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2006年07月14日

女性スタッフ(レディ)向け、接遇研修会報告(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

初めての葬儀社様での「接遇研修会」。
数十人の営業部隊と自前のレディと外部の派遣レディの3種が、
それぞれに分かれて仕事をする葬儀社様。
かなり多くのスタッフが所属するとのこと。
もちろん初めから大勢いた訳ではないだろう。
例えばその途上で、会社側のビジョンや方向性、
又は、トップの考え方などをスタッフに直接刷り込みながら、
育ててきた経緯があればいいが…。
どうやら、それはないようだ。

しかし、普段から教育をしながら仕事もこなしながらというのは、
とても大変なことである。
余程の強力なリーダーがいればいいが、
多くの葬儀社様は、気がつけば大勢のスタッフを抱えて仕事はこなすものの、
全体の気持ちの統一やビジョンの徹底、顧客満足に向けた教育など、
出来ていないのが現実なのだろう。

研修会は、本来ならば社員の営業部隊の研修会が最初という気がする。
大元の社員の気持ちや、やり方の統一が無いまま、
女性スタッフにだけ研修をするというのは、その後が上手く行くのだろうかと心配だ。
レディさんが、せっかく覚えたことを現場でやろうとした時に、
「そんなこと、するな」という営業スタッフの一言があれば、
この研修会をやった意味が無い。
そのような意欲をそぐような発言の無いことを祈るばかりだ。

研修会の途中から、ちらほらと営業スタッフが顔を出す。
それも数人が出たり入ったりだ。
ちゃんと聞いているのだろうか…。
ご機嫌伺いのような参加の仕方なら来ない方がマシ。
こちら側も集中が出来ない。
私には分からないが色々な絡みもあるのだろうが、
とにかく今回は、まず女性スタッフだけの研修会と自分の意識を集中した。

その女性スタッフにしても、
気持ちもやっていることもバラバラな状態をどのようにリードして行こうか…。
私にとっては、久し振りの「とってもファイティングな」研修会だった。

この葬儀社様には少し前に、「教育研修課」という部署が出来た。
経営者の方も教育の必要性を感じたのだろう。
そこで教育の様々な仕事をしているSさんからの研修会依頼だった。
そして、とにかく厳しく話して欲しい。
どんどんやらせて、指摘して欲しい。
出来る、出来ないをはっきりと認識させたい…等のご要望があった。

第1回目の接遇研修会というのは、スタッフの様子も手探りだし、
接遇レベルも分からない状態なので、思うようには行かないのが通常だ。
講演会は話しだけをすればいいが、
研修会となると、実践的なことをしないと仕事にならない。
又、受講生も、どんな講師なのか斜に構えて様子を見ている。
(大体のスタッフは、私を第1印象で「怖い講師」と言う…)

これが何回か研修会を重ねて行くと、信頼関係が生まれて、
多少のキツイ話も受け入れてもらえるようになるが、最初はしょうがない。
「鬼講師」になって厳しいことを言って行く。
最初の数十分で、私も本気であることを伝えなくてはいけない。
スタッフのモチベーションをあげて、いい意味で挑発するためにも、
スタッフ相手に切り込んで行った。

午前中の2時間は、葬儀スタッフとしての立場役割から、
カウンセリングマインドなどの講義を現場の話に例えながらお伝えした。
午後は、接遇の実践に入った。
もちろん葬儀社様側も、将来的にはある程度の統一した接遇プログラムを作り上げて、
それと共に全員のレベルを上げて行くことを理想としている。
とにかく1回目は、実際にやっていただいて、助言をして…のくり返し。
普段どのように動いているのか、何をしゃべっているのか、
それが出来ているのか、何が問題なのか…という検証のくり返しが続いた。

研修会というのは、ある意味、普段隠れている様々な問題が噴出する。
日常では、リーダーたちも敢えてひとつひとつの問題を掘り下げていく
暇も時間も無いとのこと。
今回も、問題が出てくる、出てくる…。

ロールプレイングがスムーズに行ったものは一つも無かった。
しかしこれは正しいこと。
最初の研修会なのにスムーズに行ってしまう時には、
やっているフリや、ごまかしが存在することが多い。
この段階は、荒削りでいいのだ。
そしてスタッフの本性もあらわになる。
これも正しいことであり、まさにそれが「本気」ということ。
今更、そんなことに驚く私じゃぁない!
(どんなに激しいファイティングだったんだか…by工場長)

スタッフの心身の中に、相当のメタンガスがたまっているようだ。
勝手が分からない初めての研修会の中、
受講生が様々なコトを言い過ぎる場面もあり、私も困惑したが、
それはそれで、問題に対しての熱い思いの裏返しと解釈したい。
このガスは今回だけでは出し切れなかっただろう。

葬儀の現場ではまずは「お客様第一」。
社員や派遣スタッフの気持ちなど、放っておかれるのが現実だ。
そしてそれはどこの葬儀社でも似たようなもの。
仕事は出来て当たり前の世界。
現場でやっていることを「褒めてもらいたい」なんて贅沢な話だ。
しかし、人間は誰でもが自分を認めてもらいたい。
「ちゃんとやっているね」「いつもお疲れ様」と言葉をかけてもらいたい。
多分そんなこんなのフラストレーションが、一気に小爆発したのだろう。(たぶん)
いいガス抜きだったと思う。
そして会社側もそれに気づいた、いい経験だったと感じる。

最初の接遇研修会というのは、
スタッフ全体にその意義やこれからの会社の方向性と、
何故今、接遇研修会が必要なのかというトップの理念が徹底通達されていれば、
非常にスムーズに進む。
しかし、いきなりだった時に戸惑うスタッフは多い。
その戸惑いの風をまともに受けるのは、講師の私だ。
葬儀スタッフにだって、
「今まで何年も自分のやり方で頑張って越して来た」という自負がある。
それはいい意味で自分に対する自信だし、大切なプライドだ。
社員だってレディだって誰だって、
目の前で行なわれていることに納得しなければ、前になんか進めない。

今回の接遇研修会は、そんなスタッフ達の思いに気づき、
どうにか良い方向に軌道修正したいという、
教育研修課Sさんの一途な思いが実現させたのだ。
「アッパレ!」
こういうリーダーがいる葬儀社様は、本当に幸せだ。

人の気づきが人を変える。
長い目で見れば、スタッフが変わることが、葬儀のお客様を大切にすることに繋がる。
そして間違いなく「地域ナンバー1」に繋がる。
遠いようで一番の近道だ。
これからSさんは、道無き道を歩くことになるだろうが、
どうかスタッフ一人一人と向き合い、
葬儀スタッフ達の心を揺り動かして行って欲しい。
「必ず出来る!」
私は信じています。
そして応援します。頑張りましょう!

(「6時間30分一本勝負」の気が抜けない研修会だったものですから、
写真を撮る機会がございませんでした。悪しからず…)


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2006年、加藤直美が“やさしく”弾き語る、
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年07月14日 00:07

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