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2006年02月10日
今日事務所で・・・工場長が額入りボードのテストをしていました。
では今回、司会研修で徹底的にやる呼吸をテーマに。 呼吸は司会上達のポイントの一つだ。(そうだ、そうだ・・・誰の声?)
一般に呼吸というと、肺で酸素を取り込み、 二酸化炭素を排出する営みだが、今日は別の視点からも呼吸について記したい。 少しだけ難しいけど、お付き合いを。
<第一部>・・・生きるための呼吸の獲得
最初に呼吸には分類があって、まず名称を。 外呼吸と内呼吸。 好気呼吸と嫌気呼吸。 普段は聞きなれない言葉だから、読むのが辛かったらごめんなさい。
地球の誕生時、大気中に酸素は存在しない。 どろどろのスープのような原始の海に生命が生まれ、 やがて光合成を行うものが出現したことによって、 大気は徐々に酸素に汚染されていく。 そう、まさに「汚染」されていくのだ。
酸素は本来、強い酸化力を持つ毒性の強い気体。(危険な気体) 物が錆びたり、山火事を誘発したり、肉体に老化現象を起こしたり・・・ それは現在でも変わらない。 しかし生命は、その酸素を有効活用する術を獲得することによって、 爆発的なエネルギーを利用できる身体へと変貌・進化を遂げていく。
動物の呼吸には「外呼吸」と「内呼吸」があり、植物は光合成が呼吸にあたる。 外呼吸とは、周囲の環境から(空気から)酸素を取り込み、二酸化炭素を出す営み。 内呼吸とは、別名細胞呼吸とも呼ばれ、体内に取り込まれた酸素を 細胞が吸収し、エネルギーを作りだし二酸化炭素を排出すること。 口や鼻から息を吸って肺に入れ、肺の二酸化炭素を口や鼻から出すのが外呼吸。 肺の酸素を血液が各細胞へ送り、各細胞から老廃物を運搬するのが内呼吸。
外呼吸の例だが、哺乳類や爬虫類などの陸上生物は肺呼吸。 水生の動物はエラ呼吸(例外もあり)。 カエルのような両生類は、肺呼吸+皮膚呼吸。 生物は、酸素を取り入れる外呼吸により爆発的なエネルギーを獲得した。 体が大きくなり動きも活発になって大繁殖を遂げるが、 その代償として、吸気・呼気を繰り返さなければならない。 つまり陸上脊椎動物は、呼吸運動を一生涯続けるという宿命を背負った。
さらに呼吸には、「好気呼吸」と「嫌気呼吸」がある。 酸素を利用する呼吸が「好気呼吸」。 (不思議に思うかもしれませんが)酸素を利用しない呼吸が「嫌気呼吸」。 原始地球には酸素が存在しないので、 最初の生命は嫌気呼吸をする生物だったと考えられている。 それが、藻の光合成によって酸素が放出され、好気呼吸の生物へと・・・。
実は人間も、好気呼吸と嫌気呼吸をしている。 好気呼吸の説明は必要ないだろうから、嫌気呼吸の具体例を挙げよう。 激しい運動を行った時は、好気呼吸だけでは追いつかず、貧酸素状態となる。 (要するに、息が上がった苦しい状態です) すると細胞が、酸素を使わずにエネルギーを作り出す。(よく出来ている) この場合、乳酸発酵でエネルギーを作るから筋肉に乳酸が溜まり疲労するのだ。 これは誰もが体験したことがあるはず。 (私は年だからしょっちゅう・・・しかも筋肉痛は2日後・・・最悪)
ちなみに酸素を使わずにエネルギーを作り出す嫌気呼吸は、 細胞レベルにおいての、原始地球の最初の生命の名残とも言われている。 (何だかんだ言っても、細胞は細胞だからね) そして人は、脳の発達によって驚異的な進化を遂げてきた。 だからこそ、体内に取り入れられる酸素の3分の2を脳が消費する。 この辺りのことが明確になってきたのはごく最近。 呼吸についての研究の歴史は17世紀後半から始まったようである。
ここまでは進化の過程で培われてきた、生きるための呼吸の獲得。
<第二部>・・・意識と無意識の橋渡しをする呼吸
では、言葉による感情表現という視点から呼吸を見てみよう。 呼吸という息の流れは、呼吸筋群の働きによって生じる。 その呼吸筋をどの範囲までと考えるかで問題もあるのだが、 呼吸の通り道に、直接・間接に影響を及ぼす筋肉全体としょう。
とすれば、この呼吸運動に関する筋肉は、随意か不随意か。 自分の意のままになるのか、それとも否か。 実は、両方の性質を併せ持つのだ。 何故なら、寝ている時も意識不明のときも、陸上脊椎動物は、 死ぬまで呼吸運動を繰り返さなければならない宿命を背負っているから。 (そうだったですよね)
意識によって、直接制御できない不随意の呼吸は、 同じく制御不能ともいえる感情(喜怒哀楽)と連動しています。 どうして連動したのだろうか。 それは蓄積された感情のエネルギーが、呼吸を通して噴出されるから。 もちろん呼吸以外にも変化は起こっている。 例えば汗(冷や汗)、ホルモンバランス、血圧や脈拍、内臓へのストレス・・・。
逆の見方をすれば、様々な体への負担を軽減するべく、 呼吸によって感情的エネルギーのバランスを取っている。 呼吸には、意識と無意識の橋渡し的な役目があり、 適度なガス抜きをして精神的なバランスを保っているのだ。 そして意識と無意識の橋渡しという進化が、どの過程で起こったのかは今も不明。
人は誰しも、気持ちによって呼吸を使い分けている。 これは人類の進化の過程で得たもの。 この方が生きるのに都合が良いからだろう。 誰もが気持ちで呼吸を使い分けているからこそ、 司会のセミナーでは、表現する時の呼吸にこだわるのだ。 司会講座だから、テクニックという形をとっているが、 本来は感覚的なものでしかないし、誰もが持っている表現だ。 それを上手に引き出すのが私の役目。
最後に、呼吸の練習方法で、やれ腹式呼吸だの、胸式呼吸だのと さもしたり顔に言っている人を見かけるが、私はあまり好きではない。 (個人的な意見ですみません)
私の考えでは、大切なのは「自然体」と「吐く息」。 そして皆さんがよく誤っているのは、吸う事に意識が行ってしまい、 吐く事の重要性に気づいていない。 吸う時に、感情的なエネルギーの噴出はありません。 吐く事が、表現にとってどれだけ重要か。
意識と無意識の橋渡しをする呼吸のポイントは、吐く息にある。 そしてその吐く息に乗って出てくるのが言葉。 ご理解いただけただろうか。 ご理解いただけた方も、そうでなかった方も、 3月17日・18日の司会セミナーに興味を持ってください ! って、最後は宣伝だあ。
<一言アドバイスのコーナー>・・・何かこのコーナー続きそうだわ レッスンの方法としては、 自然体から、出来るだけ息を吐き出すこと。(肺が空っぽになるまで) たったそれだけ。 腹を意識して膨らませたり、お腹を触ったり、やればやるだけ不自然。 そんなことで、感情は出てきませんからね。 そして、目安ですが(いい加減ですよ) 私は、一分間に4~5回の深い呼吸を心がけるレッスンをする程度。 騙されたと思って、やってみたら。(ホントに騙すかも・・・ウッシシ)
<脱線します> 呼吸といえば・・・ 確かメジロマックイーンは、心拍数20(一分間)程度だったような。 一般の競走馬が心拍数40ですから、いかに身体能力が高いか分かるね。 競馬新聞に心拍数の項目を入れてもらいたい。
どうして呼吸の話がこうなるかな。 ではまた。
PS .(プレイステーションじゃないよ) 今日、レコーディングです。 FUNETの司会音声ライブラリとナレーションシステムの連動のため 膨大な素材が必要になりました。 橘に踏ん張ってもらいましょう。 システムが上手く構築できれば、ナレーションシステムの文章選択時に、 同時に音声が聴ける仕組みを考えています。 私は考えているだけで、作るのは工場長。 またご報告します。
PS.2(プレイステーション2じゃないよ) そして今日、工場長が一日頑張って、 司会音声ライブラリの全データを3分の1に圧縮したようです。 (パチパチパチパチ・・・私今年47歳) 読み込むのが無茶~早くなりました。 どうぞご利用くださいな。
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年02月10日 19:42
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