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2006年10月05日

宮城県で、接遇研修会がありました その2 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

午前中の講義を終え、内容的にもかなり走ったので、
昼食休憩はゆっくりととっていただいた。
研修会というのは、他の現場スタッフとの交流も一つの目的である。
なるべく多くのスタッフと知り合い、名刺交換などをすることも大切な仕事である。
私は、スタッフ達と一緒に食事をとりながら過ごすこともあるが、
葬儀社様が気をつかってくださり、一人にしてくれることもある。
午後の戦略を考え私自身が静かにリラックスするためには、一人になりたいこともある。
今回は、その一人の静かな環境を作ってくださりゆっくりとさせて戴いた。
こういう気持ちが、そのままお客様への接遇の気持ちにつながると言ってもよい。
私まで有難い思いだった。

実は、この葬祭ホールにはピアノが置いてある。
それもロビーの隅にひっそりと・・というのではなく、
式場祭壇の左側に立派に鎮座している。
私が食事後に、数人の受講生が聞いてくださる中で、
「涙そうそう」や「アメージンググレース」を弾き語りしていると、
先日お客様の法要で、皆さんで歌ったという「千の風になって」という歌の楽譜を、
リーダーのKさんが持ってきてくれた。
そしてKさんと一緒に、私はその曲を弾きながら歌った。
私は葬祭ホールのリーダーが、こういう感性を持っていることに感動した。

葬儀でのお客様は、その多くのことを良くも悪くも「五感」で感じ取っている。
だから葬儀社側もスタッフも、お客様の「感性」に訴えかける、
「スタッフ自身の感性」が求められるのだ。
そしてその「感性」は、誰でもが簡単に持ち合わせることは出来ない。
持って生まれたものに寄るところが大きいし、
日頃から「感性」を見つめ育む努力も必要だ。
これからの葬儀スタッフは、そのような感性を持ち合わせている人が、
多く求められる時代になるだろう。
「人の悲しみに添う」仕事であるからこそ、最も大切な資質だと思う。
それが充分に生かされている、この葬祭ホールの今後が私はとても楽しみになった。

午後の研修会の主なテーマは、接遇のロールプレイングだった。
この日ホールに通夜が入った関係で、講義中心の法要室、和室がある遺族控室、
葬儀式場の3箇所を大勢の受講生が行ったり来たり、という時間配分になったが、
なるべく実際の場所を使った研修をお伝えしたく頑張っていただいた。
特に自宅葬や受注担当を実践するスタッフには、和室でのマナーを、
そしてホール内でお客様案内をするレディさん達にはホールを使った導師誘導、
焼香案内・・・等を数人の方にデモンストレーションして戴きながらご指導した。
ホールが建って間もない中で、試行錯誤しながら頑張ってきた様子が見て取れる。
又、講師からのアイデアを受け入れながら、実際にはどうしたらいいのか
・・・ということを皆さんが考えてくれた様子だ。

いつもロールプレイング研修会で思うことだが、
基本の考え方や動き方を私からお伝えをして、実際にやって戴いた時に、
必ず自分のやり方やいつもの現場の形とのギャップが出てくるはずである。
そこで、さらに深めて行こうとすれば必ず質問が出るハズだ。
質問が出ないということは、
①質問すら分からない程度の実力しかない 
②他人事のように適当に流している という場合が多い。
質問が出るということは、スタッフがそれなりに真剣に考えていることと理解する。
そして多くの場合、その場で結論を出すことは難しい。
それが多くのスタッフが関わるものであればあるほど、
話し合いと試行錯誤を経て変えて行く必要があるからだ。

是非、もっともっと質問が出る研修会になって欲しい。
議論をする場は、この場所以外に作ることは難しいだろうから・・・。
それには日頃真剣に仕事をすることが求められる。
又、聞くことは、恥ずかしいことではない。知らないことも恥ではない。
今聞けることはどんどん聞かないと、その内本当に今さら聞けなくなってしまう。
これが一番怖い!

今回の研修会で、全員の皆さんが満足するものをお届けできたかどうかは分からないが、
今、私ができるすべてを全身全霊でお伝えさせて戴いた。
そしていよいよこれからがスタートになる。
今日の講義や実践を本当の現場で、又は本当のお客様の前で、
いかに使えるものにして行くかは、スタッフの皆さんのやる気と、
いっそうの努力にゆだねられのだ。どうぞ頑張ってください。
又、お会いしましょう!
大変お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年10月05日 00:00

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