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2007年07月19日

「一般のお客様向け勉強会」の講師をしました。その2(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

では、イベント当日のご報告をいたします。
6月の末の土曜日に、関東近郊の葬儀社様で、お客様向けイベントがありました。
当日は、1時間30分前に、会場の葬祭ホールに入りましたが、
熱心なお客様が、すでにおいでになっていてびっくりしました。
急いで着替えを済ませて、打ち合わせと準備の開始です。

まずは、私のテーブル周りのセッティングからです。
パソコンを置いて電源を取り、原稿と時計、ICレコーダーをセッティングしました。
自分の話の録音を聞くのは、好きではありませんが、
喋り方や話の内容をチェックすることは大切です。最近よく録音します。
(実の所、自分の話を後で聞くのは、結構面白いです…)

次に、今回は歌を歌うので、伴奏レベルのチェックです。
歌う時に、伴奏が聞こえないと最悪です。
普段の葬儀式場のスピーカーレベルとは全然違うので、
この場合のチェックは、とても大切です。
そして、マイクチェック。
お喋りと歌は、やはり音量レベルが違うので、それをきちんと決めました。

それから配布物の確認です。当日に持ち込んだ「無宗教音楽葬・次第」をお渡しして、
追悼文にはさむ仕事をお願いしました。
式場には、100脚ほどの椅子が置いてありました。
80部用意させていただきましたが、どうなるのかなあ?ちょっと心配でした。

最後に、話の時間配分をもう一度確認します。
初めは1時間程度で…というご依頼でしたが、
私自身が、内容的に1時間30分は欲しいということになり、ご了解を得ました。
私の講演会が終わった後には、それぞれの先生方の相談会や、
試食会、生前相談コーナーなどもあるので、時間オーバーは許されません。
もう一度、しっかりと原稿を見直しました。

接遇研修会の時もそうですが、話というのは生き物で、
予定に無い話が突然飛び出したりします。
でも、そのテーマと同じ回路から出てくる話なので、
時としてとてもリアルで、聞く人の心をつかむことも多いです。

 

ご紹介をいただき、いよいよ私の講演会が始まりました。
会場では、始まる寸前に椅子が足りなくなり、かなりの数を並べていたようです。
最終的には、120名様程が私の話を聞いてくださったようでした。
途中で、「ショート・ブレイク」として歌った歌は、
女性はもちろん、男性の方までもが大きな声で一緒に歌ってくださいました。
亡くした方を偲ぶような歌だったので、雰囲気にはとてもぴったりでした。
歌を歌うと、その後の雰囲気がとても和みます。
音楽が持つ不思議な力が、ここでも発揮されました。

そして、「無宗教音楽葬の模擬葬儀」は、
「アメージンググレースの献唱」で、始まりました。
「FUNET」のナレーションシステムから「追悼の辞」をご披露して、
無宗教葬での、「お別れの言葉」についてのお話。
ラストに「献花」のデモンストレーションを致しました。
最後には、この葬儀社様が熱心に取り組んでいる「エンディングノート」のお話です。
私も実際に書いてみた感想を含めてお伝えしました。

私は、エンディングノートというものが世の中に出た頃に早速買って、
自分のことを書いたことがあります。
こういう仕事をしているからこそ興味があったのですが、
これは今や、どなたにでも必要なものだと思っています。
今、多くの葬儀社様で、独自にエンディングノートを作る所が増えました。
せっかくの活動を広くお客様に知らせることは大切です。
「エンディングノートを書くことは、<死ぬ>ことを考えることでは無く、
 <生きること>を考えることだと思います」
という私の素直な感想もお伝えしました。

私が最も興味深かったのは、講演が終わってからのお客様とのお話です。
何組もの方が、自分の順番を待って、私とお話をしてくださいました。
そこから分かったことをまとめます。

すでに、こういうお葬式の勉強会にいらっしゃるお客様という方々は、
物凄くドライに「葬儀について、もっともっと知りたい」と思っていらっしゃいます。
(「お葬式の話しは、なるべく避けた方がいい」なんて思っているのは、
 もしかしたら葬祭業者側だけかも知れません…)
お客様は「もっと、直接的な話が聞きたい」「もっと、具体的に話がしたい」と
思っていらっしゃるようです。

それから、「故人を中心にしたお葬式をしたい」と、多くの方が語っていました。
「普通の人生を生きたからこそ、お葬式では、中心に置いてあげたい」
「主役として、尊びたい」
「故人のことを多くの方に覚えていて欲しい」
「故人に光を当てて欲しい」等など
それぞれに、熱い想いを語ってくださいました。
だから今、こうして「家族葬」が、増えて来たのでしょう。
そして、「宗教者ばかりが中心になり、悲しみの遺族までが、
宗教者に気を遣わなくてはならない宗教葬が、敬遠されるようになって来た」
ということも言えるようです。

この勉強会の経験から私は、
「葬儀社が、お客様のために葬儀を通して実践していること、
 葬儀について考えている思いをどんどんお客様にアピールしていい時代が来た」
と、確信しました。
そして、今回、経験させていただいた講演会は、
私自身の新たな活動のテーマを見出してくれました。
「FUNET」の、これからの時代への可能性についても、確信した私です。
葬儀社様はもちろんのこと、「FUNET」は、
一般のお客様も求めているシステムであるということも分かりました。

この経験を踏まえて、これから私は「イベントを企画したい」という葬儀社様に向けて、
最大限のサポートをさせていただこうと思っています。
一般のお客様も、しっかりとお葬式について勉強しなければいけない時代だと思うのです。
しっかりと勉強して始めて「自分が思うとおりの葬儀が出来るようなる」のだと思います。
そして、一般のお客様が勉強をし始めたら、
それ以上に葬儀社側にも勉強することが求められるでしょう。
型どおりではない、新しい発想も必要です。
葬儀の世界に、新しい風が吹き始めています。

Mセレモニー様、この経験を心から感謝いたします。ありがとうございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2007年07月19日 09:17

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