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2005年12月22日
人生が旅に例えられるならば、道を歩く限り、 何がしかの障害物が立ちはだかるのは自明の理だ。 振り返ってみて、今年は少しトラブルに巻き込まれることが多かった。 お陰で、様々な人間模様が垣間見えたし、 人間と言う生き物のどうしようもない性が卑しく思えたり、 あるいはその逆に、それぞれが守るべきものを守り、 大切な何かを背負って人生を歩いていることが、とても愛しかったり・・・。
まあ、良い経験をさせていただいたとお天道様に感謝したい。 で、差し障りのない程度に、私見としての体験談を一つ紹介しよう。 (あくまでも私からの一方通行の意見ですので、誤解のないように)
まずは昨年末からの懸念事項だった我が家の貸地。 口約束で、近所の土建屋さんに貸したのが数十年前。 それが驚くほど安い地代で、以来ずーと、資材置き場として活用されていた。 岳父が生きていた頃はトラブルもなく平穏無事だったのですが、 死後に状況が一変する。(詳細は書けません) こちらとしても相続の問題から、いつまでも柵(しがらみ)に捉われて 土地の有効活用を放棄するわけにもいかなくなった。 (つまり、我が家も貧乏で余裕がないというわけだ。) 契約を昨年末で終了し、明け渡してもらうことになっていたのだが・・・。 年が明けて今年の1月以降も平気で使っている。 もちろん、地代は未払いのままで使い続けているのだ。 その後も相変わらず出て行く準備中とは言いながら、資材は逆に増えているし、 よく見てみると、出入りしている職人は別会社の人間のようだ。 以前から疑ってはいたのだが、どうも又貸しをしているらしい。 トラブルの匂いがプンプン・・・新年早々気分が悪いなと思っていた。
さて、ゴミの山のようになって逃げられても後始末に困るし、 何度連絡をとってもなしのつぶて・・・(やっぱ、たちが悪いわ) 仕方なく弊社の事務所を斡旋してもらった不動産屋にお任せすることにした。 まあ借りていた人や会社が立ち退かずに居座るケースというのは、 そう珍しくもないそうだが、処理を誤ると泥沼化してしまうことも・・・。 何度かは、柔らかく交渉したのだが、のらりくらりと逃げている。 交わした約束はいつの間にか反故にされ、地代を払わずに居続けるらしい。 きっと何かの事情があるのだろう・・・容易に予測はついた。 又貸しをしているので、出て行きたくても出て行けないのだ。 だって一部は駐車場になっているし、どうもおかしいのだ。 しかしこのまま放って置くわけにもいかず、 不動産屋と協議して法的手段を取る事にした。 内容証明郵便。 弁護士に依頼するほどでもなく、また不動産屋も多少の知識があったから (実は昔、私も横浜の不動産屋でバイトしていたことがあったのです) 内容をよく吟味して、とてもとても柔らかい内容の(揉めたくなかったので) 「内容証明郵便」を作成し、送付することになった。 (例の本村弁護士にだけは電話で相談に乗ってもらったけど) 数日後、受け取り拒否の報告があった。 これでハッキリした。 相手はこういう事に慣れている、ということだ。 しかし「内容証明郵便の受け取り拒否」という事実は残るのだ。 これだけでも法的な事実は明確に残されたことになる。 こうなれば現場に乗り込むしかない。 資材の積み下ろしをする時を待ち伏せして、交渉することになった。
やっぱ餅は餅屋かなあ。 ・・・その筋で生業を立てている関西Y組の従兄弟に事後処理を頼もうかな、 との思いが脳裏を掠めた。裏家業の人には頼みごとはしたくないのだが、 我が家には幼い子供もいるし、面倒くさい事になるのは避けたかったのだ。
その昔、彼が主催するある団体の総合司会を神戸のホテルでやらせてもらった。 2時間で30万のギャラ。領収書なしのむき出しギャラである。 貧乏な私はその話に飛びついたのである(15年以上前だよ) 用意された東京からの新幹線グリーン席の私の周りには、 これも東京方面から関西に向かうその筋の人達で埋まっていた。 (関東○○会とか○○○鉄会とか○川会とか・・・) せっかくのグリーン車なのに・・・ 私が司会で親戚のものだと知ると、コーヒーやら弁当やら 若い人達が次々と接待してくれて、ちっとも体が休まらなかった。
会は会で、まあ松竹芸能の若手が私の注意も無視して、 ちょっとした不始末をしでかしたのだけど・・・(この部分はカットします)
会の終了後は、そのホテルの最上階で神戸牛を食おうということになり、 主要なメンバーと私・・・面白いのはその主要なメンバーの中には、 組お抱えの弁護士やらがちゃんといるということだ。(名刺交換して驚いた) それから偉い人達は、皆小指が残っていた。 しかし夏なのに全員長袖・・・律儀に手首まできっちり刺青があるのだ。 また本物のボディガードを見たのも初めてだった。 親分の箸を割っているのも驚いたし、トイレにも付いていく。 重くて硬そうな物が入って・・・いそうな小さなバックを手から離さない。 なかなか臨場感がある光景だ。 そのラウンジには他の客も何組かはいたのだが、どういう交渉をしたのか 何かを手渡してひそひそ話しをし、数分後には全員がいなくなった。 見事な交渉術?であった。(決して脅した風ではありませんでした)
従兄弟に頼んでも・・・揉め事大好き人間だから・・・ ご近所でやりづらくなるよなあ・・・いかにもそれと判る若い衆を連れて ベンツやリンカーンで我が家の庭に乗り込まれてもなあ・・・。 借金のかたに取った全長13メートルの大仏を、台座の部分(5メートル)と 大仏の部分(8メートル)を切り離して陸送するから、買い手先の葬儀社か 墓石屋か霊園経営者を紹介しろと言われて困ったこともあったし・・・。 だって脅すに決まってるでしょ。 取りあえず従兄弟の線は「最後の切札」にしようと決めた。 ただ、人間とは不思議なもので、絶対的な切札を持っていると思い込むことで 何となく落ち着いてしまうから・・・あら不思議。
数日後、私の携帯に資材積み下ろしの最中という報告が入る。 葬儀も争議?も現場第一主義の私は不動産屋に 「俺が行くまで、絶対逃がすな!」(俺は刑事か) 「了解しました。何とか繋ぎます」(向こうもその気だね) 「身体を張ってでも守れよGパン!」(ん、太陽にほえろか?) 「・・・」 こんな時にふざけている私に、不動産屋は怒ったらしい。(ごめんね) 軽いギャグなのにさあ・・・カリカリしないでよ。(心狭いなあ、もう)
数分後に私が到着すると、出迎えは1人もいなくて(当たり前か) 既に話し合いが行われている最中だった。 (どうやら私は不動産屋からも見捨てられたらしい) 男たちの輪の端っこに無理やり身体を入れて、 タバコでも吹かしながら横から話を聞いていると大体のことが掴めた。 積み下ろし作業をしていた職人達は、我が家が貸している業者ではなく、 ここの土地を借りていると言うのだ。(やっぱり・・・だけど驚きだぜ) 契約も切れているし、地代も支払っていないという事実や 内容証明郵便の一件を告げると、色々と思い当たる節もあったのか しぶしぶ了解したようで近日中に出て行くとの事。
そこへ登場したのが、この物語の一番の悪者の社長である。(よっ悪者) 遠目で見ても、その風貌、歩き方、つばの吐き方、タバコの持ち方・・・ 本当に分かりやすい「悪者」の登場であった。 この目付きがまた・・・なんとも悪者っぽくて・・・最高だね。 職人の誰かが携帯で知らせたようである。
「何を勝手にやってるんだっ」と取りあえず大声で威圧し、 それらしく格好をつけてみたものの・・・皆が事実を知っていると分かると 今度はのらりくらりと拝み倒してきた。(ホントいい根性してる) 「今月だけは10万だすから、今月末まで貸してよ」 この時、かわいいダミ声というのを初めて聞いたが、 登場した時とは随分キャラが変わっていた。(面白いね、人間て) それに先月分の話はしないところが凄いよね、最初から払う気ないもんなあ・・・。
で結局、その月の末までお貸しして、いざ支払いの時・・・ 手続きに行っていた不動産屋から私の携帯に電話が入る。 「待ってました、絶対掛かってくると思ってたんだ」 「あのう・・・」 「払わないって言ってるんでしょ!」 「ええ、お金がないので3万にまけてくれって・・・」 「あの親父、3万も払うって?」 意外だった・・・絶対1万とか5千円とか言うに決まってると思ってたから。 運が悪ければ、何だかんだダダをこねて払わないこともあるだろうって・・・。 「ラッキー!」 「えっ」 「それでいいよ、早く終わらせて」
その後、その土地は整地して不動産屋に任してあるが、 駐車場が22台・・・結構広かったね・・・ただ借り手がまだ12台だけ。 あと10台分も空いている。
どこかの葬儀社さんか業者さんで、まとめて借りてくれる方はいませんか。 お安くしときまっせ!(俺もキャラ変えようかな)
<おまけ>
寒気が列島を直撃し、各地で記録的な大雪のニュースが相次いでいる。 12月の積雪量としては、観測史上過去最高の文字が いかにも大きな面をして、連日のように紙面を躍っている。 明日以降も冬型の気圧配置が再び強まって、大雪の恐れがあるとのこと。 北国の方は特に要注意、また普段雪に慣れていない地域は大変である。
そしてお年寄りの雪かきよる事故は、毎年のことながら痛ましい。 何とかならないのだろうか? 昔、雪山で遭難した方のご葬儀を担当したことがあるけど、 不慮の事故による死というのは、何とも痛ましいなあと思います。 せっかくの命です。 きっと事情もあるのでしょうが、出来る限り大切にいたしましょう。
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年12月22日 11:04
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