次男が1年生に入った3年前からは、
全員の先生方にも声をかけて、一緒に歌うようになった。
その年度によって先生方の「ノリ」も違う。
こちらがその気でも、なかなか先生方の腰が重い年もあった。
私は保護者としての関わりなので、あまり出しゃばったことはしたくない。
そのあたりの様子を見ながらのサポートは実のところ気をつかうことも多かった。
お手伝いをはじめて6年目の今年、先生側との連携はバツグンで、
先生たちも率先して練習を積んでくれた。
今年は「オレンジレンジ」の歌を歌うことに決めていた。
「オレンジレンジ」は次男が好きなグループで、
他の子供たちもきっと一緒に歌ってくれると思ったからだ。
「オレンジレンジ」特有のラップのような早口は、大人には難しいので、
「オレンジレンジ」独特のやさしいメロディーのところばかりをつなげて、
「チャンピオーネ」で始まり「きずな」「以心電信」「花」、
そして「きずな」で終わるメドレーに、私が編曲をした。
7月から全体練習をはじめて、本番までに10回のリハーサル。
私は出張の合間に、好きだからこそ情熱で乗り切った。
発表会会場は、今年新しくリニューアルされた杉並公会堂。
次男の中学生最後の年にこの新しいステージに立てたことは、
親も子供も本当に幸せなことだ。
毎年この時期になると、学校中に子供たちの練習の歌声が響く。
一人が歌いだすと、周りにいる友達が次々と声を合わせるという。
委員を中心に、クラスごとに念入りに練習を重ねながら、
チームワークのいい時も悪い時も、様々な壁を乗り越えて、
この日のステージに立つのだ。
この中学校の素晴らしい伝統に、保護者の私たちも学校を支えながら、
有意義な1日を過ごさせてもらった。
緊張しながらも、一生懸命に歌う子供たちの歌声には、いつも感動の涙が出る。
今年、PTAコーラス隊は保護者35名、先生25名、総勢60名。
6年かけて倍の人数になり、名物コーラス隊に育った。
保護者と先生方が歌うステージ上と、子供たちが聞いている会場に、
「オレンジレンジ」の歌声が響いた。
子供達と先生と保護者がハーモニーを合わせるという私の目的は立派に果たされ、
「頑張って来て良かった・・」と感じる瞬間だ。
私は毎年、指揮者なので、会場の様子を見ることが出来ない。
去年は、指揮台の上でくるりと振り返り、
会場の子供たちに向けて指揮をしたら、次男から、ものすごく怒られた。
「今年は、こっち(会場)を見るなよ!」と、キツイお達しを言い渡された。
でも、これは私の意思ではどうにもならないことで、
カラダが反応してしまうことなのだ。
当日は、それを抑えることが大変だった・・・。
今、学校社会に「いじめ」「自殺」などの問題は尽きない。
私は、このような音楽をつかった触れ合いを通して、
「大人と子供が少しでも豊かな時間を共有したい」という強い信念を持っている。
今年で、次男は卒業して行くが、私は今後も、
地元の大人としてこの音楽発表会をサポートして行くつもりだ。
夢は「100人のコーラス隊」何年か先には、実現できるかも知れない。