楽しい嬉しい披露宴。
しかし時には悲しい事情を抱えての披露宴もあるものです。
今日もそのケースですが、
先日は披露宴を楽しみにしていた新婦のお母様が3日前に亡くなり、
遺影写真を両親席に置いて、予定通り披露宴を行ったケースも担当しました。
また私の友人が先日担当した披露宴は、
新婦が白血病で余命数ヶ月と宣告されているにも関わらず結婚式が執り行われ、
新郎は皆さんの前で「私は奇跡を信じています」と披露宴を結んだそう…。
もちろん参列者全員が涙して大拍手で宴が結びとなったそうです。
複雑ですね。司会者として何と申し上げればいいやら…。
悲しいかな、誰にも時を止める事は出来ませんが、
しかしその場の空気を封印する事は出来るかも!?
今回の2人は、お父様との思い出と共に披露宴を【タイムカプセル】に封印しました。
封印物は、列席者1人1人のポラロイド写真、
皆さんから頂いたメッセージ、婚姻届のコピー、給料明細、
そして、新郎新婦がそれぞれ書いた
①両親への手紙、②お互いへの手紙、③未来に誕生するであろう子供への手紙、
④10年後の自分への手紙、更には相手へのプレゼントを封印しました。
両親への手紙は同じものを郵送で実家にも送ったそうです。
この【タイムカプセル】は可愛いハート型の鍵が2箇所で掛かるようになっており、
2つの鍵は新郎新婦のお母様に1つずつ預けられました。
お父様と楽しく過ごした披露宴の空気を写真と共にカプセルに詰め込み、
10年先まで封印しておこうという気持ちは、よく分かります。
どんな状況になっていようとも10年後に開封された時には、
新郎新婦を和やかな気持ちにさせてくれ力になってくれる事でしょうね。
そして、最近【ネームインポエム】という額を、
花束と共に記念品としてご両親に贈呈する演出も見かけます。
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勇気と愛を胸に抱き 人の温もりを私に教えてくれたお父さん
新たな幸せの道へと 私たちを導いてくれたお母さん
そんな2人の子供で私は幸せです。
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この詩には、ご両親の名前が盛り込まれており、
あいだみつお風に描かれ額に納められているのです。
この詩を新婦が読み、お父様に贈られました(涙)。
親族のみの披露宴だったので、参列者すべてが事情を知りながら行われた披露宴。
皆の心が一つになった一体感のある披露宴でした。
そして、「奇跡を信じています」
言葉には出せなくても皆がそう願った披露宴でした。