2級の実技筆記に、
「最近、お葬式の代わりに【お別れ会】をすることがあると聞きました。
お別れ会は、お葬式とどう違うのでしょうか。」
という問題があります。
「お別れ会」といえば、白木祭壇が無い、お経が無い…等、
宗教色の薄い葬儀という印象があります。
一方で、花祭壇や献花など花を多く使用したり、
好きな曲や思い出のビデオを流したり、
自由な形式で葬儀をおこなうという印象があります。
かつて私もそうでしたが、
普通の人は、そのようなイメージで「お別れ会」を理解しているかもしれません。
しかし、葬祭ディレクターとしての返答は、
そのような曖昧な情報提供では許されそうに無いみたいです。
(当然か…)
まず、弊社テキストの解説ではこう切り出しています。
「本来お葬式とは、葬儀と告別式という二つの儀礼から成り立っています。」
確かに、一般的に葬儀では【故○○様 葬儀・告別式】と、
看板が立っていることが多いですね。
でも、普通の人は、どこまでが葬儀でどこからが告別式なのか、
その境界線を意識している人は少ないと思います。
解説をつづけます。
「葬儀は死者をこの世からあの世へ引き渡す[宗教儀礼]であり、
告別式とは会葬者が遺族に慰めの言葉を寄せ一人一人焼香
または献花をして死者に別れを告げる[社会儀礼]です。」
なるほど。
死者に引導を渡すまでが葬儀、
引導以降の焼香・故人との別れが告別式、ということでしょうね。
お寺さんが引導を渡し終えるポイント(つまり、お経が変わるポイント)が、
葬儀と告別式の境界線でしょう。
余談ですが、司会者はお経を覚えなければならないと、
司会セミナーでもよく言われることです。
焼香案内のタイミングを計るため、ということも理由の一つでしょう。
引導は、葬儀において最も重要なシーンだと思います。
その引導中に間違って焼香案内…なんてミスは許されません。
話を戻しましょう。【お別れ会】の解説の続き。
「お葬式は違う二つの儀礼が同時進行していますが、
現代は宗教儀礼である葬儀よりも、告別式の方に比重が高まりつつあるようです。
そういう意味で[お別れ会]とは、告別式の形態が現代風に変化したものと
見ることもできるでしょう。」
これで、解説は終わりです。
簡単に纏めると、
一般に“お葬式”といわれるもの・・・【宗教儀礼(葬儀)】+【社会儀礼(告別式)】
“お別れ会”といわれるもの・・・【社会儀礼】
という違いでしょうか。
お別れ会には、概して【宗教儀礼】が無いから、
宗教色が薄いという印象があったのでしょうね。
へぇ~。へぇ~。
さすが、葬祭ディレクター。
こんな風に、説明を受けられると良いですね。
<余談>
お経の話しが出たので、工場長の疑問を一つ。
なぜ、お経は外国語で読まれるのでしょう。
そして、葬儀でそれを黙って聞いている日本人…。
現代の人で、あのお経を理解できる人はごく僅かでしょう。
(昔は違ったでしょうが。うちの祖母は、毎晩般若心経読んでいたし。)
日本の葬儀では、日本の言語を使うべきでは?
欧州の葬儀ではキリスト教がメインだと思いますが、
核となる文句はヘブライ語で読まれたりするのかな?
うーん。疑問。
<余談2>
疑問繋がりで、2日の19歳亀田のボクシング世界王座戦。
なぜ勝ってしまったのだろう…。疑問というか、不思議。
ま、世間では批判的な議論が吹き荒れておりますけど。