そして基礎工事中に遺跡が出て大騒ぎになり、(正直迷惑だ)
多少の変更を余儀なくされ、今は駐車場となっている高台からホールを見た概観。
駐車場の路面は当局から砂利でと言われたそうだが、
結局コンクリートではなく、後々処理しやすいアスファルトに。
(掘り返す事を前提にしているようですね)
さて、今日は昨日の続きと、実際の葬儀の写真を中心にレポートしたい。
蓮月季会館の建坪は約300坪で、メインとなる式場は1式場だが、
パーティションで仕切れば3分の1のスペースは会食会場Aにもなる。
お斎の会場Bは別室に存在し(昨日掲載)、そこを法要会場とすれば、
1日に1施行プラス1法要も可能だ。
遺族・親族控え室は大小2部屋。
司式者控え室も2部屋で、これは隣接していて併せることも可能。
全体の印象は、葬祭実務を総合的に理解している人間が設計に携わったので、
弔問客・会葬者の導線、スタッフの導線などが効率的に組まれている。
例えば厨房は、A会場・B会場と連結していて、
一方の出口はA会場、反対の出口はB会場へ繋がっている。
それら全体を貫くように、建物の壁沿いに一直線でバックヤードがある。
そしてその通路上には、それぞれの部屋へ通ずるドアがある。
司式者(導師)控え室にも、それぞれの部屋にトイレ・洗面台が備わっていた。
(下の写真がトイレ・洗面台)
電話室は個室になっていて、年配者への配慮か文字盤が巨大。
携帯もこちらで利用されることがあるらしい。
亀のライトは縁起物?
それとも、焦らずごゆっくりどうぞのメッセージか。
各コーナーにもさり気なく、花が飾ってあった。
事務所スペースは、エントランス横の空間に作られているが狭い。
(宿泊用の広い部屋も別に存在するようだけど)
スタッフが贅沢していない感じが良いけど、少しかわいそう。
(私の差し入れがテーブルに乗ってますな)
それでは、過去の実際の写真をいくつか。
同じ祭壇空間を工夫して使っているので、様々な表情が見えて興味深い。
背景の景色を効果的に使ってみたり、あるいは幕で遮断したり。
バックを消すことで、ユニフォームが際立っている。
お次もどうぞ。
この3枚の祭壇写真も同様のことが言えるが、
通夜祭壇の背景としての使い方だ。
最後の設えは、まさに光だけの演出に近い。
昼間の法宴会場では、下の写真のようになる。
大きな窓からの景色と採光は、閉塞した気持ちを開放感へ誘う。
最後は、メモリアルコーナーの1例と大好きな雪景色。
とまあ、写真で色々と見てもらったけど、
工夫の無い白木祭壇は確実に減っていくようだ。
今や成熟期の葬祭業界は、様々なプロデュースを手掛ける担当者が増え、
どこのホールへ行ってもクオリティが高い。
団塊の世代が大量に退職する来年以降、確実に家族葬規模の葬儀が増えるだろう。
祭壇に限らず、より個性的で、より充実したサービス内容が求められ、
エンドユーザーの満足度が勝負の分かれ目になってくるはず。
ハイレベルな戦いが繰り広げられることで、
葬祭サービスの内容は自ずと引き上げられる。
良いものを吸収し、学ぶべきテイストを取り込んでいくしかない。
成長しなくなった企業の行く末は見えている。
今さらITは出来ないと嘆くスタッフは甘いし、
自分の業務はここまでと壁を作って楽をするスタッフもいらない。
チャレンジして、学ぼうという姿勢が無い者に、進歩も無い。
業界での生き残りは、企業も人も、確実に厳しくなっていくだろう。
<おまけ>
今回ご案内下さったS館長と葬祭とのキッカケが面白い。
若い頃は、今で言うニート…単なるフリーターだったようだ。
この点は私とそっくり。
音楽をやったりと好き勝手に暮らしていたようだが、(この点も似てる)
子供が出来たことで、就職しなければと葬儀業界に飛び込んだそうだ。
それまでの仕事と比較して、手っ取り早く生活の安定を求めたということか。
最初は、JAではなく民間の企業だったが、1年間は全くの下働き。
2年目以降に徐々に仕事の幅が広がり、一人前になった頃、縁あってJAへ。
そして私の講座を受けてくださって、葬儀に本当の興味を持たれたとか。
何度も続けて研修に参加され、嬉しいやら気味が悪いやら…
時には、もう来なくて平気でしょう…などと失礼な事を言った。
以来、その勉強熱心さには驚かされていたが、この度の僧籍取得も私と同じ。
というより、私は追い越された感じである。
ホール近くにある、彼の所属寺も拝見した。(立派でした)
まったく頭が下がる思いだが、人格的には私と違って落ち着いている。
FUNETについても、その構想段階から相談を持ちかけ、
色々と意見を伺った思い出がある。
今回ホールを訪ね、何でも教えてくださった事に感謝したい。
まだアップしてない情報もあるが、それは来年以降のセミナーで紹介したい。
最後に、こんな事を書くとご迷惑を掛けることになるかもしれないが、
斎場視察には面白いホールだなと感じた。
今後益々の健闘を祈りたい。
<おまけ2>
この後、二人で仙台まで戻り、定禅寺通りのトンカツ屋へ。
S館長馴染みのお店だが、正直美味かった。
トンカツと赤ワインの組み合わせを紹介してもらったけど、
もしかしたら、これはハマル。
目黒の権の介坂にある「とんき」の味を思い出した。
それも先代のご主人の味。
心地良く酔ってホテルへ向かった。
一日中振り回して、本当にすみませんでした。