初級研修会は、葬祭に入って間もない方々が受講生として集まる。
この団体は、葬祭の新人といっても、50代の方もいるので、
新入社員の接遇研修のような内容だと、物足りない方ばかりだ。
かと思えば、新卒の若者もいるので、
葬儀接遇の何に焦点を絞って伝えるかが問題になる。
私自身も悩みながらの10年間であったが、私がこの業界に飛び込んで、
1から学んで来たことを素直に伝えるようにしてからは、
皆さんが「そうだよね」と、納得してくれることが多くなった。
先日、井手のレポートもあったように、2泊3日の研修会最終日に私の接遇講座がある。
いつも3日目の受講生は、相当疲れているようだ。
朝から「コックリ、コックリ」と舟を漕ぐ方もいる。
講師としては、そこを何とか、顔を前に向かせるような講義が求められるので、
講師としても相当鍛えられた。
この講習会では、接遇のイロハだけではなく、
「葬儀スタッフに、勇気と、やる気と、元気」を与えるような講義を目指している。
接遇を教える前に、「葬儀の仕事をやる気が無い」「この仕事を続ける自信が無い」
「葬儀の仕事が嫌い」と思う人に、接遇スキルのどんな細かいことを教えても、
身に入って行かないことが多い。
だから、以下のように気持ちの部分をサポートする話も大いに取り入れている。
右も左も分からないこの世界で仕事をして行く皆さんは、
期待と不安に包まれていることだと思う。
「葬儀の世界は深い!」と言われるが、その深さが分かるまでにも3年はかかる。
今は、出会ったこの世界で、出会った方々と、
目の前の仕事を一生懸命にこなして行くだけだと思う。
今まで、他の世界でプロだった方も、葬儀の世界では新人になる。
そこで大事な「謙虚さ」を忘れずに、
周りの方々にかわいがってもらえる新人になって欲しい。
時としては「こんなはずでは無かった」と思うことも山ほどあるだろう。
「焦る」ことも「腐りたくなること」もあるだろう。
でもそれは誰でもが通る道なのだ。
まずは、1年後に成長している自分を目指して頑張って欲しい。
これまで私がこの講習会で出会った多くの皆さんが、
今、全国のその組織団体で、生き生きと葬儀の仕事に邁進している姿に出会う。
必ず、新人の皆さんもそのようなスタッフになれると、私は信じている。
「焦らず、腐らず」前を向いて歩いていって欲しい。
人間として生きていて一番辛い時、それは身近な方を亡くした時だ。
「人間の悲しみの時を支える」それが葬儀という仕事なのだ。
「葬儀の仕事」は、立派な、意義のある素晴らしい仕事だと確信している。
皆さんの温かい言葉や、思いやりのある行動で、悲しみの人は立ち直り、
明日に向けて生きて行くことができるのだ。
それを信じて、一人ひとりの喪主様のために、一人ひとりの遺族のために、
お客様のために、心を尽くして欲しい。
今、この全国的な組織は、大きく大きく羽ばたく時を迎えている。
皆さんは、その歴史の中での一躍を担うことが出来る、
大きなチャンスをもらっているということでもある。
この日々を後悔すること無く生きて欲しい。
地元葬儀社ナンバーワンを目指して、頑張っていただきたい。
私も、接遇講師として、業界の先輩として、心から応援しています!