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2006年08月05日

葬祭へぇ~ その5 (工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬祭ディレクター技能審査。
その設問を見ていると「へぇ~」と思わせるものも多い。
葬儀において「なんでだろう?」と思っていたことも、
葬祭ディレクターの問題として取り上げられていることもある。
(現場離れしていない問題は、良問!)

そんなわけで、葬祭ディレクター技能審査の設問において、
ちょっと気にかかった「葬祭へぇ~」をゆるい感じで紹介していきたい。
(実際の設問とは全く切り離してエッセイを書いております。
 その点、ご注意下さい。あくまで、工場長の「へぇ」です。)

今回は、その5。「お別れ会」に関すること。

2級の実技筆記に、
「最近、お葬式の代わりに【お別れ会】をすることがあると聞きました。
お別れ会は、お葬式とどう違うのでしょうか。」
という問題があります。

「お別れ会」といえば、白木祭壇が無い、お経が無い…等、
宗教色の薄い葬儀という印象があります。
一方で、花祭壇や献花など花を多く使用したり、
好きな曲や思い出のビデオを流したり、
自由な形式で葬儀をおこなうという印象があります。
かつて私もそうでしたが、
普通の人は、そのようなイメージで「お別れ会」を理解しているかもしれません。

しかし、葬祭ディレクターとしての返答は、
そのような曖昧な情報提供では許されそうに無いみたいです。
(当然か…)

まず、弊社テキストの解説ではこう切り出しています。

「本来お葬式とは、葬儀と告別式という二つの儀礼から成り立っています。」

確かに、一般的に葬儀では【故○○様 葬儀・告別式】と、
看板が立っていることが多いですね。
でも、普通の人は、どこまでが葬儀でどこからが告別式なのか、
その境界線を意識している人は少ないと思います。
解説をつづけます。

「葬儀は死者をこの世からあの世へ引き渡す[宗教儀礼]であり、
告別式とは会葬者が遺族に慰めの言葉を寄せ一人一人焼香
または献花をして死者に別れを告げる[社会儀礼]です。」

なるほど。
死者に引導を渡すまでが葬儀、
引導以降の焼香・故人との別れが告別式、ということでしょうね。
お寺さんが引導を渡し終えるポイント(つまり、お経が変わるポイント)が、
葬儀と告別式の境界線でしょう。

余談ですが、司会者はお経を覚えなければならないと、
司会セミナーでもよく言われることです。
焼香案内のタイミングを計るため、ということも理由の一つでしょう。
引導は、葬儀において最も重要なシーンだと思います。
その引導中に間違って焼香案内…なんてミスは許されません。

話を戻しましょう。【お別れ会】の解説の続き。

「お葬式は違う二つの儀礼が同時進行していますが、
現代は宗教儀礼である葬儀よりも、告別式の方に比重が高まりつつあるようです。
そういう意味で[お別れ会]とは、告別式の形態が現代風に変化したものと
見ることもできるでしょう。」

これで、解説は終わりです。
簡単に纏めると、
一般に“お葬式”といわれるもの・・・【宗教儀礼(葬儀)】+【社会儀礼(告別式)】
“お別れ会”といわれるもの・・・【社会儀礼】

という違いでしょうか。
お別れ会には、概して【宗教儀礼】が無いから、
宗教色が薄いという印象があったのでしょうね。
へぇ~。へぇ~。
さすが、葬祭ディレクター。
こんな風に、説明を受けられると良いですね。

<余談>

お経の話しが出たので、工場長の疑問を一つ。
なぜ、お経は外国語で読まれるのでしょう。
そして、葬儀でそれを黙って聞いている日本人…。
現代の人で、あのお経を理解できる人はごく僅かでしょう。
(昔は違ったでしょうが。うちの祖母は、毎晩般若心経読んでいたし。)
日本の葬儀では、日本の言語を使うべきでは?

欧州の葬儀ではキリスト教がメインだと思いますが、
核となる文句はヘブライ語で読まれたりするのかな?
うーん。疑問。

<余談2>

疑問繋がりで、2日の19歳亀田のボクシング世界王座戦。
なぜ勝ってしまったのだろう…。疑問というか、不思議。
ま、世間では批判的な議論が吹き荒れておりますけど。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年08月05日 00:24

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