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2006年12月17日

社葬 in 久留米 その4(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

2006年12月9日、13時00分頃。
30分後に開式を控え、
社葬の前の静けさといったところか。

 

式場内の収容人数が150人にも関わらず、800人規模の社葬。
駐車場にテントを構え、そこに600人強(最大800人)を収容する。
各テントにはテレビモニターを設置して、
式場内の様子を映すという仕組みだ。
映像、音声共にテストを終えて、
後は会葬者が入ってくるのを待つばかり。

今回の社葬では、FUNETの追悼文も出している。
受付で記帳の後、会葬礼状等と合わせて会葬者に渡す流れである。
1000部数刷ったそうだが、印刷にかければ原価も低く抑えられる。
もちろん、メモリアル商品としての価値も高かったようだ。

後日、担当のMさんから聞いた話である。
「最初、社葬には追悼文は合わないんではないかと難色を示していた社長が、
 最後には一番喜んでいた。追悼文のようなものがあると、
 社葬にも温かみがあって良かったと。」

社葬はそのスタンスが難しい。
会社の考え方によっては、故人志向の追悼文が出せない場合もあるかもしれない。
ただ、Mさんが追悼文の良さを社長に強く推してくれたから、
今回の社葬で追悼文を配布することが実現した。
そして、Mさんの読み通り、会社側の満足度も非常に高かった。
会葬者の反応も良かったのだろう。

追悼文の価値に、私は自信を持っているが、
一番重要なのは、担当者(そして遺族や会社)の想いなのかもしれない。
追悼文とその想いが重なって実際に出すことが出来れば、
葬儀にとてつもない効果(満足)を生み出すことは、
今回だけでなく以前から実証済みなのだから。

さて、開式の時間が迫るにつれて、
徐々に遺族親族・会葬者が式場に入られてきた。

 

パネルを並べて作ったメモリアルコーナーも、
その役割を果たしているようだ。
(ホッ)

特に、昔の写真を飾ったものは好感触で、
「懐かしかねぇ」「この子、今どげんしとると」と、
会葬者の会話が私の耳にも聞こえてくる。
遺族の中には、目頭を押さえている人も…。

写真だけでない「言葉」のあるパネルだからこそ、
故人の人柄がより良く伝わっている。
パネル制作にかかった手間と遺族・会葬者の満足のコストパフォーマンスは、
十分に元が取れているだろう。

 

追悼文も、会葬者は予想していた反応を示している。
開式前の空いた時間に、追悼文を読んで故人の人生を目で追っている。
同時に故人への偲びを深め、開式前の準備をする。

そして、13時30分。開式の時刻。

 

見渡す限りの参列者。
小さな式場だけに、よりその人の多さが目立つ。
改めて、準備が大変だったろうなと思う。

テントも満席。
雨が予想されていた天候も、霧雨程度ですんだ。
本当に良かった。(昨晩、皆で祈った成果ですぜ。)

司会者の開式の辞が聞こえてくる。
まず始めに、アルミでできた祭壇が会社の手作りであることを言っているようだ。

 

導師入場。読経。
特に問題なし!…端折ります。(お坊さん、すみません。)
ただ、導師が経本を持たずに、空で読経しているのには驚いた。
素晴らしいの一言に尽きる。

<井手の途中割り込み>
お経は諳んじるのが素晴らしいのではないですよ。
様々な考え方が存在しますが、暗誦出来るものでも、
敢えて文字を噛みしめながら追うことで、新たな発見もあるのです。
一応誤解が無いようにと思い、割り込みました。
決して今回の導師の素晴らしさを否定するものではないですからね

弔辞は、会社関係の方々からお孫さんまで、幅広い方々が読まれた。
(お孫さんが弔辞を読む段階で、
 葬儀委員長である社長が温かみのある社葬にしたい意図が汲み取れますね。)
内容も、実に心を打つものが多かった。

特に、何も持たずに遺影を真っ直ぐに見つめて、
社長に語りかけていた方の弔辞は、シャッターを切りながら涙が出そうになった。
会葬者の中からは、すすり声も聞こえてくる…。
弔辞は人柄が出る場だなと、改めて思う。


弔電。
ここで、いよいよ映像が流れる。

大物政治家から大企業の関係会社まで、
昨日作った映像に合わせて読まれている。

故人の創立した会社の歴史、
そして、故人が仕事で尽力している姿を映像で追って、
遺族、会葬者も、時に目頭を押さえながら静かに映像を見てくれている。
そして、私が一番気になっている社長も…。

司会者が上手かったのだろう、
映像が終わるタイミング少し前で、弔電もちょうど終わった。
Great!(私の心の声ね。)

 

葬儀委員長である社長挨拶も終わり、最後に献花となった。
800人を捌くのに、私も導線作りに手をかしながら、
円滑に献花が進んでいく。
(小さな式場だけに、スタッフも陰で大忙しだ。)

そして、社員の方々も含め、全員が献花し終わった。
よし!無事に終わった。
本当に問題なく終わって良かった。
(緊張の糸が切れそうだ。)


さて、片づけが終わるまで社葬。
手伝おう!…と、思った矢先にサプライズが。

何と、外のテントでテレビモニターを通して式の様子を見ていた社員の方々が、
もう一回映像を見たいと言い出したのだ。
Mさん、嬉しい悲鳴だぞー!!

急遽、スクリーンをもう一度下ろし、
片付けかけていた椅子に社員の方々が座って、
映像の上映会が行われることとなった。
社長も喪主も親族の方も、もう一度、社員の方々と共有して映像を見ている…。
(制作者冥利に尽きるというものですね。)


20時。
片付けも終わって、いつもの会館に戻った。
しかし、そこには今日、
遺族、親族、会葬者、そして、社長を始め社員の皆様の「想い」の名残がある。
故人にとっても、本当に良かったのではなかろうか。

そして、JAくるめの皆様の心にも。

そして、私の心にも。

良い時間を過ごせました。
O所長、Mさん、皆様、お疲れ様でした。
どうもありがとうございました。

<井手の割り込み>
報告は聞いてましたが、立派な社葬だったようですね。
ラストの写真は皆さん、いい顔をしています。
本当にお疲れ様でございました。
(ありがとうございました)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年12月17日 00:02

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