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2006年08月06日

担当者に「叱咤激励」を送る(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先日女性スタッフ向け研修会が行なわれた葬儀社様で、第2回目の研修会があった。
当初は女性だけでの研修会が企画されたが、
研修を進めるに従い、大元の社員の意識ややりかたも様々で、
社員の意識が変わらないことには、全体が良くなって行くことは難しいと判断された。
そこで今回は、1回目に参加した女性スタッフと派遣レディに加えて、
ほとんどの男性社員にも召集がかかった。
もちろんテキストも担当者用に作り直した。
そして当日、葬儀接遇の実践研修の前に、
「担当者として、葬儀スタッフとしての意識改革を目指した講義」
に多くの時間を割き、担当者自身に語りかけるような文章も多く取り入れた。

そのガイダンス部分は、
① 今、大きく変化しているものは?
② 葬儀社側に必要なものは?
③ お客様は、どうして欲しいと思っているのか
④ 理想の葬儀スタッフ像
⑤ あなたが、大切にしているものは? という講義からはじめた。

今、大きく変化しているのは「お客様の意識」である。
そして葬儀社側が旧態依然としたやり方をしている場合、
お客様との意識のズレは大きい。
会社が変わるには、ひとりひとりの社員・スタッフが変わること以外に無い。
そして同じ位に若いスタッフの気持ちも変化している。
若いスタッフを教育し育てて行く時に、
まずは先輩・上司が変わらないと、それも難しい。
今、本当に個人レベルでの成長が、葬儀スタッフにも求められる時代になった。

担当者として、現場でのチームワークを整える能力は必須である。
現場のリーダーは、サポートスタッフがよりよく仕事が出来る環境を作る責任がある。
葬儀全体のプロデューサーは、紛れもなく担当者だ。
葬儀全体は、担当者の色に染まるといっても過言ではない。
葬儀スタッフのモチベーションが、上がるのも下がるのも担当者次第である。
それから、担当者の顔色を伺うようなスタッフを作ってはいけない。
担当者がいつも言うことが違ったり、個人的な気分を持ち込んだり・・・。
現場でそんなことをしていたら、周りの人はついてこない。
それに本人だけが気付いていない。
早く目覚めること。周りが迷惑していることに早く気付くこと。
又そういう社員には、上司がきちんとした行動を起こし指導出来なければいけない。

「顧客満足」を考える前に、まずスタッフの仕事環境を整える必要がある。
「従業員満足」である。
そういう意味で、会社はプラス的なエネルギーに満ちていなければいけない。
精神的にも、肉体的に辛い仕事でも、一旦会社に戻れば、
それぞれがねぎらい、いたわり合える環境が必要だ。

ところが、何かの失敗をいつまでも言われていたり、
出来ないからといってはじめから人間を否定するような言葉を投げかけられたり、
言葉の暴力、男女差別・・・。
こんなマイナス的なエネルギーが満ちていたとしたら、
人はそれだけでものすごく疲れる。

ある意味、会社という場所は、ベースキャンプのようなもので、
全員の居場所であり、全員が認めてもらえる場所であるべき。
そこに戻るとエネルギーが満たされて、前向きになれるような場所。
楽な気持ちになれる仲間がいて、本音が出せるホーム(家)のような存在だ。

もちろん仕事には忍耐も必要だ。
辛いことも我慢することは、大人として、社会人として、
お給料を戴いているものとして当たり前のこと。
しかし、ふっと肩の力を抜いて気持ちを吐き出すことは人としてすごく大事だ。
葬儀スタッフが、いい意味でリラックスすることがなぜ必要かと言うと、
我々の目の前にいるお客様は、マイナス的なエネルギーしか持ち合わせていないから。
その方々をサポートするスタッフ側は、
少しでもプラスのエネルギーを蓄える術を見つけなければいけない。
それを上司や先輩、同僚などとの、
コミュニケーションから得ることができたら素晴らしい会社だ。
大体はどこの会社にも、ムードメーカーな人がいて、
その人の周りにいつも人が集まるものだ。
出来れば上司や先輩、現場のリーダー達がそういう役割を担う必要がある。

研修会の午後には、共通の接遇プログラムを作る実践研修会が行なわれた。
葬儀スタッフの中にも、自分の「こだわり」がある人は多い。
それはとても素晴らしいことでありプロとして必要なことだ。
ある程度の接遇基本を身につけて、お客様や周りを大切にする「接遇理念」があれば、
あとは自然体の自分の形になって行くのが一番好ましい。

しかしこの「こだわり」を他人に強要したり、押し付けたりしてしまった時、
それは単なる自己満足、自己中心的なやり方になってしまう。
大体このような時、言い訳としてそのスタッフは、
「相手が、そう思っていると思った」とか「そういう風に見えた」という。
相手がそう思っていると思ったのは自分。
そういう風に見えたのも自分だ。
「あなたはどうしようと思ったのですか?」
「お客様が、そのようにおっしゃったのですか?」
「言葉で、確認をしましたか?」
などという私からの質問を繰り返しながら、本音が行き交う熱い研修会になった。

これからどれだけ成長して行くかは、この研修会で学んだことを、
どれだけ自分のこととして、向き合い、実践して行くかにかかっている。
そして、迷える社員やスタッフ達をどれだけ部課長クラスが親身になって向き合い、
支えることが出来るかだとも思う。
全員がひとつになり、少しずつでも変わって行けたら、
近い将来、素晴らしい葬儀社になるだろう。

成長する人は、
*素直であること 
*自分の殻をやぶれること 
*プラス志向なこと 
それは誰にでも可能性があり、年齢に関係なくそうなろうと思えば変わって行けるのだ。
皆さんを応援しています。
大変お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年08月06日 00:02

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