新郎は某ホテルのキャプテン(葬儀で言うなら担当者)、
新婦は新郎の下で働くホテルスタッフの一員。
いろいろとこだわりがあり、ご自分の職場以外でのホテルを選ばれ、
挙式・披露宴を挙げられたのでしょうが・・・(勇気ありますよね)
演出は至ってシンプル。
お客様に素敵なJAZZを聴きながら美味しい食事を召し上がって頂く。
(これが第一目的)
更には、お客様のテーブルにも新郎・新婦の席を設け、
お色直し後は皆の卓を回り腰を落ち着けてお話をする。
すなわち後半は、メインテーブル(高砂席)は空席になる訳です。
そして、お客様から頂く歌やスピーチもなし。
ですから2人を誉める・称えるといった場面もありません。
ただJAZZの生演奏と共に・・・
ゆったりとした時間が流れるお食事が中心の披露宴になりました。
しかし、飽きない程度にポイントには定番の演出が組み込まれています。
お2人(プロ)が組み立てた進行は、新郎・新婦が主役ではなく、
お客様が主役であるような披露宴でした。
さて、この日は、新婦の誕生日。
こんな場合は、新郎が新婦に内緒でバースディーケーキやプレゼントを用意して、
披露宴の中で合わせて新婦の誕生日を祝う・・という演出もありがちです。
皆さんにもハッピバースディートゥ~ユ~~♪と
歌ってもらったり新郎が新婦に歌のプレゼントをしたり、
サプライズとして新婦を喜ばせる演出が多いのです。
もちろん、この2人もそんな演出は見飽きるほど担当したでしょう。
やはり「私は、特に目立たなくても・・・」と新婦の謙虚な発言。
そこで、スタッフ同士でサプライズとして、
ささやかな誕生会をプレゼントすることにしました。
サックスでのハッピーバースディー♪の演奏と厨房からの善意で運ばれてきた
誕生日おめでとうのプレート付の小さな一切れのバースディーケーキ。
私もさりげなくお祝いのメッセージをアナウンスしましたが、
新婦の目から喜びの涙が・・・
新郎には事前にお伺いを立てていたが、こんなに新婦が喜んでくれるとは思わなかった。
ささやかな演出にとどめたが、お客様からも大きな拍手がおこり、
スタッフ一同も仕事の手を休め一緒になって拍手を送っていた。
いい披露宴だった。
これほど何もしない披露宴を実行するのも勇気がいるもの。
相手がプロだからこそ、アドバイザーさんも司会である私も、
ほとんど口出しせずに2人が考えた披露宴が実行された。
・・・と言うか、時間配分・JAZZの選曲・動きなど申し分なかったので、
アドバイスする必要もなかったのだ。
大人の洗練された披露宴だった。