今までは老舗の旅館や地元のビジネスホテルでした。
夜遅く戻るとフロントには誰も居なくて、
「すいませ~ん」と2回位呼ばないと出てきてはもらえませんでした。
ところがこのビジネスホテルは、常に誰かがフロントにいて、
笑顔で「いらっしゃいませ」「お帰りなさいませ」「おやすみなさいませ」…と、
声をかけてくれるのです。
知らない町で、誰かがやさしくしてくれること。
これほどうれしいことはありません。
「いつも誰かと、さりげなくつながっていたい」
人間であればこの気持ちは当然だと思います。
そういう意味で、このホテルは二重丸!でした。
大きなお風呂もありました!
朝のあわただしい食事会場で、
一人ひとりのお客様に「おはようございます」「お盆をお使いください」
「ありがとうございました」と声をかけていた女性の方(普通のおばさんです)が、
とても感じがよくて、私の気分まで爽快になりました。
これは教育されているのか、この人の人柄か…なんて、
私は仕事柄、食事をしながらそんなチェックばかりしていましたが、
感じがいいことには変わりなく、また泊まりたいホテルの一つになりました。
さて、2日目の研修会です。
午後に葬儀が始まる直前まで、時間をいただきました。
最初の1時間は、入社して一ヶ月の男性スタッフと話をしました。
昨日の研修会に参加出来なかったので、
大切なテーマである「スタッフのチームワーク」と「葬儀の接遇」について、
私からマンツーマンで講義を受けるようにと、会社からの命令です。
随分緊張している様子でした。(無理もありませんね)
私は(限りなくやさしく)どんどん質問をして行きました。
自分が何を思い、何を感じ、どうしたいと思っているのか、
このスタッフが、はっきりとしたイメージを言葉で伝えられるようになるまで、
聞いていきました。
葬儀スタッフとしての行動は、頭だけで理解していてもはじまりません。
頭で分かったら、今度はより具体的に行動で示す必要があります。
入社1ヶ月でも、自分なりの接遇方法は見つかると思います。
このスタッフは、忙しい仕事の中で、
色々なことをゆっくりと教えてもらえていないことに焦っている様子でした。
無理もありません。
先輩達も忙しい仕事の中で、順序立てて教えている時間はありません。
私は「教えてもらえるのを待っていないで、自分からどんどん聞くこと」と、
「聞き上手」になること、
葬儀のことが書いてある本を読んでみることなどを伝えました。
そして、先輩にも色々なタイプの人がいるということ。
私たちは、皆完璧ではありません。何かがちょっとずつ足りないのが人間です。
自分の年齢がいくつであろうと、新人は新人としての謙虚さを持つこと、
かわいがってもらえる自分になること…などを話しました。
その男性スタッフは、日々の忙しさに少し疲れているようでしたので、
敬語やお辞儀など、接遇の基礎的な話よりも、
今日から少しでも元気になって、頑張れるような話を多く伝えた1時間でした。
今、彼に必要なのはそういう言葉だと思ったからです。
さて、残りの2時間で、昨日やり残したロールプレイングを再開しました。
ホールの外側では、供物や返礼品など、
大ホールと中ホールで行われる二つの葬儀の準備が進められています。
私たちは、ドアを閉めた大ホール内で、
「式中でのお客様のご案内」と「お焼香案内の新しいバージョン」を作りました。
式中のスタッフの動きは、司会者の言葉と連動することが多いです。
ですから司会言葉も新しい言葉が加えられて、その言葉に沿ったスタッフの動きや、
それとは逆に、スタッフの動きに司会者が言葉を乗せられるようになること等が、
繰り返し練習されました。
終わってホールから出ると、すっかり葬儀の準備が終わっていました。
時間が少なかったので、その全ては私が指導しながらビデオに録画して持ち帰りました。
後日、そのビデオを見ながら、言葉と動きが決定した接遇プログラムに落とし込んで、
葬儀社様にお返しします。
いつものことながら、駆け足の研修会でした。
私は限られた時間の中で、やれるだけのことをやって帰ります。
研修会は、しゃべって、歩いて、ビデオを回して、頭も体も使います。
すっかりお腹が空いたので、お昼には駅で名物の「もつラーメン」を食べました。
久し振りに美味しかったです。
スタッフにとっては、2日間にわたって勉強した密度の濃い内容を、
すぐに使えるものにして行くことが求められます。
この葬儀社様のスタッフは、皆さんが本当に働き者です。
いつも私の方が元気をもらって帰ります。
これからもスタッフが一丸となって、会社や社長を盛り立てて行くことでしょう。
まだまだ寒い日々が続きます。
仕事もしばらくは忙しいでしょうが、どうぞ皆さん頑張ってください。
また、お目にかかりましょう。
大変お疲れ様でございました。