっています。
白ベースの統一感の中で、鮮やかな色をアクセントとして多用しているのは
祭壇下部とこの左脇の花だけでした。(朱色・ブルー・山吹色)
清潔感を前面に出しつつ、色合い的にいい意味で遊ぶには、
基本的にトリコロールカラー(赤・白・青)の組み合わせからの逸脱は無理。

  

ローソク立てのデザインが面白いのですが、これは一般に用途が狭いはず。
今回はうまく収まりました。
ローソクの背景にある幾重ものシルバーのアーチと、
遺影写真の背景にセットされたシルバーのアーチが計算されています。
全体の中でも調和が取れアクセントとして効いていますね。

ちょっとした工夫が感じられたものに、式場入り口に立てられた案内板。

 

遺族席や一般・来賓席が祭壇に向かってどちら側なのかが、
ひと目で分かる略図になっています。
これは何気ないかもしれませんが、参列者にとってはありがたい。
余談ですが、祭壇に向かって右側が一般に上位(上座)になります。
葬儀では、ここを遺族席にするのが最もポピュラーだと思いますが、
全国皆同じではありません。
上座に遺族が座るのか、お客様を座らせるかの判断だけです。
ですから、葬儀では上座に遺族が座るのが主流ですが、法要になると
これはもう全国の主流というのはありません。
上座にどちらが来るのかというのは、半々位ではないでしょうか。

 

今では各式場にひざ掛けが常備されていると思いますが、この色合いも
濃紺・グレー・柔らかいオレンジ系の3種類ほどあると良いですね。
祭壇などとコーディネイトしてその都度準備できればと思います。
ユニクロ等で購入すればかなりお安く揃えられるはずですよ。

 

花輪は全国的に激減していますが、それに代わるものとして
式場内でも置ける色々なタイプが登場しています。
東京では一時期バックライトが仕込まれたタイプも登場しましたが、
なかなか流通には乗りにくいようです。
この花輪は単なるミニチュアタイプですね。
今後はこのようにアクセント的な使い道が主流になっていくのでしょうか。

とまあ勝手な事を感想として記しましたが、通夜を見学させていただいて思っ
たのは、遺族の想いを出来る限り実現しようという担当者のこだわりでした。
この積み重ねがあるからこそ、実力が付き力量が備わる。
こんな担当者に当たった遺族は、悲しみの中でも満足するでしょう。
久し振りにいい通夜を見学させていただきました。
(撮影の許可をいただきありがとうございました)

そして今日(ご葬儀の担当者を通じて)、ご遺族の方から石川が作成した
通夜と葬儀のナレーションが欲しいとのご要望。
早速出力してお送りいたしました。

 

石川、良かったな !
私が一番ホッとしました。
(もっと技術を磨かんかいっ)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年11月08日 15:45

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