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2006年06月03日

「昔ながらの習俗の色濃い土地での葬儀司会」 (橘 貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

明治・大正・昭和を生き抜いた90代半ばの男性が
新緑鮮やかなこの季節に人生の幕を閉じられました。
葬儀司会を頼まれたのですが、菩提寺でおこなうということもあり
シンプルな司会をとリクエストがありました。


場所は、川崎。
川崎というと大都会というイメージですが、
地図上でみてもお分かりのように縦に長く、
麻生区、稲田堤あたりは東京と横浜に挟まれ、
ある意味発展が遅れてしまったところがあるのでしょう。

かえって昔ながらの風習が未だ残っているのです。
そうとは知らず、都会のホールで行う調子でご住職と打ち合わせをしたところ、
どうもご気分を少々悪くさせてしまったようなのです。

ときに、葬儀・告別式にあわせて繰上げ初七日もやってしまうことがあります。
そこで初七日も含めるかどうかを伺ったのですが、
その地域ではまず、そういうことはやらないそうです。
(付け七日という表現でしたが)従って通常こうした質問は出ないので、
そのことをわざわざ聞いたことに対し、不快感を抱かせてしまったらしいのです。
そんな失礼なことはしないというような発言があったみたいです。

葬儀スタッフから垣間聞いたところでは、
昔からの習俗色濃い土地柄なのだそうです。
代々土地持ちの家が多く、今でも自宅葬がほとんどで、
後はお寺、ホールを使うことは滅多に無いということです。

中には葬儀当日火葬場から帰ってきて、そのまま初七日をして
すぐに納骨をすることもあるのだそうです。
東京ではお墓がなく新しく購入する人も結構多いですから、
葬儀当日納骨したくても肝心のお墓がないということだってありえるわけです。
ところがこの地域は皆さん土地の方なので、
先祖代々の墓がすでにあるため、葬儀当日納骨可能なのです。

葬儀は、その土地独特のやり方があるので、
本当に経験値がものいいますね。
葬儀社の方にいろいろ教えてもらうことがあります。
現場の一つ一つが勉強です。
あまり決め込まないで、ニュートラルな状態で
仕事を行なった方がいいことを改めて感じさせられました。

現場は「いい葬儀をしよう」という思いでまとまっていたので、
とてもやりやすく皆様方には大変お世話になりました。
また担当の方が的確な指示を出してくださったので、安心して司会に臨めました。

お寺で葬儀が行なわれる場合、冬場は寒く夏場は暑いので大変です。
5月は季節もいいので安心していましたら、
お寺が緑に囲まれているせいもあり、けっこう蚊がいて刺されてしまいました。
カイカイ・・・・!!

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年06月03日 00:40

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