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2006年08月31日

都盲連の音楽教室(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

東京都の盲人協会支部からのお誘いで、7月から9月まで、
月1回の3回コースで、ミュージックセラピー教室が開催されている。
先日その2回目があった。
今までも多くの障害をお持ちの方々と、音楽の時間を持たせていただいているが、
目の不自由な方との教室は初めてだった。

それぞれの方に様々な事情と、その症状がある。
しかしそれぞれの方が、前向きで、心はもしかしたら私たちよりも健康だ。
暗闇の世界という日常が、私には分からない。
皆さんはその中で「日常を生きて」いる。
そこに健聴者が感じるような同情や憐れみは、かえって失礼なことになる。
私が音楽を通して、障害をお持ちの方とご一緒する時は、
極力普通に接するよう努力している。

全3回とも、前半は生活訓練事業といって、
何か勉強になるものをやって欲しいとのことだった。
打ち合わせでは、音楽に関することで、
何か知りたいことや、やってみたいことをお尋ねした。
又、歌詞をどうするのかということについても詳細に打ち合わせた。

1回目の教室では、「音について知りたい」・・・
というリクエストから講義させていただいた。
音には「調」があって、その中にも「短調」と「長調」があり、
又その中での「転調」の話しもした。
ひとつの歌を様々な「調」で弾き、歌い、上に転調するとこうなり、
下に転調するとこうなり・・・ということを音や言葉で説明をした。
皆さんは本当に熱心に聞き入ってくださった。
私が気をつけたことは、はっきりと言葉を届けること。
ゆっくりと伝えること。
活舌よくしゃべること・・・。
司会の勉強と同じだ。

2回目の講義は、「声について知りたい」というリクエストにお答えした。
私が得意な、ボイストレーニングを取り入れた。
声を出すには「身体」を知ること。
身体を楽にすること、呼吸をしっかりとすること、声を前に出そうと努めることなど。
実際に、呼吸法をしたり、身体をほぐしたり、実践していただいた。
その中で、身体が硬い方が多いような気がした。
気持ちを張っているというのか、やはり緊張した中での生活が多いというように感じた。
肩を揺らしたり、息を吐いたり、歌う前にたっぷりとトレーニングさせていただいた。

そして後半は、1回目も2回目も1時間あまりをたっぷりと歌う時間にあてた。
前もっての準備で、15曲あまりの歌いたい歌をピックアップしてあった。
いい日旅立ち、岬めぐり、ビリーブ、風、浜辺の唄、浜千鳥、夕焼け小焼け、
みかんの花咲く丘、グループサウンズメドレー、ヒットパレード、涙そうそう、
三百六十五歩のマーチ、小さな世界、真夜中のギター、川の流れのように等である。
これを当日には、メンバーの方が歌詞集に作ってくださった。
弱視の方用に大き目の文字で作る歌詞集と、全盲の方用には、点字の歌詞集だ。
点字で作るキットがあって、それで素早く作るらしい。
バインダーになっていて、立派に出来上がった歌詞集は、これからも使える財産だ。

メンバーさんによっては知らない歌もあるが、
1,2度ピアノを弾いてご指導すると、すぐに覚えてしまうのには驚いた。
聴覚が素晴らしく発達しているのだ。
歌も皆さんが上手である。
そして何よりも、大きな声で精一杯歌う姿がとても印象的だった。
男性と女性が半々なので、歌のキイには気をつかったが、
懐かしい歌を楽しんでくださったようだ。
そして急なリクエストには、「前読み」で」対応した。
歌詞を少し前に読んで、それを聞きながら歌うという方法だ。

最後には、私にソロのリクエストをくださった。
涙そうそう、時代、花、60年代歌謡曲メドレー(恋のバカンス、グンナイベイビー、
白いブランコ、ブルーライトヨコハマ、恋の季節・・・)などを歌わせていただいた。
9月の末にもう一度この教室がある。
今度は、秋らしい歌をプレゼントしようと心から楽しみにしている。


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また、試聴されます方は、下のボタンをクリックしてください。
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年08月31日 00:00

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