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2006年10月04日

宮城県で、接遇研修会がありました その1 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

宮城県の葬祭団体で葬儀スタッフ向けの接遇研修会を担当させて戴いた。
今回は、県南にあるホールを使っての「葬祭ホール接遇」がテーマである。
これまでこの団体の研修会は、大きな会議室などを使って開催して来たが、
実際のホールを使用することで、より良く理解し易いものとなっただろう。

この接遇研修会は、新人さんからベテランまで様々な種類のスタッフが集まる。
スタッフ一人一人のことを考えると、自身が今やっていること、
これから向かって行く方向も違えば、現場のイメージをつかめる方、
つかめない方と色々で、講師としては、その全部を見渡しながら、
幅広く多くの事例や対処の方法をお伝えすることが求められる。
又、集まるスタッフの地域によっては、葬祭ホールを持たない場所もある。
自宅葬や寺院葬が中心で、ホールのイメージすらつかめないスタッフもいる。
ホールのイメージを持たせて想像していただきながらの研修には限りがある。
だから、あくまでも知識として、机上の論理として、
お伝えするにとどまる内容も多く出ていた。
それが今回は、この素晴らしい葬祭ホールでの開催となり、
私も本当に心からうれしかった。

白を基調とした外観とホール内は、女性が中心に活動するホールらしく、
色々な場所に花があしらってあり、とても清潔な室内だ。
ここに様々な経歴の総勢40人近いスタッフが集まった。
テーマは「ホール接遇」ではあるが、
「接遇研修会」を初めて受ける方もいるので
「社会人としての仕事」という広い部分から講義は始まる。

早朝に起きて駆けつけるスタッフもいて、
講師があまりにも優雅に話してしていると、
船を漕ぎ出す(居眠りをする)スタッフも出てくる。
だから私は、一人として眠らせない覚悟で講義をはじめる。
それには受講生に声を出させること、立ったり座ったりさせること、
個人的に質問を投げかけること、全体に目を届かせること・・・等。
葬儀接遇を中心としたスキルトレーニングと、
コミュニケーショントレーニングなどで、右脳と左脳を動かしながら、
緊張したり和んだりと、気持ちを変化させながらの、
あっという間の午前中が過ぎた。

多くの女性スタッフが活動するこのホールの現場トップは、K女史。
3年前に彼女が初めて葬祭に入って来た頃に、接遇研修会でお会いしている。
あの頃は、これからの仕事に対して緊張もしていただろう。
少し硬い雰囲気を私の印象として持っていた。
ところが、今回お会いして、ナンと素敵に成長したか・・・。
やわらかい雰囲気を前面に出しているK女史を見て、私はホッとした。
「ああ、頑張っていらっしゃるなあ・・。心と体の力をいい感じに抜いて、
又、いい意味で力を入れて素敵なリーダーに育ったなあ・・・」と思った。
多くのパート女性を指導しながら、頑張っていると感じた。

研修会は、受講生の半分が、葬祭ホールで仕事をするパートさんだった。
社員であろうと、その指導は大変だが「パートの指導は、とくに難しい」と、
多くの現場リーダーはおっしゃる。
これは平均的な話だが、
「厳しくすればすぐやめるし、甘くすれば力がつかない・・・」
私も様々な経験から、それはうなずける。
だからこそ、リーダーは悩んでいるだけではなく、
しっかりとしたパート指導が出来なければならないということだろう。

パートさん指導のご苦労など、K女史には聞けなかったが、
講義の中で直接パートさんには、以下のように叱咤激励をした。
私も現場では、時間給いくらの派遣社員という立場でスタートをした。
葬儀という環境に慣れて、与えられた仕事を確実にこなすように努力をして、
さて、これからどこを見て歩いて行こうかと、
常に軌道修正しながら、自分で決めて動いてきた。
漠然とその現場にいるだけでは何も身について行かない。
どうせ腰掛けで、時間給分だけ働けばいいという考えはもっての他。
雇用形態が何であろうと、お客様には関係ないことである。
業界には、3年も5年も葬儀の現場にいて、
何ひとつまともに出来ない人がいる。
もちろんそれを許してきた周りも悪いが、一番悪いのは本人だ。
どんな立場でそこに立とうと、その日の葬儀の中で、
色々なことを学ぼうと思えば、種は山ほど見つかる。
どうでもいいと思えば、何を得ることもなく、
ただ終って行くのも葬儀という仕事である。
パートさんだって、派遣スタッフだって何だっていい。
とにかく出来る範囲で、一つひとつの積み重ねをして行くことが大事である。
今どき主婦だって子育てや家族のことをしながら立派に仕事をしている。
何をしていても誰でもが迷う時代だ。
その大変さは誰でもが同じ「甘えるな!」
そして、コツコツと頑張った人だけが、
いつの日か、素敵な葬儀スタッフに成長できるのだ。
「1年後、3年後、5年後に、こうなっていたい」というビジョン、夢を持とう!
子育てをしている人も、子供なんかあっという間に成長して、
この手から離れて行く。
その時に打ち込める仕事があるということは、
人生の中で最大なる幸せではないだろうか。
その為に、今頑張っているとも言えるかも知れない。
多くの悲しみのお客様が、自分を求めてくれるこの仕事を、
どうか大切に育んで欲しい・・・など等、語らせていただいた。

この地域は「葬祭ホールの激戦」だと聞いた。
もちろん同じ地域の同業他社も随分昔から頑張っている。
そして多くのお客様に感動を与えている。
しかし、後発だからと言って手を抜かないことが大切だ。
私が講師として伺うこの団体の、
全国の葬祭ホールも同じような環境だと思うが、
とにかく「小さなことからコツコツと」の精神を忘れてはいけない。
過去を振りかえるだけではなく、現在に迷うだけでもなく、
一心に前を見て、その先を見つめて、
お客様が喜んでくださる葬儀を模索して行くことだ。
「ジワリ・・・ジワリ・・・」と、他社を責めて行こう。
同業他社も頑張っている。
それなら我々はその2倍、いや3倍働こう。体を動かそう。
3倍悩んで、3倍頭を使おう。そしていつの間にか気がついた時に、
周りを追い越す時が必ず来る。
私自身も「今に見ていろ!ライバル!」の精神でやって来た。
「念ずれば花開く」迷わずに歩んで行こう。
世の中は、頑張る人が陽の目を見るように出来ている。
Kさん、はじめ多くのスタッフの皆さん、これからも見守っています!

では、午後の研修会報告は、次回ということで・・・つづく

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年10月04日 00:00

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