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2006年02月13日

葬儀司会<会葬>を終えて (石川 元)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

只今から、故○○様の葬儀並びに告別式を「○○会の会葬」にて執り行います。
○○○会の会員さんは、その会の習わしに準じて葬儀を執り行うようです。
取り立てて変わった進行ではありませんでしたが、
参列者は会員さんがほとんどなのでしょう・・・。
皆さん(参列者)が葬儀慣れしているように感じました。
開式前のナレーションが無くても、10分前から会場内はシーンとするし
焼香の列を乱す参列者も居ない。
9割が男性の参列者で畏まったお式になりました。





逆に今日の現場スタッフは担当者さんを始め、全員が女性。
担当者さんは、何があっても動じないであろう貫禄を感じました。
ベテランさんは、慌てない、急がない・・・
経験が自信となり<待つ>事が出来るのでしょう。
全員が担当者さんを軸に効率よく動きました。

「今日は、うちの手配のお寺さんですから」
(このセリフを聞くと私もホッとします)
すべて担当者さんの要望を聞き入れるお寺さん。(・・が多いですよね)
「ご焼香はどこからでも・・・」
「引導は早めに・・・」
「導師退場は、司会アナウンスのご焼香お済でない方・・が合図」
担当者がお願いするまでも無く、導師自ら合わせてくれるのです。
必ずしもいい事とは思いませんが、お式の進行はスムーズです。
引導後の弔辞のタイミングなんか、
導師が大声で「弔辞―!」と叫ぶのですから。
私にとっても導師の引導や参列者の焼香・導師の退場のタイミングを、
一切気にしなくていいので、申し訳ないほど楽な司会でした。
ナレーションも無かったしね。

支配力のあるベテラン担当者さんの現場は、すべてがスムーズです。
威張る・怒鳴る訳では全くありません。
「聞く」「待つ」を基本に更には女性のきめ細やかな対応が出来るS担当者さん。
女性の鏡ですな・・・見習いたいものです。





私が葬儀とブライダル・・・両方の現場司会に入って思う事。
葬儀=担当者・ブライダル=キャプテンと呼ばれていますが、
葬儀担当者の方が圧倒的に親切だと思うのであります。
大きな違いは、葬儀担当者は、普段司会もされる方が多いので、
司会者の苦労を分かっているのだと思います。
よく野球でもエラーをしてしまった選手に対して
「なぜ、あんなへナちょこ球をミスするかなぁ~」
とただの観戦者は平気で口にしますが、野球をやっている人には、
理由や苦労が分かったりするので、軽々しい批判はしないような気がします。
それと同じでブライダルのキャプテンは、
自分は司会をしないので司会者の苦労は分からないのだと思います。

もう1点は、悲しい現場と楽しい現場の雰囲気の違いだと思います。
葬儀の現場では、悲しんでいる方々に逢うたびに、
自分も死について考えてみたり、亡くなった人を慈しんでみたり、
きっと優しい気持ちになれるのだと思います。
私もさほど経験がある訳ではないので、一概には言い切れませんが、
現場に入るたびにそんな事を感じる今日この頃であります。

ブライダルだってホテル全員が親切で暖かいホテルもありますが、
怒鳴る・物を投げる等、<いじめ>としか思えないような
・・・キャプテンすらいるのです。
葬儀の現場では、1回もそんな思いはした事はありません。
運がいいだけなのか、MCプロデュースの社長井手が鬼だから、
現場スタッフが親切にしてくれるのか?定かではありませんが・・・。

1月2月は、ブライダルが極端に少ない時期です。
今年に入って、葬儀の本数の方が上回っているので、
明日のブライダルが少々、心配。
思い出すように、復習しなくちゃ!
では、また・・・。


<井手の割り込み>
石川の「いじめ」の話に便乗します。
その昔、ある我儘な葬儀社の社長がいました・・・とさ。
昼間から酒を食らっては、人材に祭壇を飾らせていました。
(業界にも、こんな時代があったのですよ・・・今でもあるかも)
まったく、いい気なもんです。
しかし運悪く、その日の人材のメンバーは、元葬儀社の社員。
それも札付きの悪が二人ほど混じっていたのです。
(あー、これで話の展開がバレたかな)

飲んだ社長は、毎度毎度、事あるごとに人材に難癖をつけてきました。
いつもは人材の方が大人で、今日だけの辛抱だからと堪えていた・・・
のですが、事件の起こった日は、たまたま虫の居所が悪かったのでしょう。
(それでなくても葬儀社で問題を起こして辞めた人だから)
いつまでも酔って難癖をつける社長に、とうとう切れました。
右フックが飛んで、社長はのびてしまいました。
直ぐに意識を取り戻した社長は、
「け、けっ、警察に訴えて・・やる・・・」と、
呂律が回らない様子ながら言ったそうです。

そのままフラフラ自宅に戻った社長は、寝てしまった。
もちろん、通夜・葬儀は人材の力だけで、何事もなく無事に済みました。
社長不在のお陰で、すっきりと、滞ることなく終えた・・・そうです。
足を引っ張っていたのは、誰の目にも明らかでした。
(この場合は、どっちもどっちだね)

この会社には、その後、私が専属で行くようになったのですが、
祭壇を見てびっくり、どれもこれもが乱雑に扱われたからか、
あるいは意図的に・・・壊されていました。(酷いものです)
気が小さい人材は、きっと社長の横暴に耐えながら、
祭壇や備品に当たっていたのでしょうね。
クッキリと足跡が付いている物もありましたよ。
祭壇は、全てを語っていました。
それにしても・・・。
あんまり人をいじめると、必ず仕返しがきますよ・・・というお話でした。

さて、先日のうどん屋さんからの帰路。
車中で、温泉好きの加藤と工場長と私とで「日本三湯」は何処?
という話題になり、色々意見が出たのだが分からずじまい。
加藤は日本全国の温泉を網羅した・・・などと豪語していたのですが。
「知ったかぶり」が三人揃っても屁の役にも立ちませんでした。
そこで少しだけ調べてみました。(えらい!)

そもそも温泉の選び方にいくつもあるらしい。
日本三大温泉・・・熱海・別府・白浜
日本三名泉・・・草津・有馬・下呂
三大古湯・・・道後・白浜・有馬
三大温泉場・・・別府・熱海・伊東
で、ドリフターズの「いい湯だな」に登場するのは、
登別・草津・白浜・別府。
何の役にも立たない情報でした。(歯磨けよ)

今日・明日と私は神道の司会。
故人が著名な方だから、マスコミがチョロチョロしなければいいな、
と思っている。
セレモニーの最中は静かに送って欲しい。
許可をいただければご報告します。
こうして現場に伺えるのも、セミナーの季節が始まるまで。
5月以降はまず無理だろうな。
では行ってきます。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年02月13日 19:37

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