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2006年09月15日

次代を担う、ニューリーダー (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ある葬儀団体主催の新人スタッフ向け教育研修会が開催された。
葬祭部門に入って数ヶ月の新人さんたちが集まった。
私は、新人向けの様々な講座が2泊3日の行程で組まれている中の、
3日目最後の講義「葬儀接遇講座」で講師をさせていただく。
今回は18名ほどの新人葬儀スタッフが全国から集まってくれた。

私は新人スタッフの研修会が好きだ。
新人のモチベーションを上げるべく、様々な経験談や私の想いを入れる。
「葬儀という仕事は、素晴らしい仕事である」
「業界が大きな変化を求められている今、
全国でやる気いっぱいのスタッフ達が増えている」
「大変な仕事ではあるが、これから花形商売となって行くだろう」など等・・・。
多分に私見もあるが、将来への希望や展望・夢などを、
時間がある限りなるべくたくさん語りかける。
受講生にはプラス言葉のシャワーを浴びせて、
いかに元気になってもらうかが私の狙いである。



さて、新人向け研修会の受講生は、大きく分けて3タイプが存在する。
①上司や会社に「行け」と命令されて、
自分は勉強したいワケでもないのに仕方なく研修会に来ているタイプ。
こういうタイプはやる気がないのが見え見えである。
「まだ、新人なので・・・」とか
「やったことが無いので・・・」
「現場を知らないので・・」と言い訳をする。
どちらかと言えば講義全部に対して否定的、後ろ向き、消極的・・・。
これからサービス業者として羽ばたく人として、
私はその後の受講生が心配でしょうがない。

②次に、やる気があるのか・・・無いのか、捉えどころのない、
どちらともいえない微妙な位置にいるタイプ。
無難にこなし、言い訳もしない。

③最後に、研修会に志願して来たタイプ。
このタイプは、講義が始まった朝から顔つきが違う、目の輝きが違う。
しっかりと講師の私を見て、よく聞いてメモをとる。
やったことが無いことでも、現場を知らなくても行動しようと努力する。
過去のキャリアの上に立って、さらに新しい世界でチャレンジを惜しまない、
肯定的、前向き、積極的。
共にいて心底気持ちが良い。



そして最近は、3つ目のタイプが増えてきていると感じる。
講師として、様々な受講生との出会いの中でこれほどうれしいことは無い。
若い方も増えた。そして元気で明るくリーダー的な存在である。
その中で今回は、私と同年代のお二人の男性が印象的だった。

お二人とも過去には様々な経歴を持ちながら、
自ら志願して葬祭の世界に入ってこられたそうだ。
いつもは研修会が終わると、皆さんは一目散にそれぞれの地元に帰って行かれるが、
今回はその中のお一人S氏が、
「飛行機の時間がまだなので、少し話がしたい」と言ってきた。
私は喜んで、駅にあるスターバックスで話をすることにした。

そのS氏の地元では、数ヶ月後には葬祭ホールが新築される。
S氏はセンター長として仕事をすることになり、
今、葬儀の様々な勉強をしているとの話だった。
実際に現場にいたことは無いので、あくまでも管理者として、
マネージメント的なサポートをすることになるそうだが、
その人選や、設備など細かい仕事に追われながらも、
こうして2泊3日の講義に参加してくださったのだ。

前職は、デイケアサービスの福祉の分野であったそうだ。
その現場は、はじめは会社の移動で入ってきたが、その内に人と人との関わりや、
その仕事の大切さに目覚めて、今や周りからとても信頼される存在になったとのこと。
そして今回は自ら志願し、新しい世界を切り開いて行こうとしている。
その中で、やはり迷っているのが人選とのことであった。
今まで系列の葬祭ホールで、仕事をしてくれているパートさんを使うか、
新しく派遣社員を使うかなど、そろそろ決めなくてはいけない時期だそうだ。
仕事に慣れている顔なじみのパートさんを使うのもひとつの戦略といえる。
その中には地元に強いパートさんもいる筈だ。
そのままセールスに繋がる場合もあり、それはそれで魅力的でもある。
そしてそのパートさんが、心底仕事が好きで、
新しい葬祭ホールや社員達を盛り上げるべく、
頑張ってくれる人材あれば、さらに言うことは無い。
しかし万が一、その逆であった場合・・・。

数年前、私はテレアポの会社を仕切る地元の友人に頼まれて、
暫くその会社に出向き、アルバイトやパート社員など人の管理を任されたことがある。
出入りが激しい数十人の人を管理することはすごく大変だったが、
めったに出来ない、いい経験をさせてもらった。
そこにいた人の種類は、
①派遣会社から来ている女子社員20代~30代 
②フリーター 
③アルバイトの学生 
④長い間パートとして仕事をして来た40~50代の女性 
⑤その他 

その中で一番頑張るのは、派遣社員達だった。
成績が悪ければすぐに首を切られる。
その次は、アルバイト学生。
遊ぶお金が欲しいのだろう、短期間でがむしゃらに働く。
そして、フリーター。
その他と続く。

その時、その会社として一番問題を抱えていたのが、
長い間パートとして仕事をして来た40代~50代の女性たちだった。
ただキャリアだけが長くて、ろくな仕事ができない。
口ばかり達者で、社員の言うこともきかない「悪」もいた。
仕事をなめている、社会を軽く見ている。
今までこれが許されてきたこと事態、信じられない。
トップが変わり、そのリーダーが決めた路線として、
古い体質を変えるために私が呼ばれたのだ。
結構厳しい仕事だった。
最初は気が進まなかったが、何度か通う内に見えてきたことがあった。

まずは、部分的にでもパートの女性達に、
会社や他のスタッフ達がかきまわされているという不幸な事実である。
これは外部から入った人にしか見えないものかも知れない。
会社が一丸となって、お客様第1主義を貫くならば、
そういう人罪にはお辞めいただくのが、お互いのためであると感じるようになった。
テレフォンアポインターとしてお金をもらいながら、
お客様に対してのきちんとした応対すら出来ない人、
社員に対してため口をきいたり、大人としての対応が出来ない人、
又は、成績が上がらない人・・・。
一人一人と話し合いを持ちながら、ある程度の育つ猶予を与え教育もした。
仕事の厳しさや、お金をもらっていることの意味なども考える機会を与えた。
それでも出来ない人には進退を決めさせた。

スタッフにとっては厳しい現実だが、
仕事の現場と言うのは、これだけ厳しくて当たり前の世界。
人は「やさしさ」と「甘やかし」を取り違えることがある。
仕事には、「甘やかし」は必要ない。
厳しいコトを言うのは、「やさしさ」でもある。
その時に「部下やパートが怖くて怒れない上司」がいた。
私だったらそのパートの失態で、
お客様が離れて行くことの方が100倍も怖いと思った。

S氏と話しながら、そんな過去のことを思い出した。
そして今の葬祭業界と照らし合わせてみた。
この世界にもままある話だ。
心底、お客様の心をつかむ葬儀を提供したいと言うのならば、
自分たちの都合で仕事をするようなことはなくさなければいけない。
そしてそれをトップやリーダー自らが実践し、行動し、
周りを引っぱって行く姿を見せて欲しい。
その能力を持ち合わせた人がリーダーになるべきである。
そしてこのお二人には、その素質がある。
お二人のこれからの活躍が楽しみだ。
こんな人財(じんざい)が出て来たことが、私はとてもうれしい。
頑張りましょう。
応援しています!


<井手の割り込みオヤジ>
今日はFUNETの10月・11月分のレコーディング。
また大量に録ってきます。
それからDJ橘シリーズを復活させて、音声エッセイも収録予定。
ただし、私は早目に帰宅する予定です…というのも、明日は運動会。
実は、昨年の運動会前日も多忙で朝起きられず、
1レースに出場する息子の徒競走のビデオを撮りそこなうという、
井手家始まって以来の大失態を演じた私。
追い討ちを掛けるように息子は一着で…一生言われるわ。
今年は何としても汚名返上しなければ。
父兄参加の綱引きにまで出てやるぞ。(ウォリャー)
※1レースという表現は不適切でした。(良い子はマネしないように)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年09月15日 00:00

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