翼と翔。
私がつけた似たような名前を持つが、性格は全然違う。
兄は、どちらかといえば寡黙で甘えん坊、
しかし時として「僕は長男だ!」という思いを前面に出す。
弟はとても大人。ものの考え方から行動力、大胆不敵さ、
学校でのリーダーシップ、家族への気配りは、ピカイチ!
そんな二人が最近時々ぶつかる。
これは大人への成長の証ととらえて見守っている。
口喧嘩ぐらいはまだいいが、力まかせの喧嘩は、ちょっとすごい・・・。
すでに二人には、小柄な主人なんかぶっ飛んで行きそうな力があるので、
「絶対に、パパには手を出すな!」と、私は釘をさしている。
その私自身は兄と二人兄妹。高校の頃までよく喧嘩をした。
手も出た。足も出た。口もすごかった。
「女のクセに・・・」と兄にはいつも言われた。
気が強いのは生まれて持った性格らしい。
いい意味で人生にも仕事にもその「タフさ」と「負けん気」は生きている。
今となってはそんな思い出を笑って話せる兄妹になった。
兄弟喧嘩というのは、噴火する火山のようで、誰も止められるものでは無い。
私はやらせた方がいいと思うし、1度くらいお互いボコボコになって、
その痛さを知ることも大切だと思っている。
トコトン喧嘩をやり合えるのは、世の中で兄弟姉妹くらいしかいないだろう。
10代の子供たちは、常にストレスの塊でそのはけぐちを探している。
そして本能で生きる動物そのものだ・・・
と思っていないと、親としてやってられないことも確か。
春めいた今日も、我が家で一波乱あった。
夫は必死で止めさせようとする。しかし母親の私は
「やっちゃえば?」と、二人に言って身構える。
止めたところで収まる雰囲気ではない。
そして私は、「頭は殴らないで!顔もダメよ!お腹や、大事なトコもダメよ!」
と、傍らでつぶやく・・・でも、やる時には、
私が何を言おうがやってしまうのだろう。
すごいコトになればもちろん止めに入るが、
とりあえずは落ち着いた振りをする私・・・。
1、2回ボコボコと、兄が弟をなぐった。
弟は兄を睨みながら、手は出さない。
(こういう所が、次男は実に大人だ・・・)
息子たちの身体から、湯気のように、負のオーラが出ている。
しかしそのパワーが負のものであろうと、
感情が外に出せるということはとても正しいことだ。
マイナス的な感情が出てこなくなった時、
あるいは出せなくなった時の方が、人間は心配だ。
こうして気持ちを吐き出すことは、すごく大事なことだ。
「止めろ」「我慢しろ」「抑えろ」と言うと、余計激しくなることも確かだ。
こっちから「やっちゃえば?」と言うと、結構静まる。
私は、不測の事態に身構えながらも、息子達の成長を結構楽しく眺めている。
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