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2006年10月10日

葬儀司会研修会【キャリアアップ講座】その1 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「すべて言葉というものは、しみじみと言うべし」(良寛)
司会講座のエッセイを飾るには相応しい言葉だなー!(笑)

工場長が言ってたけど、10日ほど前の私のMCエッセイで、
「男は黙って…」のクール・ポコの落ちを多用したら、
グーグルだかヤフーだかの検索に引っかかっているらしい。
多くの人がブログを訪問してくださっているみたいでありがたいけど…。
(何か複雑な気持ち)
では、キャリアアップ講座の報告を。

過去にベーシック講座を受講済みか、
或いはキャリアアップ講座を2度目・3度目、
さらにはトータルで4回目の方もいて受講者のレベルは高い。
そんな中、数名の方がいきなりのキャリアアップ講座参加。
…それはそれは、大変なご苦労をされていました。
(仕方がないことかもしれないが)自分のレベルを推し量る術を持たないし、
また基準が判らないからだろうけど、経験年数だけの判断で参加されたよう。
10年言い続けて、近頃漸く理解され始めたけど、
葬儀の場合は、司会実務経験と司会能力は比例しない。
ベテランが決して上手いとは限らないのだ。
(ベテランほど…癖が残るかな、ゴメンネ)



講座に参加されると、割と早い段階で自分の声が、
そして自分の司会の音の流れが聴こえるようになる。
すると、今までの司会の悪い部分が突然見えて(聴こえて)くるのだ。
本人は恥ずかしいので、何とか修正を試みるが…すぐにはどうにもならない。
過去のキャリアが邪魔をし、喋りに無計画な癖が付いているから、
自分自身をコントロールすることが出来ずに苦しむ。
この時になって、最初にキチンと習うべきだったと後悔するが…。
この10年間、毎度見てきた光景が繰り返される。
しかし、皆こうして上達していったのです。
今回の数名の方も、きっとリベンジしてくるはず。
頑張りに期待しましょう。



最近は、教育に力を入れている業者が増えているようだ。
司会研修に新人を送り込み、その彼女彼等が、
本人の努力もあるのだろうが、たったの1年・2年でプロレベル。
これは今回の講座に限ったことではない。
無駄のない、心のこもったスマートな司会のオンパレード。
今までの葬儀司会とは別次元のものだ。
(頭の固い人達に聞かせてやりたいね)
ここまでくれば葬儀司会の確立まで後一歩。
私は講座の中で、個別の欠点修正などのブラッシュアップに努めればよい。
正直、短期間での上達振りに驚く人が続出でした。
(改めて表現理論の大切さ、重要性を再認識したぜ)

この講座は司会技術だけでなく、
各宗派の差定、進行アナウンスと密接な関係にあるお経や偈文など、
またその解釈や意味も含めて、専門的な知識の習得も取り入れている。
(充分な時間ではないけどね、それでも画期的なことですよ)
例えば、一般的な真言宗の最後の偈文は2通りだから、
それをピンポイントで教材に掲載し解説を加えているとか…。

宗教儀礼の進行を知らずして、司会が担当できるはずがない。
3分後に何処をやってるというのが分からずにどうするのだろうか。
実は担当者だって同じなんだけどね。(困ったもんだ)
だから、必要な各宗派のお経本の紹介もしている。(販売はしていません)
私は、街本はお薦めできない。
僧侶と同じものでないと意味がないし、目安博士などの印がないからね。
(目安博士については、いずれ解説します)



ナレーションの創り方…これを教えるのは難しい。
文章作成の講座を数時間で成り立たせるのは困難極まる。
言葉のセンスは教えようがないし、いつも頭を悩ませるところだ。
だから書き方の標準サンプルとして、話の核となる「へそ」の話から。
でも、物書きなら皆「へそ」のことは知っているし、
「ハコ書き」のことだって知っているのが常識。
常識以前から話を始めるわけだから…参るよね。
素人相手にどうやって教えるのよ…というのが正直な感想。
これだけは永遠の課題になるのだろうか、何か発明しなきゃ!
それでも文章表現のコツは、あの手この手でテキストに収めてある。
アナウンスを補佐する様々な文章もふんだんに盛り込んである。
(本当は、FNNETを使ってもらったほうが手っ取り早いのだが)

講座は次から次へと課題の連続だから、ゆっくり休む暇はない。
FUNETを体験していただく充分な時間は取れないけれど、
(商売っけがなくてユニコムさんには迷惑を掛けています…反省)
それでも合間を縫って音声を聞いたり、ナレーションや追悼文の原稿を見たり。
ヒントになることがあれば何でも提供したいと思っている。



明日は続きをアップしますが、その前にニュースを。
キャリアアップ講座には、今回に限らず他分野のプロ司会者の参加が多い。
また声優や俳優、ミュージシャンの参加も珍しくはない。
しかし、表現に関しての理論を学んでいた人は皆無だ。
アバウトな感性に頼って表現していた人にとっては、目から鱗の講座になる。
表現の方法論が葬儀司会になっただけの話だから、
どんなジャンルのアーティストにとっても共通の理論といえるだろう。

そんな中、私の講座を受講してくれて、
弊社の司会者の現場(橘や加藤)を見学したりしながら、
司会デビューを待っていた一人が、何の因果が歌手デビュー!
(デビュー違いだって…事前に話は聞いてましたけどね)
でも良かったね、彼女にとっての夢の実現を応援したい。
小柄だけどバイタリティ溢れる方です。
葬儀司会も、特にナレーションは抜群に上手いのに、
…惜しいなあ、音楽界に持っていかれるのは。
(葬儀業界の損失だよ、まったく)
というわけで、リンクを貼らせてもらいました。

DakotaStar(ダコタスター)

確か彼女が7月にメジャーデビューした時に、
工場長はCDを買っていたらしい。
(あいつは隠れファンだ)
今度はアルバムが出たようなので、私も購入いたしましょう。
第二回本屋大賞を受賞した恩田睦さんの作品「夜のピクニック」。
この作品が映画化され、アルバムには劇中挿入歌もあるらしい。
この本を読む前の印象は、ニール・サイモンの「裸足で散歩」を思い浮かべていた。
舞台もいいけど、ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダの映画も素敵だ。
実際の本の内容は、私の勝手な予想は見事にはずれたけど、
どこか甘酸っぱい青春時代を思い出す懐かしさが漂う。
彼女の歌声が劇中で流れるのなら、観に行くか。
それにしても、声にパンチがあるなあ!

しみじみと…の良寛和尚が聞いたら、きっと驚くね。
…つづく。


投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年10月10日 00:00

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