1.進行アナウンスでも弔電でもナレーションでもコツがある。
2.そのコツを支える理論がある。
3.それを実現する技術の裏づけがある。
(そして基本中の基本が発声練習なのに…)
1.2.3を短時間で説明し理解させて、効率よく受講者のレベルを上げるには、
とにかく音声表現を聞かせまくること、そして同じようにトライさせてみること。
この体験の繰り返しが受講者にとって貴重な時間となる。
まず私が実演し、同じ事を何度でも繰り返しやらせる。
講師が実演して納得させなければ付いて来ないからね。
(まあ、多少は怒ったりしながらだけど)
これが受講者の感性を刺激し、その力を著しくアップしてくれるのだ。
耳が鍛えられ、音声を出す意識が生まれ、
自分の喋りをコントロールする術を学び、変化の具合に気づきはじめる。
だから私は、自分自身が相当の数の実演をやることになってしまう。
はっきり言って…クタクタだ、ヨレヨレだ。(割に合わん)
音の流れが聴き取れない人には何度でもチャレンジさせるが、
どうやらそれが厳しいという評価になっているらしい。
心外だ、こんな親切で優しい教え方はないぞ!
(誰も言ってくれないので自分で言っちゃった)
適当に誉めて、次へ行けばいいのだろうが…私は嫌だ。(こだわりたい)
勝手に疲れて喉も痛いが、腹筋も痛い、ついでに背筋もちょっと痛い。
足の裏が痛いのは、これは立ちっ放しでムキになるからだろう。
血圧が高いのは遺伝、短気なのも遺伝、でもって講義は口伝と秘伝。
(ラップ風に表現してみました…なんのこっちゃ)
では、受講者から教えてもらった各地の習俗レポート・パート2。
黒豆で有名な兵庫県北部から。(オー、ここは工場長のお膝元ではないか)
旅支度の頭陀袋には、米・味噌・塩・お茶の葉。
実は全国にこの系列バージョンは結構多い。
面白いのは納棺時、柩の下に何層にも砂を入れる風習があるらしい。
砂と紙を幾重にも重ねていくらしいのだ。
まるで負けたチームが持って帰る甲子園の砂のようだね、
兵庫県だけに。(上手い、座布団一枚)
それから自宅から出棺する際は、一般的に玄関から出たがるとのこと。
これも全国的には玄関を避ける地域が多いだけに珍しい部類に入る。
しかも、出棺時すぐに玄関から出るわけではなく、
わざわざ一旦お茶の間に安置してから、再び玄関を目指すらしい。
その意味は不明だが、なんとなく気持ちは理解できる。
さらには敷居を跨ぐので、必ず敷居に筵(むしろ)を被せるらしい。
これは、死という非日常ゆえにする行為だろう。
顔に掛けていた白い覆い(白布)を、出棺後、軒先に吊るすのも忌中の印か。
兵庫…高校野球の影響、受けすぎるようー!(クールポコのオチ風に)
お次はお茶所、静岡から。(ハアー、ヨイヤサ)
長野の白線流し、長崎の精霊流しに続く、日本三大流しを発見。
その名も何と「位牌流し」。(記憶間違いだったらゴメン)
バチあたらないか、大丈夫かいな、こんなことして。
野位牌だったと思うが、「浜降り」または「浜下り」と言い、
(どちらもハマオリと読みます…一字違いで怪傑ハリマオ…馬鹿でスマン)
静岡の一部の地域では川に位牌を流すらしいのだ。
その光景をイメージすると、流し雛が頭に浮かんだ。
しかし考えてみれば、海の遥か彼方に存在すると信じられていた、
南方の補陀落(ふだらく)浄土を目指す旅(補陀落渡海)に繋がる気もする。
古来、山は天に通じ、海の彼方も同様に、
神聖な世界に通じていると信じられていたからね。
※補陀落は観音菩薩の浄土です。
では脱線して、知ったかぶりタイム。
密厳浄土は大日如来の担当で真言宗。
霊山(りょうぜん)浄土は日蓮宗。
極楽浄土は阿弥陀如来の担当で、浄土宗と浄土真宗。
東方瑠璃光土(とうほうるりこうど)は、薬師如来の担当する浄土。
…とまあ浄土とはたくさん存在し、それぞれ担当者(如来)が違うのだ。
ちなみに私が担当する浄土は、自堕落浄土ってか。
(皆いらっしゃいなー、楽しいよ)
あっそうそう、曹洞宗や臨済宗・黄檗宗の禅宗には浄土はありましぇーん。
この地域には、喪主の和服の背中の家紋を、
三角巾のようなもので隠す習慣がある。
逆に言えば、喪主リボンは要らないね。
地方へ行けば、喪主や親戚代表のリボンが存在しない地域は多い。
村伽(むらとぎ)という言葉も残っているらしい。
まだまだ地域共同体の意識が根強く残っているらしく、
懐かしい感じがしたし、この意識は大切にしてもらいたいですな。
それから一部の地域では、葬儀を執り行った後に通夜をやるらしい。
これは凄いね、かなり稀有なケースでは。
通夜と葬儀の順番が完全に逆だもん。
普通だったら、「あー通夜の時にあーしとけば良かった」と後悔しても、
時間は戻らないけど、この地域だけはタイムトラベル可。
静岡、お茶と同じで味わいが濃すぎるよー!(クールポコのオチ風に)
今日も長くなりそうなので、この続きはまた明日。