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2006年08月02日

管理職・担当者向け「接遇研修会」 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

初めて伺う葬儀団体で「管理職・担当者向け接遇研修会」が行なわれた。
総勢40名程の参加者を、前半と後半の2グループに分け、
接遇の「初級」と「中級」で行ないたい、そしてテキストも、
「初級」と「中級」に分けて作って欲しいとのご要望だった。

 

「初級」といっても、何を入れるかが難しいところだ。
これは事務局の方ときちんとした打ち合わせをしないと失敗する。
「初級」の定義が、皆さんそれぞれに違うことが多いからだ。
今回は、ビジネスマナーの初歩から入れて欲しいというお話だったので、
「きっと、担当者研修会といっても、新人さんもいるのだな・・・」と私は察した。

前回このエッセイにも書いたが、この業界は、
新人の内に接遇の研修を受けるチャンスがなかなか無いということもあり、
「仕事とは何?」というあたりから、
「社会人としての行動」や「周りのスタッフとのコミュニケーション」など、
きちんと勉強していない方が多いようである。

先輩や上司もそういったことを知らずに仕事をしていると、
新人の方は非常に迷うことが多いのではないかと、私はいつも心配している。
そういう意味では、ある程度の経験がある方々も、「初級」の研修を受けたことで、
さらに初心に戻り、心を新たにして下さったのではないか・・・と思う。

敬語、電話応対、クレーム対応、喪家自宅訪問の仕方を含めた、
名刺交換などの実践と、葬儀接遇の7つの動きでは、立ったり座ったり・・・。
あっという間に予定の時間がやってきた。

今回の研修会は、トータル3時間15分という限られた時間を、
「初級」「中級」の二つに分けて実施して欲しいということだった。
そして、座ったままの講義ばかりではなく、
実践できるものを多く入れて欲しいということも希望された。
短い時間の中であれもこれも・・・という感じだが、講師としての腕の見せ所。
私が張り切らないわけがない。

テキストに載せた内容は、持ち帰って勉強できるように、
1日研修会の6時間でもやり足りないほどの内容だ。
短い時間の中で、研修を受けた実感も持ち・・・という難しいパターンだったが、
綿密な時間配分をして臨んだ。

そして後半の「中級」は管理者中心の研修会だ。
こちらの受講生は、さすがに最初からの取り組み方が違った。
皆さんはじめから顔が上がっていて、目の色が違う。
私の話の要所をメモに書き取る様子も、
先ほどの初級の方々とはレベルが違うと感じた。

「中級」の内容は、初めから葬儀スタッフとしての専門性を前面に出したので、
興味深かったのかも知れない。
葬儀スタッフの心構え、葬儀社の意義と役割、グリーフカウンセリング・・・等。
接遇の動きも、2人1組になっていただき、どんどんこなした。
受講生の皆さんは、日頃管理者としてのご苦労も多いと思う。
そして現場スタッフへのご指導なども、なさっているとのこと。
こうしてリーダーが実際の研修会で、接遇の様々を実践するということが、
スタッフ達へのいい影響につながると、私は感じた。

しかし、ひとつだけ気になることがあった。
「初級」の研修会がはじまる時から一番後ろで机にうつぶせて寝ている若者がいる。
その手元にはテキストすら置いてない状態。
泊まり明けかも知れない・・・。しかし寝てしまう位辛いのか・・・。
何をしにここに来たのだろう・・・。何を考えここにいるのだろう。
日頃どんな仕事をしているのか、また、どんな環境にいるのか・・・。
葬儀の仕事をどう思っているのだろう・・・と、私は胸の中で考えていた。

これはたった一人の若者の個人的な行為かも知れないが、
その寝ていることを会場にいる周りの大人が誰も注意しないという現実・・・。
もしかしたら、そこに全体の大きな問題が隠れているかも知れない・・・。
そうであって欲しくはないが、日常茶飯事の風景なのか?
慣れっこになっているのか・・・。
大人として、社会人として、やってはいけない態度は、
その時に言葉にして伝えないと相手は気付かない。
私は、その若者の所まで行き、
「さあ、テキストをもらって机の上に置きましょう」
「少しシャキッとしよう」などと伝えて講義を続けた。
研修が進むにつれて、立ったり、座ったり、
答えを要求されたりと、寝ているわけにはいかくなったようで、
最後にはその若者からも笑顔が出てきてホッとした。
「鉄は熱いうちに打て!」
この若者にとっての人生は、今がすごく大事!と感じる。
これからの皆さんのご繁栄を心から祈ります。
お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年08月02日 00:01

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