今日は、友人司会者と私は、お互い隣の部屋で司会をします。
披露宴の開始時間は違いますが、
時間を見計らって裏動線でこそこそと話をするのが楽しみです。
「担当者が神官さんを発注するのを忘れたらしいわよ。
披露宴の開始も遅れるだろうし、こんなの有り得ない事態だよね。」
と怒っている友人。
何よりも、かわいそうなのが新郎新婦…。
「私の担当する新郎新婦じゃなくて良かったぁ。」と胸を撫で下ろす私。
私たち司会者は、当日担当する新郎新婦が一番かわいいし、
大切に思うのです。
担当者の慌てぶりを気の毒に思いながらも、友人と雑談。
それから約30分後、神官さんが現れて、
友人が司会をする神前結婚式がスタートしました。
担当者がすぐに神官さんに連絡し、駆け付けてもらったそうです。
たまたま神官さんの体が空いていて、近くだったこともあり、
30分の時間押しでお式を始めることが出来たようです。
…しかし、神官さんが捕まらなかったらどうしたのでしょう。
「考えただけでも恐ろしいわ…」
神官さんが遅れた理由は、もちろんお2人には知らせていないと思います。
交通事情だとでも言い、謝ったのでしょう。
穏やかな新郎新婦にご家族様!クレームにはならなかったそうです。
…実は、私も本番の披露宴に遅刻した事が1度ありました。
もう15年ほど前の話になりますが、
ホテルに入館した時には私の担当披露宴はすでにスタートしていたのです。
今でこそ、入館が少しでも遅れるとホテルや事務所から携帯に連絡がありますが、
当時は携帯が普及していない時代。
前日の確認も今はメールで交わしますが、パソコン・携帯メールも持たない当時は、
電話をして口頭での確認でした。
ありがちですが、「11時」と「1時」の間違えでした。
11時からスタートの披露宴を私は1時からだと思いこみ、
のこのこと大きな顔をして会場入りしたのです。
すると、私が立つはずの司会台にはキャプテンが…。
そう、司会者不在のままキャプテンが披露宴の進行していたのです。
(頭がクラクラして心臓が止まるかと思いました。)
披露宴の司会者は、準備があるため開式の1時間前には入館しますが、
私は1時間半ほど前に入館するつもりで行ったので、到着は11時30分。
11時からスタートした披露宴は、開式して30分ほど経った頃でした。
ホテルスタッフから「石川さんは具合が悪くて倒れたので、
別室で休んでいる事になっています」と説明を受けた。
やはり司会者が遅刻をしたとは、言えませんものね…。
もうひざがガクガクして、心臓が潰れそうになりましたが、
ホテルにこれ以上迷惑を掛ける訳にもいきません。
そして何より…娘がお腹に居たので、ドキドキは禁物!
平常心に戻ろうと極力努力して、笑顔で登場…。
(ありえない~)
穏やかな新郎新婦にご家族様!クレームになるどころか、
「体は大丈夫ですか?」と気遣って下さった温かい言葉に涙、涙。
「ごめんなさい、すみません」と何度も心で呟いていました。
当時所属していたブライダル事務所からは、一言。
「あなたの代わりは、あなたです!」
それから、時間に関してはとても神経質になり、
もちろん、その事件以降は1度も遅刻はありません。
皆様も、発注ミスや遅刻には、充分気を付けて下さい…。