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2006年09月23日

セレモニーアテンダント養成講座報告 その2(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬儀スタッフというのは、

①お客様に見られる職業・・・「見た目の重視」
儀式の中のスタッフの姿、形を見て、お客様はその葬儀の印象を決めることが多い。
そこにいるスタッフは、見た目にも礼儀正しく、紳士・淑女であって欲しい。
様々な葬儀の場面において、美しく、正しい動作でサポートすることが求められている。

②お客様に聞かれる職業・・・「すべての言葉を聞かれている」
司会者のマイクを通した言葉は、絶対的な位置にある。
その声、言葉(進行言葉、敬語、儀式への尊厳)は、
「聞いていて不快感のあるもの」であってはいけない。
お客様は司会者を選ぶことが出来ない。
「変わってくれ」とも言えない。
葬儀社側は、司会者のレベルを聞き分けることの出来る能力を持たなければいけない。
と同時に、マイクを持たないスタッフの接遇言葉も、お客様は選ぶことができない。
すべてのスタッフのモノの言い方を近い位置でしっかりと聞いている。
いや、聞かされているのだ。
だから、スタッフは、言葉についても、充分な心配り、気配りをしなくてはいけないし、
接遇言葉そのものを学ばなくてはいけない。

③お客様に、五感で感じとられる職業
悲しみのお客様は、上記の「視覚」「聴覚」と共に、「臭覚」「味覚」「触覚」で、
式場で行なわれるすべてを感じている。
聴覚的に入ってきた言葉も、嫌な思いをした時には、
体の触覚で「嫌だなあ」と感じているのだ。
「悲嘆」という感情が、その感性を敏感にさせているとも言われる。

葬儀スタッフは「接遇」という表現を通して、
お客様の五感を満足させることが求められているのです。
今年のアテンダント養成講座のテーマは、主に葬儀スタッフの「見た目」に力を入れて、
様々な角度からその姿を検証しています。
この「見た目」も、色々と考え始めると実に奥が深いのです。

今回のセミナーの主なトレーニング場面は、通夜のシーンから、
お客様がホール内に着席するところから通夜閉式まで、最期のお別れ・・・などでした。
場面としては、自宅の場合、寺院の場合、葬祭ホールの場合と様々です。
又、葬儀社様によっては、スタッフ体制が違います。
一人で切り盛りしている所、二人、三人・・・。
それから、ご住職が協力的な所、マイペースな所、絶対的権限を持つ所・・・
それによっては、寺院様のご案内の仕方も違ってくるようです。
セミナーとしては、多くの場所から来ている受講生の、
日常のやり方で統一することは、非常に難しいものがあります。
アテンダントの接遇を「基本のライン」でお伝えするしか出来ないのが現状です。
多くの葬儀社様が集まるような、集合研修会の場合、いつも悩むところです。
今回は地方に多い、遺族、親族の椅子の並べ方パターンでトレーニングを実践しました。
この椅子の並べ方にすると、スタッフのご案内の仕方
(待機位置、案内の為の順路、進み方、はけ方)は、少なくても4パターンになります。
あらゆる場所から出ても、どこを歩いても、
お客様に失礼の無い接遇が出来るようにならなくてはいけません。

そんな中、受講生の中には自分の日頃のやり方で悩んでいることや、
真剣に考えていること、又はセミナーでお伝えしたこととの相違点などを
「私の所ではこのような環境があって、
いつもこうしているのだがなかなか難しくて・・・」
「私の所はこのような配置で、そこで今の説明をやる為には・・・」
などという質問をしていらっしゃいます。
そのように個々の受講生が、直接的に聞いてくださると、
私もその方のやり方で具体的に説明が出来て、とても有難い気持ちです。
そのような質問が出るようになるには、葬儀の経験年数や接遇レベルにもよりますが、
本当は、そのように質問がでるのが当たり前ではないかと思います。

今私は、様々な地方の様々な形の葬儀に沿ったスタッフの接遇と出会っています。
これは私にとって多くの体験と共に、
葬儀の接遇を探求する上で無くてはならない貴重な経験です。
多くの接遇パターンを元に、近い将来のセミナープランを考えて行こうと思っています。
あらゆる接遇の形にマッチした接遇セミナーを提供できるようになるのが、
今の私の最大なる目的でもあります。楽しみにしてください。
今回も全国からお出でくださった受講生の皆さん、
大変お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年09月23日 00:00

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