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2007年06月12日

葬儀司会研修会in大阪 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

初級研修会だから2泊3日。
私はその中の「葬儀司会初級」の部分を担当した。
参加者は17名で…意外と少ない。
北は石川県から、南は福岡県まで(大阪開催だからこんなものか)。
少ないとなると、マイクもたくさん廻せるし、色々と余計なことまでやりたくなる。
と…その考えが甘かった。

前日は早目に入り、会食に参加するので皆さんの事が分かる。
そこでの自己紹介は個性も、地域性も出て面白い。
やたらと入社したての人が多く、全国の葬儀事情もバラバラなのに意見が噛みあわない。
当たり前だ、皆さん自分の地域のやり方が主流だと思っているからね。
(今回はお骨で葬儀をやる地域が極端に少ないバランスだったな)

私の隣に、私の地元・福岡の方がいらした。
系統の中での福岡のやり方の特徴は、外注に頼りすぎること。
司会もセレモニーレディも外注が多い。(他地域のJAと比較して)
都市部だしアウトソーシングが発達しているからだが、
それと業務を投げ出すのとは違うはず。
第一、葬祭ディレクター試験で苦労する。
最低限の実務でもいいから、まず担当者になる前に経験して欲しい。
はっきり言ってしまえば、使えないタイプが多すぎる。(気がする…ゴメンネ)
他のJAと比較して、「落ちる」のは否めない…残念!
新人で来た早々にこんな話、負けずに頑張ってください。

その会食の前・・・私は遺体の取り扱いや納棺や、
祭壇飾りなどの授業を見学しながら思った。
うむうむ、なかなか面白い記事が参考資料として出ている。
「死後の世界」と題した記事の抜粋…。
因果応報から、死後の6つの世界(天・人間・餓鬼・畜生・修羅・地獄)、
中陰…冥途の旅、死出の山、三途の川や賽の河原…。
所謂howto物であろう。
新人には丁度手頃で、分かりやすく書いてある。
ただ、どっかのクソ坊主も法話で同じような事を話すだろう。



葬儀社のプロの視点でモノを見たときに(勿論新人さんだから将来だろうが)、
howto物では物足りないのでは…。
まして現代の葬儀事情と絡めて考えると、前述したような「死後の世界」に(輪廻観)、
リアリティは維持しがたく、新しい死後の物語を作り出せるかというテーマも重要。
屁理屈をこねるわけではないけど、満中陰で新たな世界に生まれ変わる…
というのがインドの仏教の基本なのに、百か日、一周忌、三回忌…とは?
墓も位牌もないインドの仏教が、いつの間にか日本式に変わった理由は?
様々な神仏習合の元凶となったものは何?
プロの目線でモノを見たときに、地獄の婆さんの話は作り話に思えるし、
閻魔様は中国から入ってきたものだし…、
確か地獄は中国の善導大師が布教のために、
つまり文字が読めない人たちのために、だったよな…なんてね!
アチャー、喋りすぎて時間が足らなくなるぞー!



前回の福岡開催の場合は、「葬儀の基礎知識」も併せてやらせていただいたので、
その経緯をお話し、今回はそのテキストの中から、
葬儀の様々なシーンの写真をお見せしたり、死後の物語について語ったり…。
うっふふ、一度作成したテキストも無駄にはしないですよ。
でも、何だかんだで眼一杯、終わって見たら少し時間オーバー。
司会の研修はいつも通りに進むので仕方がないか。

ぶつ切り駄目、抑揚駄目、口跡が切れないのは駄目…。
駄目駄目尽くしで、葬儀司会の講座は悩み多し。
祝儀司会と不祝儀司会の技術はこんなに違うのか!
実際、一度受けられると、イメージが変わってしまうのです。
この新人の皆さんが、何年か先に、中級でお会いする事を楽しみにしています。
頑張ってください。


<追伸>
フューネラルビジネスフェアの司会講座では、現代の葬儀が抱える諸問題の一つとして、
「死後の物語」や「葬儀は誰のため」などもくっつけてしまおう…と思っているが。
無理かなー!

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2007年06月12日 09:16

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