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2006年04月23日

ジャズで綴るブライダル (石川 元)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

豪華な披露宴会場、円卓が並ぶ中央に配置された
グランドピアノ、サックス、ベース。
演奏を主体にした音楽葬ならぬ音楽披露宴とでも申しましょうか。
ご覧の写真のように会場中央に演奏者がいるのは異例です。
グランドピアノの奏者さんは固定(同じ方向を向き続ける事)になりますが、
サックスとベース奏者さんは、四方八方を向きながら演奏出来るので、
思い切って中央での演奏をお願いしました・・・と新郎・新婦。
これが意外に良くて驚きました。

 

新郎は某ホテルのキャプテン(葬儀で言うなら担当者)、
新婦は新郎の下で働くホテルスタッフの一員。
いろいろとこだわりがあり、ご自分の職場以外でのホテルを選ばれ、
挙式・披露宴を挙げられたのでしょうが・・・(勇気ありますよね)
演出は至ってシンプル。
お客様に素敵なJAZZを聴きながら美味しい食事を召し上がって頂く。
(これが第一目的)

更には、お客様のテーブルにも新郎・新婦の席を設け、
お色直し後は皆の卓を回り腰を落ち着けてお話をする。
すなわち後半は、メインテーブル(高砂席)は空席になる訳です。
そして、お客様から頂く歌やスピーチもなし。
ですから2人を誉める・称えるといった場面もありません。
ただJAZZの生演奏と共に・・・
ゆったりとした時間が流れるお食事が中心の披露宴になりました。
しかし、飽きない程度にポイントには定番の演出が組み込まれています。
お2人(プロ)が組み立てた進行は、新郎・新婦が主役ではなく、
お客様が主役であるような披露宴でした。

さて、この日は、新婦の誕生日。
こんな場合は、新郎が新婦に内緒でバースディーケーキやプレゼントを用意して、
披露宴の中で合わせて新婦の誕生日を祝う・・という演出もありがちです。
皆さんにもハッピバースディートゥ~ユ~~♪と
歌ってもらったり新郎が新婦に歌のプレゼントをしたり、
サプライズとして新婦を喜ばせる演出が多いのです。
もちろん、この2人もそんな演出は見飽きるほど担当したでしょう。
やはり「私は、特に目立たなくても・・・」と新婦の謙虚な発言。
そこで、スタッフ同士でサプライズとして、
ささやかな誕生会をプレゼントすることにしました。

サックスでのハッピーバースディー♪の演奏と厨房からの善意で運ばれてきた
誕生日おめでとうのプレート付の小さな一切れのバースディーケーキ。
私もさりげなくお祝いのメッセージをアナウンスしましたが、
新婦の目から喜びの涙が・・・
新郎には事前にお伺いを立てていたが、こんなに新婦が喜んでくれるとは思わなかった。
ささやかな演出にとどめたが、お客様からも大きな拍手がおこり、
スタッフ一同も仕事の手を休め一緒になって拍手を送っていた。

いい披露宴だった。
これほど何もしない披露宴を実行するのも勇気がいるもの。
相手がプロだからこそ、アドバイザーさんも司会である私も、
ほとんど口出しせずに2人が考えた披露宴が実行された。
・・・と言うか、時間配分・JAZZの選曲・動きなど申し分なかったので、
アドバイスする必要もなかったのだ。

大人の洗練された披露宴だった。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年04月23日 00:00

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