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2006年11月10日

葬儀スタッフ向け「接遇研修会」in埼玉 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

埼玉県にある葬儀団体の接遇研修会が行われた。
埼玉県は東京の隣ではあるが、場所によっては随分離れたところもあり、
大宮を過ぎると私にはほとんど未知の世界である。
今回の場所は「籠原」という所。
少し手前にある「熊谷」は、新幹線もとまる駅だ。
いつも乗る東海道線でいえば、自宅から平塚くらいの距離だろう。



久し振りに、中央線の朝のラッシュにもまれて、
人の波に流されながら、新宿駅から湘南新宿ラインに乗り込んだ。
(ああ・・・どうしてこんなに人が多いのだろう・・・)
ラッシュというこの非人間的な状態には、本当に辟易する。
1時間以上揺られて、籠原駅に着いた。
電車を下りると、東京に比べて随分寒い。
周りにはコートを着ている人もいるくらいだ。
私は思わず駅の売店で、暖かい缶コーヒーを買った。
(もう秋も深まって来たなあ・・・)



到着すると、2月にオープンしたばかりの真新しい葬祭ホールが目の前に広がった。
「わあ、きれい!」というのが私の第1印象だ。
広い駐車場もさることながら、その素敵な建物は、
遺族控え室が離れになっていて、中庭もある。
ホールの周りには、緑がいっぱい。
ホール内に入ると、あちらこちらに花が置いてある。
掃除も行き届いている。
特に女性の化粧室は、メルヘンチックな雰囲気で、
椅子でもあれば、ゆっくりと座りたくなるような空間だ。
女性スタッフのセンスが光る!



全国の葬祭ホールに講師として、又、東京近隣ではスタッフとして伺って来た。
初めての葬祭ホールでは、化粧室(トイレ)を見ると、
そこが分かるといっても過言ではない。
葬祭ホールの外回りがどんなにきれいでも、
化粧室がきれいではないということがあるからだ。
臭い、ペーパー、ゴミ箱、シンク周り、床、鏡、ドアの建てつけ・・・。
葬祭ホールの化粧室を見ると、そこの女性スタッフが分かるといっても過言ではない。
化粧室をきれいにするという感性が、その他の部分をも物語る。

「お客様を大切にする」という言葉の奥は深い。
人を大切にするということは、その場所を大切にするということでもある。
このホール内を案内してくれた女性スタッフのMさん。
「私は、この場所が好きなんです。この場所を大切にしたいんです」と語ってくれた。
それが、そこに来るすべての人を大切にするということにもつながっていると感じた。



今回、この葬儀団体の県内初の接遇研修会だった。
特にこのホールは、これから葬儀スタッフの教育の中心としても使われるということ。
やる気のあるスタッフを育てて行くために、大いに活用して欲しい。
ホールにもそのスタッフ達にも、心からエールを送りたい。
研修会に参加してくださったスタッフは、入れ替わりはあったが、20人弱。
葬祭業に入って2日目の、まったくの新人から、
多少は経験のある人まで、主に葬儀接遇の基本をお伝えさせていただいた。



特に新人の若い男性スタッフ4人には、葬儀スタッフの大変さ、
大変だからこその達成感、自分の立場、役割を覚えて現場で動くこと…
などを折に触れてお伝えさせて戴いた。

担当者とサポートスタッフでは、細かくはその役割が違ってくる。
新人たちは、まず現場でサポートする側に立つ。
葬儀式場にいれば、新人もベテランも関係なく、
お客様を支えることが出来なくてはいけない。
どんどん積極的に動いて欲しい。
そして早くやらなければならないことを覚えて、即戦力になって欲しい。
そんな思いを込めて、一人ずつご指導させていただいた。
これまでの歴史を切り開いてきたベテランスタッフ、
そしてこれからの時代を作り上げて行く若い力。
葬祭業界では、その世代交代が進んでいる。
葬儀という仕事に対して正しい意識とやる気のある人が、どんどん生まれている。
数年後はこの若い力達が、業界を引っ張ってくれるだろう。
大いに楽しみだ。



悲しみのお客様は、待ったなしで我々の助けを求めている。
我々もお客様に葬儀を通してご満足いただくために、
あらゆることを学びながら成長して行くことが必要だ。
埼玉県のこの葬儀団体の、これからの健闘を心から応援すると共に、
スタッフ達の意識を変えて行くためにも、
私が出来ることでお手伝いさせていただければうれしい。(頑張りましょう)

最後に、この日は6時半から通夜が入っていたが、
ギリギリの時間まで研修会に集中させてくださった所長のSさんに感謝致します。
皆様、大変お疲れ様でした。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年11月10日 00:19

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