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2006年03月17日

<笑える話>

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

【その1】
通夜も終わり間近での出来事。
2歳ぐらいの女の子を連れて、若い奥様がご焼香に見えられた。
すでに導師も退場しており、お手伝いや係りの方のご焼香も済んでいた。
身なりからするとご近所の方だろうか、
亡くなられたことをご存じなかったのか慌てて家を出てきた様子。
受付に案内されて焼香の場所まできたが、何やら近くのスタッフとヒソヒソ。
どうやら何回焼香すればいいのか・・・そんなことを尋ねている。

奥様は黙ってスタッフの言葉に聞き入り頷いていたが、それからの行動が驚きだった。
娘さんの手を引き、焼香台の前まで進むと、
まず一番右端の焼香具で1回。
次に真ん中の焼香具で1回。
最後に左端の焼香具で1回。
都合3回のご焼香を丁寧に済ませ、深々とお辞儀をして堂々と去っていった。
その間、遺族もスタッフも唖然・・・声をかけるタイミングを逸してしまったからね。
確かに焼香具は三個出ていたけど、だからって3回焼香を別々の焼香具でやるなんて。
「3回焼香」が、いつの間にか「3箇所焼香」に変わっていたとは。
伝言ゲームは昔から難しいもんね。

【その2】
夜も更けて弔問客も去り、遺族・親族だけで祭壇を囲んでいた。
葬儀社も明日の準備を整え、そろそろ辞去しようかと・・・そんな時。
ご遺族様の娘さんのご友人だろうと思われるが、
二十歳前後のお嬢さんが3人連れ立って弔問に見えられた。
担当のスタッフと何やらヒソヒソやっている。
やがて祭壇前に案内され、迎えたご遺族様の前でご焼香と相成ったのだが、
慣れていないので緊張している様子がありありと伺える。
一人ずつご焼香をと案内され、3人でしきりに譲り合っていたが、
押し出されるようにその中の1人が前に出た。
緊張しつつもお参りしようとしたら、まずお線香がないので慌てた様子。
すぐにスタッフが近づき、もう一度ご焼香での案内をしてこの場は事なきを得た。
次に鐘を打とうとして、リン棒を手にしたのだが、すぐ右脇にある鐘が見つけられない。
リン棒を右手に掲げたまま、暫く経机の上を目であちこち探していたが、
背後から友達が教えていたので安心していた・・・それがいけなかった。
いくら教えてもパニックに陥りかけたリン棒娘は、すぐ右脇にある鐘に気づかない。
背後の友人の声は次第に大きなヒソヒソ声になり、
「ほら、そこ、すぐそこ、横にあるでしょ!」ともう丸聞こえである。
それでもリン棒娘はやはり気づかない。(パニックとはこういうものだ)
いよいよ切羽詰った背後の友達の声。
「ほら、何してんの○○ちゃん、早く鐘を叩きなさいよっ」
とうとうリン棒娘のパニック度も沸点に達し、
右手に持ったリン棒を、ええいとばかりに委細構わず振り下ろした。
振り下ろした先は、たった今焼香をした抹香の中・・・。
「ずぼっ!」
・・・シーン・・・
灰がスローモーションのように飛び散った。
そして何事もなかったかのように、自分は間違っていないと主張するかのように、
そこだけ煙る空気の中で、静々と両手を合わせお参りをする彼女。
唖然とする一同。
後ろで待機する友達の背が震えている。
このリン棒娘め・・・三日は笑えたよ。

【その他】
この他、鐘の代わりにリン棒で木魚を叩いた人。
抹香を額に押し当てすぎて、額にくっついちゃった人。
線香の火を消そうと手を振ったら、線香の火に直接触れちゃった人。
抹香を摘むつもりが、火の付いた炭を掴んじゃった人。
事前に受け取った献花を胸ポケットに入れ、献花台の前で慌てて探していた人。
玉串案を手荷物台と勘違いして、自分のバッグを置いちゃった人。
まったく別の葬儀に参列して、ご焼香の後に香典を返してもらっていた人。

現場は色々とありますねえ。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年03月17日 01:11

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