愛知県の葬祭団体の、今年度接遇研修会「全4回」の最終回だった。
この団体は毎年5月頃に、本部会議室で「初級研修会」と名づけられた、
葬儀接遇の基本を学ぶ研修会がある。
ここにはベテランも1度は参加するように促される。
何度も来る熱心なスタッフもいる。
そして他に3回、県内の各ホールをつかって、
実際の葬祭ホール接遇を学ぶ「葬祭ホール・ロールプレイング研修会」が計画される。
この数年は、真宗大谷派の葬儀進行で模擬葬儀台本を作り、
その中でスタッフが出来なくてはならない「接遇パターン」の全てを
身につけるための研修会になっている。
「初級研修会」で習った基本を今度は実際のホールで応用として学ぶ。
この形は、本当に理想の研修会だと思う。
ここまでの道のりは長かっただろう。
事務局スタッフの皆さんの多大なるご尽力の賜物と思う。
スタッフの皆さんは、
地域に根ざしたこの葬儀団体の、典型的独特の雰囲気をもった方々だ。
近年は若い男性も女性もいるが、まだまだその中心になるのは「中年の殿方達」。
研修会を始めた頃は「どうなることか…」と私も頭を悩ませたことを覚えている。
葬儀接遇の、出来ていないことを(本当のことを)告げてもいいのだろうか…。
その方が今までやってきたことへのプライドを、
傷つけることにはならないだろうか…等などと躊躇しながらも、
私は結局、結構はっきりと言いたいことは指摘していたのかも知れないが…。
接遇講師として、上っ面のコトだけを言い、いい顔だけして帰ることは、
本当の意味でスタッフのためにはならないし、
「講師としてイイ仕事をしている」とは思えない。
はっきりと厳しいことを言ったら、
それだけフォローすることも忘れない術を身につけたのは、
多分この葬儀団体の研修会だった。
「厳しい先生」「はっきりと物事を言う先生」という名前を戴いたのも、
この団体が最初だった。
すでに何年も研修会でお世話になっているので、ほとんどが顔見知りである。
女性スタッフからは、仕事上の悩みなども打ち明けられるようになった…。
長いこと取り組んでいると、少しずつ変化が見られるものだ。
今年は、その典型的独特の雰囲気をもった中年の殿方達が、
すごく頑張っている様子を垣間見た。
色々なことがとても良くなってきている。
接遇の見た目もよくなり、研修会への取り組み方も前向きになってきた感がある。
私は研修会の中で上手に出来たことは、思いっきり褒める。
褒められることは、誰もが、いくつになってもうれしいことだと思うから。
そして又明日から頑張れるビタミン剤にも匹敵すると思っているから…。
スタッフが接遇の様々を出来るようになるのを見ることは、
講師としても最高の幸せである。
この団体のリーダーの一人S氏の、仏具の講義も導師役も見もの。
随所に読経を入れながらスタッフの動作を検証する、
臨場感たっぷりの模擬葬儀は、誰もが手に油汗にぎる緊張の時間だ。
そして、いつも私の宿泊の手配やホテルからの送り迎えなどをお世話くださるI氏は、
模擬葬儀の喪主役が様になっている。
焼香案内のタイミングや、スタッフの立ち位置など感じたことを
ストレートに言ってくださる。
そしてもうひとりのS氏は、
友人代表者役として「弔辞サポートのスタッフ訓練」をお手伝いくださる。
又、備品の調達には他のスタッフの皆さんが、
毎回、棺や受付準備品をホールまで運んでくださる。
「広い愛知県の中を 本当にお疲れ様です!」
ひとつの研修会を開催するために、多くの方のご尽力を戴いている。
それを見る受講生である葬儀スタッフ達もきっと「私も、頑張らなくては…」と
心に誓っているはずだ。
今年も本当にお疲れ様でございました。無事終了を心から感謝いたします。
ありがとうございました!