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2006年01月21日

葬儀司会<合同葬>を終えて (石川 元)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ご覧頂けないのが残念ですが、優しい微笑が印象的な遺影写真でした。
そしてピンク系のライトが、会場全体を柔らかく包み込み、
温かみを感じることの出来る祭壇でした。
ガス機器メーカーの会長様の葬儀式だったので、
炎の温かみが演出されていたのでしょうか・・。
また葬儀と言えば、ご遺影の枠は黒枠が主流でしたが今は様々ですね。
仏式でも花祭壇が圧倒的に多くなりました。





本日の宗旨は、真言宗御室(おむろ)派??
(ありゃりゃ!)初めて聞きました。
諷誦文のあと弔辞・最後は至心廻向で終了と・・・
一般的な真言宗と弔辞や退場箇所は変わりありませんでした。(良かった)
ご導師様は故人の実兄、(お兄様がお父様の後を継がれ)
故人は、先代の住職であるご尊父様の元でお経を聞きながら育ったそうです。
やはり導師の気合の入れ方が違うような・・・。
哀愁のあるいいお経でした。
熱烈なお経を筆頭にピリッと締まった厳粛な合同葬になったと思います。

5人のセレモニーレディーさんが入っていましたが、
立ち振る舞いが綺麗でびっくりします。
お辞儀の仕方・方向指示・歩き方と相当レッスンを受けているのでしょう。
全員が同じ角度で礼をし、動き始めるのですが、
いい意味で調和が取れ、機械が動いているようです。
無駄のない動き・品のある口頭でのご案内・スーっと姿勢もいい。
また進行状況においてのターゲットからは、絶対に目を離さない。
そして、マイク出し・遺族・親族の焼香終了、来賓の焼香終了等、
レディーさんと司会の連動する箇所になると目配せで合図をくれる。
焼香する参列者の整列のご案内(させ方)も抜群で、
統制のとれたお式が作られていくのです。
この会社のレディーさん達は、いつ見ても惚れ惚れします。(かっこいいんだぁ)

それから式場外演出の映像は当然よね



シンセサイザーの奏者さんもお会いするのは2度目で、
前回お願いした事を覚えていてくださり、
聴かせる<阪神タイガース 六甲おろし>を献奏してくれました。
(導師退場後献奏がありました)
ナレーションのBGMも私の好きな<巡り逢い>を弾いてくれました。
自分の知っている曲だとナレーションがやりやすいので助かります。

担当者さんも年末の密葬からこの日を迎えるまで、
他の葬儀を抱えながら、お正月も返上し頑張ってきたらしい。
時を選べない葬儀の担当者は、本当に大変ですね。
担当者さんの指示でチームワークよくまとまったと思います。

会社と家の合同葬・・・社葬の色がやや強かったような気もしますが、
弔辞では、故人の私生活におけるお茶目な面や楽しかった思い出話で
胸がポッと熱くなるシーンあり。
会長の意思を受け継ぎ、今後も社の発展に全力を注ぎますとの決意表明あり。
ナレーションの内容も社歴あり、お家でのエピソードありと
丁度いい適度な量の素材を頂き、ご遺族・ご親族も
取り残される事なくお式に参加出来たと思います。
(今年もナレーション作りにFUNETをバリバリ使いますよ~)





会長を慕う社員の皆さん・そしてご遺族・ご親族に見守られ、
合同葬というかしこまった形式の中、内容も充実したいいご葬儀でした。
ますますの会社の発展と故人のご冥福をお祈りいたします。


<井手の割り込み>
真言宗御室派(おむろは)ですか。
東京では滅多に聞かない宗派ですね。
私にとってみれば、お他宗派のことなんですけど、今日のテーマはこれで。

真言宗は、とても多くの派に分かれています。
(憶えきれないくらい多いんですよ)
まず、大きく分けて
「古義(こぎ)真言宗」と「真義(しんぎ)真言宗」という2つの流れがあります。
一つは、高野山を中心とする古義真言宗(御室派はこちらです)。
もう一つは、智積院や長谷寺を中心とする真義真言宗。
ですから一般には(と言っても葬儀業界での話ですが)、
古義真言宗の代表として、高野山真言宗。
真義真言宗の代表として、真言宗智山派(ちさんは)と真言宗豊山派(ぶざんは)。
(葬祭ディレクター試験でもこの程度だと思いました)

では、どこで分かれたのかと言いますと、
覚鑁(かくばん)のことに触れなければならないでしょう。
少し専門的になりますが、「ご宝号」はご存知でしょうか?
真言宗のお勤めの中で出てきますが、5つ紹介します。

南無本尊界会 (なむほんぞんかいえ)
南無両部界会 (なむりょうぶかいえ)
南無大師遍照金剛 (なむだいしへんじょうこんごう)
南無興教大師 (なむこうぎょうだいし)
南無専誉僧正 (なむせんよそうじょう)

実際のお勤めでは(寺院によってまちまちですが)、これらのご宝号の中から、
3つほどチョイスして読経されていると思います。
ただし、南無大師遍照金剛を言わないところはないでしよう。(多分)
この中に出てくる、興教大師が覚鑁(かくばん)の諡号(しごう)なのです。
(※諡号とは、朝廷から偉大であった貴人・僧侶に贈られる尊号)
そして覚鑁が真義真言宗の始祖と呼ばれています。
つまり、覚鑁以降に真義と古義にわかれるわけですね。

この方は13歳で得度・出家し、35歳の若さで真言宗の伝法を灌頂し、
弘法大師以来の天才と称され、座主就任後に真言宗の建て直しを図るべく
大鉈を振るうのです。(どうも制度疲労による腐敗があったらしい)

ところが、この強硬策に反発する既存の僧派閥と激しく対立し、
(命までも狙われます)
結果、高野山を追われ弟子一派と根来寺を建立します。
そして彼は、真言宗の正しい有り方を説き独自の教義を展開するのです。
後に根来山は豊臣から討伐を受け壊滅しますが、残僧が京都へ逃れ、
長谷寺や智積院において真義真言宗の教義を根付かせ現在に至るようです。

では一方の古義真言宗はその後どうなったのかというと、
小野流と広沢流の2派に分かれたのを皮切りに分裂を繰り返し、
それぞれ12流、36流を数えるに至っており、(計48流もあるじゃん)
派で言えば、高野山真言宗を代表に、約30派存在するようです。
(憶えるの諦めた方がいいね)
主な派は、醍醐派(だいごは)・山階派(やましなは)・御室派(おむろは)・
東寺派(とうじは)・・・東寺真言宗とも・泉涌寺派(せんにゅうじは)など。

古義、真義を合わせると、真言宗の宗派や流派は多すぎて・・・。
(私の情報ですから誤りもあると思います)

真言宗の司会進行上のポイントで盲点なのが、最後の偈文なんですなあ。
実は、読経の終わり方は2通りだけなんですよ。(例外あり)
「回向」あるいは「至心回向(至心廻向)」。
特に「至心回向(至心廻向)」を知らない人が多いようですよ。
(これ以上は、とりあえず秘密)

それから、弘法大師は、幼名「真魚」からスタートして、
真魚 ⇒ 教海 ⇒ 如空 ⇒ 空海 ⇒ 弘法大師。
何やら出世魚のようです。(洒落じゃなくてね・・・最初が魚だからさ)
空海が朝廷から大師号を贈られるのは延喜21年(921年)のこと。
そして空海の生涯は、774~835。
ということは、大師号が贈られたのは空海の入定後86年経た後です。
つまり本人は自分が弘法大師だということを知らない・・・。
そうかもね、だって大師の申請書には「本覚大師」と内願していたらしいから。

ついでに大師号の紹介も。
日本天台宗の開祖、最澄は伝教大師。
日本曹洞宗の開祖、道元は承陽大師。
浄土宗の開祖、法然は円光大師。
日蓮宗の開祖、日蓮は立正大師。
浄土真宗の開祖、親鸞は見真大師。
・・・後は省略ね。

今日はなんだか勉強したので、一服の清涼剤を。
事務所で新システムの打ち合わせをしていたところ、
話の佳境で「せんだみつお」「せんだみつお」と、
工場長が連呼するのです。
それはそれは、とてもとても、力が入っていて、まさに力説。
さすがに慶応出身は違うなあ、アイデアが抜群だあ。

一体この話の、どこで、どうひねったら、
「せんだみつお」とシステムが連動しているのか不明でした。
しかし、分からないと馬鹿にされそうなので、
「ふん、ふん・・・」と話の先を聞いてみると・・・。

「相田みつを」の間違いでした。
バカたれ ! (ナハ・ナハ・ナハ・・・ナハハハハ)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年01月21日 16:45

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