彼女たち司会者の目下の悩みは何と言ってもナレーションに関すること。
取材のコツ、素材の見極め方、作り方、そして読み方(表現力)etc。
受講者の中には、過去に何度かお会いした方もいる。
現在全国の葬祭ホールで、男性司会者ならともかく、
女性司会者でナレーションをやらない人は珍しくなったのでは。
ましてやプロ司会者ということであれば、ナレーションは切り離せない。
だからどうしても目先の業務を考えて、ナレーション絶対主義に陥りやすい。
しかし、ナレーションと同じ結果を導くことが出来る演出ツールは多く存在し、
また司会という枠の中で限定しても、他の方法だってあるのだ。
例えば葬儀進行アナウンスの重要な要素は、「場を引き締める」ということ。
さらにはアナウンスの質によって緊張感を持続することさえ可能であるのに…。
ご存知のように、今や葬祭演出のツールはナレーションばかりではない。
遺品展示のメモリアルコーナー、思い出の写真パネル、映像演出…。
弊社FUNETの11枚の連続パネルやDVD映像や追悼文等もこの部類。
しかし私が思うに名古屋の葬儀社は、(独断と偏見ですが)
女性司会者によるナレーションを演出ツールとして重んじている会社が多いようだ。
今回の依頼内容が、極端にナレーションに偏っていたので致し方ない。
一日の大半をナレーション素材やその作り方、表現力についての講座となった。
では、アナウンスとナレーションを比較してみよう。
①表現の多様性は、ナレーションが勝る。
②感情の振り幅は、ナレーションの方が大きい。
③情報伝達の精度は、ややアナウンスが勝る。
一番大きな違いは、ナレーションは目的のバリエーションが豊富で、
より高いテクニックが求められるということか。
そして原稿の質、読みのテンポ、間、読み手の個性も重要だ。
今回皆さんにお伝えしたのは、より具体的なイメージを持って表現すること。
そのためには、原稿の文章表現も多彩であるべき。
桜が咲いた。
桜が、咲いた。
…桜が咲いた。
桜が咲いた…。
サクラが咲いた。
サクラが、咲いた。
これらの文章は、全てイメージが違う…よって表現も異なる。
端的に言えば、これがアナウンスには存在しないナレーションの特徴だ。
私の講座では、アナウンスを中心とする表現方法を「アナウンス表現」とし、
ナレーションを中心とする表現方法を「司会表現」としている。
上記の文章は、「司会表現」でこなすものだが、
その理論をアナウンス…例えば開式や閉式の文言…にまで活用することもあるし、
ちょっとしたコツが理解出来れば、弔電の読み方がガラリと変わってしまうことも。
表現の深度は文章や声だけに頼るのではない。
ある種…虚実の狭間にある、非日常的な表現とでも言えばよいか、
読み手によって感情が凝縮された時間の創出が不可欠で、
それが聞き手のイメージを喚起させ琴線に触れるものである。
あまり具体的に書き込むと受講された方に怒られそうなので自重するが、
一つ例を挙げるなら、プロのナレーターの「間」は想像以上に長い。
しかし全体が間延びすることは無い。
ということは、文章の読みの速度はかなり速いということ、
しかもその速さを感じさせないだけの「言葉の切れ味」がある。
繰り返しマイクリレーをしたので、かなりの方が目の前で上達していった。
一応の目的を達することが出来たのでホッとしたが、
口跡に影響を及ぼす基礎練習の大切さを痛感されたはず。
そして5年先を見越した場合、ナレーション一辺倒の派遣業者は辛いかも…
最後にそんな問題提起をさてせいただき、とりあえずIT化を勧めたのだが。
聞いた話で?と思ったこと。
導師控え室でお茶を飲んだにもかかわらず、導師入場後の祭壇の前で、
再び導師にお茶をもてなす習慣が残る地域があるらしい。
もしかして、導師はお茶を飲みに来た…って、そんなわけないよね。
司会者がとてもタイミングが取りづらいと相談されたが。(そりぁそうだろう)
どうしたものかなあ…いっその事、引導後や読経終了後にも嫌がらせのように出すか。
それか10分間隔で、タイムテーブル代わりに出す?
湯飲みに10分茶、20分茶、30分茶等と時間を入れるのも面白い。
時には、宇治茶、八女茶、狭山茶、静岡茶などの産地銘柄当てになってたり、
駿河園、伊藤園、ハラダ製茶、○○園などの返礼品メーカーだったり、
たまにふざけて加藤茶なんてのも受けるかも。
馬鹿でスイマセン、これがホントの無茶苦茶…うまい!
一年前にお会いした方で、かなり上達していた人がいた。
K木さん、上手くなりましたねえ。
素直な性格と我が道を行くタイプが同居した世界観を持っているのも面白い。
声にも聞き手を惹きつける色気があるし、存在感のあるいいナレーターになった。
研修の中で、こういう成長した場面に出くわすのは嬉しい限り。
他の方たちも一年後…楽しみにしたい。
皆さん、頑張ってくださいな。
<お断り>
今回、美女軍団の写真を撮り忘れるという失態を演じたワタシ。
スマン。
ホントに忘れたのかって?
他意はございませーん。
<割り込み>
2005年に発売した「葬儀司会音声トレーニングCD」の販売数が、
大台を突破したと聞きました(パチパチ~)。
K氏の地道な販売促進には感謝が尽きません。
<収録総トラック数:26 定価:29,400円>
発声練習から弔電、1月~12月までのナレーション、核となるメイン文章を網羅し、
一通りの司会術基礎を身につけられる構成になっております。
全体的な文脈に、女性指向の優しいエッセンスも数多く織り込んでおります。
また、今年発売した「珠玉のナレーション作品集」も、
順調に売り上げを伸ばしているそうです。
<収録総トラック数:83 ハンドブック付 定価:68,250円>
いわば「葬儀司会音声トレーニングCD」のアップグレード・バージョン。
価格も高いですが、収録トラック数が3倍以上になっています。
特に「エモーショナルなナレーション技術」の向上に特化した商品です。
付録のハンドブックと併せて、司会技術の向上に役立つよう設計されています。
詳細・お申し込みは、こちらからできます。
余談ですが、懐かしのDJ☆KIMIKOの宣伝フラッシュを聞きたい方は、こちらから。
最後に、FUNETの音声ライブラリ。
人気コンテンツの一つである、司会のEラーニング音声教材です。
今月は19個の音声トレーニングを新たにアップしております。
(FUNETの音声トラックは常時100程度ご用意されています)
サンプル視聴もありますので、ご興味のある方は是非。
サンプル視聴は、FUNETホームページより。
音声ライブラリ9月プロローグサンプル視聴NEW!をクリックしてください。
<お知らせ>
綜合ユニコム様主催、この秋の研修予定。
9月11日 接遇・セレモニーアテンダント (現在16名)
10月3日 司会・ベーシック講座 (現在10名)
10月4日 司会・キャリアアップ講座 (現在8名)
※参加予定者は8月末現在の状況です。
詳細については、左のメニューより「最新情報!」をご覧ください。
接遇講座も司会講座もどちらも実務研修ですから、講座のクオリティを維持し、
個々の参加者の研修時間を確保する目的で、定員締め切りでお願いしてあります。
早めの予約をご検討ください。