サプライズの仕掛け人は、なんと新婦のお母様!(あまり無いケースだと思います)
ご自分の娘の結婚式に向けお母様が準備されたことは、
新婦の幼馴染のご友人にピアノ演奏を頼み、
それに合わせ新婦の高校時代の友人でバンドのボーカルをしているイケメンのご友人に、
ギターの弾き語りを頼まれたのです。
新郎には事前に伝えようと思ったそうなのですが、
なにせ熱々の仲の良いお2人ですから、
万が一、口が滑って新婦へ伝わってしまっては水の泡。
それにお2人へのサプライズプレゼントにしたいとのお気持ちもあり、
当日まで新郎新婦には内緒となりました。
ちなみに幼馴染のご友人は披露宴にご出席されますが、
高校友人は弾き語りの為だけに駆けつけてくださるそうです。
計画を聞いただけでもグッときますよね!
幼馴染の友人と高校友人は初対面ですが、
お2人ともお母様のご提案を快く引き受けられ、
事前に何度か練習もしてくださったそうです。
(余興のリハーサルは、開宴前の会場内で行なうことが多いのですが、
万が一のことを考え、当日2人でのリハはしないことにしたそうです…
すごい念の入れよう!!!)
そして、余興の最後にサプライズを入れることにしました。
当日は好天にも恵まれ、皆様からの祝福の中、宴は順調に進んでいきました。
新郎新婦との打ち合わせでの余興のトリが終わり、
お2人は満足げな表情を浮かべていらっしゃいました。
そこで、いよいよ私が、
「ではこれより、余興のトリを飾っていただきます方々のご紹介です」と言ったときの、
新郎新婦のキョトンとしたお顔(^^)
実はお母様から、当日お手紙を渡され代読してと頼まれていたのです。
その内容がまた感動!
「〇〇ちゃん、ささいなことだけど、
これまで沢山の『特別な日』があったことを
覚えていますか?たまの土曜日『特別な日だよ』と言って、
弟の〇〇と普段は寝ている時間にお菓子を食べながら土曜ワイド劇場を観たこと。
今日は大晦日だから『特別な日だよ』と言って、愛犬を家にあげコタツにいれたこと。
お父さんを中心に家族4人で真っ白になりながら小麦粉をコネ、
特製肉まんを作った『特別な日』…。
今日はお母さんがあなたにしてあげられる最後の『特別な日』です。
これからは、〇〇家のみなさんと新郎、
そして生まれてくる子供と一緒に『特別な日』を作っていってください。
曲は、お母様が数日前偶然ラジオで聞きとても感動されたというウエディングソング
『永久に共に』…」
会場中が水を打ったように静まり返り、
ピアノとギター・そして澄んだ歌声が響き渡りました。
新婦はもちろん、お母様も涙でくしゃくしゃになってました。
お母様!大成功。
お開き後、私をはじめ会場のスタッフに何度も感謝の気持ちを伝えてくださったお母様。
この成功は他でもない、娘の幸せを願うお母様の優しいお気持ちの賜物ですよ!
ご披露宴で新郎側・新婦側の演出にあまり差が出てしまうのは、
よろしくないという考えもありますが、
娘を嫁がせるご両親のお気持ちが、列席の皆さまにしみじみ伝わり、
実に暖かな感動に包まれました。
思い出深いご披露宴でした。